デジタル大辞泉
「線」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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せん【線】
- 〘 名詞 〙
- ① 糸。糸のように細く長いもの。すじ。いとすじ。
- [初出の実例]「僧是を怪て線を構て潜に其裾に付てけり」(出典:海道記(1223頃)逆川より鎌倉)
- [その他の文献]〔孟郊‐遊子吟〕
- ② ある物の輪郭。
- [初出の実例]「涙に乾かぬ睫(まつげ)、長く窪(くぼめ)る頬の線を見よ」(出典:帰省(1890)〈宮崎湖処子〉五)
- ③ 平面上で、筆などの先を一点から移動させたときにできる図形。区画、しきり。
- [初出の実例]「二重にも線(セン)が引いてある。何の為めに引いたか」(出典:小春(1900)〈国木田独歩〉)
- ④ 道路・鉄道・航路など、二地点を結ぶ交通機関の道筋、経路。路線。
- [初出の実例]「此線は当節日本使節のため政府より『チカゴ』及び華盛頓府へ、新に張たる線にて」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
- ⑤ 物事の境目。仕切り。また、ある水準。
- [初出の実例]「さうして生じた結果は最悪の線まで堕ちたことが決してない」(出典:耳を掻きつつ(1934)〈長谷川伸〉耳を掻きつつ)
- 「今までの暢気な関係を、真面目に話し合って、線を引かなくてはいけないかも知れぬ」(出典:春の城(1952)〈阿川弘之〉一)
- ⑥ 物事の関連の仕方や方向、筋道など。
- [初出の実例]「国策の線に沿って書かれねばならないとされている文学」(出典:現代文学論(1939)〈窪川鶴次郎〉芸術的価値と政治的価値)
- ⑦ 人の姿や性格から受ける感じ。また、言動から受ける印象。
- [初出の実例]「審問席に着くなりじろりと被告席を見下した法服の彼とは、どうしても思はれない線の弱さがあった」(出典:死刑囚と其裁判長(1922)〈中西伊之助〉一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「線」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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線 (せん)
line
線は数学における基礎的な概念であるが,通常は,線の定義は与えられず,平面上または空間内に描かれた細長い一続きの図形,あるいは点が動いてできる図形といった暗示的説明だけですましている。歴史的にも永い間,線は自明な原始概念として完全な定義を追究されることもなく用いられてきた。もっともユークリッドは《ストイケイア》の冒頭に掲げた定義において,〈線とは幅のない長さである〉と述べているが,これも線の一応の説明にすぎない。19世紀後半に数学の各部門の厳密化が進んで,初めて線の明確な定義が要求されるようになった。現代数学では,区間から空間(一般に位相空間)への連続写像による像を線と定義する。なお,通俗には線は直線と曲線に分けられるが,今日の数学では曲線という言葉を線と同義に用いるのがふつうである。
執筆者:中岡 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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線【せん】
(1)数学では直線と曲線を合わせて線という。(2)製図で用いる線には,実線,破線,一点鎖線,二点鎖線がある。太い実線は物の見える部分の形状を表すのに用い,細い実線は寸法線,寸法補助線に用いる。破線は物の見えない部分の形状を表し,一点鎖線は中心線,切断線などに,二点鎖線は想像線に用いる。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の線の言及
【素描】より
…デッサン。多彩色による完成された作品である〈絵画〉もしくは〈タブロー〉と区別して,一般に単色で描かれた線描を主とする試作的描画のことをいう。素描は大別して次のような種類に分けられる。…
※「線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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