クレーマー(読み)くれーまー(その他表記)Herbert Kroemer

デジタル大辞泉 「クレーマー」の意味・読み・例文・類語

クレーマー(claimer)

《原義は「要求者」「請求者」の意》商品の欠陥、客への対応の仕方などについてしつこく苦情を言う人。特にその苦情が言いがかりと受け取られるような場合にいう。

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精選版 日本国語大辞典 「クレーマー」の意味・読み・例文・類語

クレーマー

  1. 〘 名詞 〙 ( 洋語claimer ) クレームを申し立てる人。とくに執拗なクレームを行なう人に対して使われることが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレーマー」の意味・わかりやすい解説

クレーマー
くれーまー
Herbert Kroemer
(1928―2024)

ドイツの理論物理学者。ワイマール生まれ。1947年にギムナジウムを卒業し、イエナ大学で物理学を学び始めるが、東ドイツの政治的弾圧の高まりで西ドイツ行きを決意。ゲッティンゲン大学で半導体の理論などについて勉強を続け、1952年に博士号を取得した。渡米して1954年から1957年まではプリンストンのRCA研究所、1959年から1966年まではカリフォルニア州パロアルトにあるバリアン・アソシエーツで研究を続け、1968年から1976年まではコロラド大学教授。その後カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授となる。

 1950年代に半導体の「ヘテロ接合」についての研究を本格的に開始。1957年に、ヘテロ構造による優れた特性を理論的に予測した。半導体は普通はシリコンでつくられるが、ガリウムとヒ素のように異種(ヘテロ)の素材を層に重ねると、層と層の間にある電子が高速に動き、優れた性質をもつようになる。ヘテロ接合でつくった半導体でレーザーを発振することで、現代の情報社会を支える光ファイバー通信ができるようになった。この一連の研究とは別にロシアでヘテロ構造半導体の研究を進めていたZ・アルフョーロフとともに、2000年のノーベル物理学賞を受賞した。なお、同じく情報社会に欠かすことのできない集積回路の原案を提示したJ・キルビーも同時受賞している。

[馬場錬成]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレーマー」の意味・わかりやすい解説

クレーマー
Kroemer, Herbert

[生]1928.8.25. ドイツ,ワイマール
[没]2024.3.8.
ハーバート・クレーマー。ドイツ出身のアメリカ合衆国の物理学者。高速エレクトロニクスおよび光エレクトロニクスに使用される半導体ヘテロ構造を開発した功績により,2000年ジョレス・アルフェロフ,ジャック・キルビーとともにノーベル物理学賞(→ノーベル賞)を受賞した。
1952年ゲッティンゲン大学で理論物理学の博士号を取得。その後,アメリカに渡り,1954~57年にニュージャージー州プリンストンの RCA研究所,1959~66年にカリフォルニア州パロアルトのハイテク機器メーカー,ベーリアン・アソシエーツVarian Associatesに勤務する。1968年コロラド大学ボールダー校の電気工学教授,1976年カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授,2012年には同校の名誉教授となった。
分子線エピタクシー法でパイオニア的な研究を行ない,ケイ素の上にガリウムリンやガリウムヒ素の結晶を形成させた。1950年代中頃,ドリフトトランジスタを開発し,今日でいうヘテロ接合を,バイポーラ半導体などの半導体素子に取り込むことにより,非常に高い効率が実現できることを他にさきがけて提案した。また,ダブルヘテロ構造注入型レーザーを開発し,これはその後,半導体レーザーの分野で中心的技術となった。

クレーマー
Kramer, Jack

[生]1921.8.1. ネバダラスベガス
[没]2009.9.12. カリフォルニア,ロサンゼルス
アメリカ合衆国のテニス選手。フルネーム John Albert Kramer。アマチュアテニス選手として,四大大会において 1940~47年に男子シングルスで 3度,男子ダブルスで 6度,混合ダブルスで 1度優勝した。1947年にプロテニス選手に転向。1952年に関節炎を患い競技生活から遠ざかったが,プロモーターとして良質な試合を組み,多くのアマチュアをプロに転向させたことで有名になった。1968年にみずから推進していたオープン化が実現すると,マスターズを頂点とするグランプリシリーズの立ち上げに尽力した。1972年に男子プロテニス協会 ATPの初代会長となり,その活動を支える一方でテレビの解説者も務めた。1979年にフランク・デフォードと共著で自伝『ゲーム――テニスにおけるわが40年』The Game: My 40 Years in Tennisを出版。1968年に国際テニス殿堂入りした。

クレーマー
Kramer, Samuel Noah

[生]1897.9.28.
[没]1990.11.26
ロシア生まれのアメリカの考古学者。シュメールの専門家。 1906年に両親とともにアメリカへ移住。 1929年ペンシルバニア大学卒業。 1930~31年同大学中東考古学発掘隊に参加。その後,シカゴ大学オリエント研究所アッシリア語辞典編纂のメンバーとなる。 1949年よりペンシルバニア大学クラーク研究所アッシリア学客員研究員を経て,同研究所教授,また同大学博物館西アジア粘土板収集部門主任。 1976年に記念論文集がドイツで刊行された。主著『シュメールの神話』 Sumerian Mythology (1934) ,『歴史はシュメールに始まる』 History Begins at Sumer (1959) ,『メソポタミア』 Cradle of Civilization (1967) 。

クレーマー
Kramer, Stanley

[生]1913.9.29. ニューヨーク
[没]2001.2.19. カリフォルニア,ウッドランドヒルズ
アメリカの映画制作者,監督。『チャンピオン』 Champion (1949) ,『真昼の決闘』 High Noon (52) などの問題作を制作する一方,鋭い社会意識に根ざした『手錠のまゝの脱獄』 The Defiant Ones (58) ,『渚にて』 On the Beach (59) ,『ニュールンベルグ裁判』 Judgement at Nuremberg (61) などを監督し,第2次世界大戦後のアメリカにおける独立プロの旗手となった。

クレーマー
Cremer, August Hermann

[生]1834.10.18.
[没]1903.10.4.
ドイツのプロテスタント神学者。聖書主義者。オステンネンの牧師 (1859) ,のちグライフスワルト大学組織神学教授 (70) 。聖書主義の立場から自由主義神学を批判。『パウロの宣義論』 (99) において,パウロの贖罪論に関する伝統的解釈を支持,神学の中心に宣義論を掲げた。著名な『新約聖書ギリシア語の聖書神学辞典』 (67) は,今日なお価値を有する。彼の人柄は学生と教会に大きな感化を及ぼし,周囲に集った学者たちによってグライフスワルト学派が形成された。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「クレーマー」の解説

クレーマー Kramer, Raymond C.

1906-1957 アメリカの軍人。
1906年5月25日生まれ。会社経営ののち,第二次世界大戦に従軍。昭和20年GHQの初代経済科学局長。三井,三菱などの財閥解体をすすめ,安田財閥から自主的解体案をひきだした。翌年帰国し,実業界に復帰した。1957年1月24日死去。50歳。フィラデルフィア出身。ペンシルベニア州立大卒。

クレーマー Kramer, Lois F.

1891-1976 アメリカの婦人宣教師。
1891年7月7日生まれ。クリーブランド市で聾(ろう)学校教師をつとめたのち,大正6年来日。東京牛込矢来町福音教会で伝道。また福音派教会の幼稚園長となる。9年A.K.ライシャワー夫妻と日本聾話学校を創立。のち同校理事長。昭和32年帰国。1976年4月23日死去。84歳。

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