①の挙例の「万葉‐一五二〇」については②の意とする説もあるが、②は漢文の訓読から発生したともいわれ、「古事記」や「日本書紀」での「望」字の意味から①とする説が有力である。





(亡)(ぼう)。卜文は、大きな目をあげて遠くを望み、挺立する人の形で、象形。聞の初文が、大きな耳の下に挺立する人の形であるのと同じく、特定の行為を示す字である。のち金文の字形には
を加えて月相の関係の字となり、また目の形(臣)が
の形にかかれて形声となる。〔説文〕十二下に「出
して外に在り、其の
るを
むなり」とあって、
を亡去の意に解する。また別に
(てい)部八上に
を収め、「
滿ちて日と相ひ
む。以て君に
するなり。
に從ひ、臣に從ひ、
(てい)に從ふ。
は
なり」とする。その重文として
を録し、「古
。
の省なり」というが、その
が卜文にみえる
で、
の初文である。
は人が挺立して遠く望む形で、眼の呪力によって敵を圧服し、あるいは望気を行う意の字であった。卜辞に「媚人(びじん)三千をして、
方を
ましむること勿(なか)らんか」のように卜するものがあり、媚飾を加えた三千の巫女が、一斉に山西北方の異族である苦方に、その呪儀を行った。
はまた山川祭祀の名となる。のち日月相望む意によって月を加え、朔望の
となり、望より一週の月相を既望という。
此の
に云ふ、毛知豆
(もちづき) 〔名義抄〕
ネガフ・ミツ・ウラム・アフグ・ノゾム・ワスル・ホシキ 〔字鏡集〕
ウカガフ・ミツ・ウラム・アフグ・ワスル・ノゾク・ネガフ・ノゾム・モチ
声として
と
とを収めるが、
・
は一字。
は金文に「十世まで
(わす)れず」のように、忘の義に用いる。〔説文〕三上に「責
するなり」とあるのは、のちの用義であろう。
・
miuangは同声、もと同字異文。また
miuangも同声。望の呪儀を、呪詞によって行う意で、やめる、なくする意のある字であろう。ゆえに金文に
を忘の意に用いる。
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望・渇望・閑望・観望・企望・希望・祈望・既望・跂望・期望・冀望・覬望・
望・旧望・郷望・仰望・翹望・勲望・群望・顧望・郊望・曠望・懇望・才望・柴望・朔望・士望・四望・志望・俟望・姿望・思望・資望・時望・失望・衆望・重望・宿望・春望・所望・属望・矚望・信望・人望・声望・清望・勢望・責望・切望・絶望・羨望・瞻望・素望・想望・族望・大望・待望・悵望・眺望・騁望・展望・覘望・登望・徳望・熱望・非望・弥望・標望・布望・俯望・風望・本望・民望・名望・門望・野望・有望・憂望・誉望・輿望・要望・遥望・欲望・令望出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…太陽に対して月が天球を一周する時間で,29.530589日。太陽と月の黄経の差が0度のときを朔といい,180度のときを望という。ある朔から次の朔まで(あるいはある望から次の望まで)を朔望月という。…
…したがって,衝のころは惑星の表面の観測や暗い小惑星の位置観測の好機である。なお,満月は月の衝にあたり,これを〈望〉という。【湯浅 学】。…
…月と太陽の視黄経の差が180゜となる瞬時,すなわち望のこと,またそのときの月をいう。月と太陽は地球を中にほぼ反対側にある(正反対のときは月食)。…
※「望」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...