ずいと(読み)ズイト

デジタル大辞泉 「ずいと」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「ずいと」の意味・読み・例文・類語

ずい‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 力を入れて勢いよく一気に行なうさま、滞りなくまっすぐ動くさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「うらをきりさかいてずいと全衣合縫ほどに」(出典:六物図抄(1508))
    2. 「道倚(みちより)なしに、ずいとお宿へお帰り遊して」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
    3. 「ズイと一通り四辺(あたり)を見亘し」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  3. 一つも残さないで全部にわたるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「あまりにいたいたしい事なれどもすいとしるすぞ」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)二)
    2. 「角から隅迄ずいと左様思召被下升う」(出典:続歌舞妓年代記(1907)三〇)
  4. とりすまして愛想のないさまを表わす語。つんと。
    1. [初出の実例]「ずいと済(すま)し込んで高慢の鼻うごかし」(出典:当世文学通(1889)〈内田魯庵〉)

ずいとの補助注記

「滑・浮世床‐二」の「両手で羽織の折返しをズウイとしごいて」などのように、強調して「ずういと」の形でも用いる。

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