鸚鵡返し(読み)オウムガエシ

デジタル大辞泉 「鸚鵡返し」の意味・読み・例文・類語

おうむ‐がえし〔アウムがへし〕【×鸚×鵡返し】

1 他人の言ったとおりに言い返すこと。「鸚鵡返しに答える」
2 和歌の詠み方の一。相手から詠みかけられた歌の一部だけを変えて、別の趣向で返歌すること。
3 酒宴の席で、相手の差す杯を干して、すぐ返杯すること。
[類語]やいのやいの・ああ言えばこう言う・揚げ足を取る・あげつらう・言いたい放題・言い立てる・うるさい・うるさ型・かき口説く・がたがた・がみがみ・くそみそ・くだくだ・ぐだぐだ・くだくだしい・口うるさい・口が減らない・口が悪い・口汚い・口さがない・口幅ったい・口任せ・口やかましい・くどい・くどくど・くどくどしい・クレーマー・けちを付ける・喧喧囂囂けんけんごうごう・口角泡を飛ばす・小うるさい・ごてごて・小やかましい・懇懇・嘖嘖さくさく・舌長・しちくどい・四の五の・重箱の隅をつつく・諄諄じゅんじゅん・針小棒大・ずけずけ・ずばずば・たらたら・ちくちく・喋喋ちょうちょう・丁丁発止・つべこべ・滔滔とうとう・どうのこうの・とやかく・なんのかの・ねちねち・ねっちり・ぶすぶす・ぶつくさ・ぶつぶつ・べちゃくちゃ・ぺちゃくちゃ・ぼろくそ・まくし立てる・回りくどい・耳に胼胝たこができる・蒸し返す・やいやい・やかましい・やかまし屋・催促がましい・せつく・迫る・要求する・強請する・強迫する・強談ごうだんする・催促する・催告する・責め立てる・せがみ立てる・急き立てる・急かせる・尻を叩く・矢の催促・目まぐるしい・忙しい・急・せわしい・せわしない・気ぜわしい・慌ただしい・きりきり舞い・東奔西走・てんてこ舞い・多忙・繁忙・繁多・繁劇・多事多端・多用・繁用・席の暖まる暇いとまもない・猫の手も借りたい・そそくさ・せかせか・性急・拙速・多端・忙殺・怱忙そうぼう・倥偬こうそう・怱怱そうそう・大忙し・取り紛れる・手が塞がる・目が回る・応接に暇いとまがない・心急せく・あくせく・こせこせ・ばたばた・せっかち・あたふた・気早・気早い・大わらわ・貧乏暇無し・甲斐甲斐かいがいしい・そわそわ・右往左往・慌てふためく・動き回る・ちょこまか・うそうそ・倉卒・押せ押せ・てんやわんや・ちゃかちゃか・浮き腰・もじもじ・もぞもぞ・まごまご・うろうろ・うろちょろ・おたおた・ふわふわ・ふらふら・頓狂・さっさ・浮うわつく・きょろきょろ・きょときょと・軽軽しい・軽軽けいけい・軽挙・軽挙妄動・そそっかしい・軽はずみ・手当たり次第・書き入れ時・立て込む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鸚鵡返し」の意味・読み・例文・類語

おうむ‐がえしアウムがへし【鸚鵡返】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 和歌で、人から言いかけられた歌の文句の一部を変えて直ちに返歌をすること。
    1. [初出の実例]「鸚鵡返しといへる心は、本の歌の、心ことばを変へずして、同じ詞をいへるなり」(出典:俊頼髄脳(1115頃))
    2. 「あふむ返しと云物あり。本歌の心詞をかへずして、同事をいへる也」(出典:八雲御抄(1242頃)一)
  3. ② 人の言ったことや、しぐさを、そっくり真似をしてすぐに返答すること。
    1. [初出の実例]「今朝の春は鸚鵡返しかとりの年〈正章〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一)
    2. 「『私と小夜さんとで?…』と鸚鵡返しに言って不審の眉を寄せた」(出典:其面影(1906)〈二葉亭四迷〉一三)
  4. ③ 酒席で、人からさされた杯を、飲んですぐに返杯すること。
    1. [初出の実例]「あふむ返しの盞の事。是は七返まではすべし。八返はせず」(出典:今川大双紙(15C前)酒に付て式法の事)
  5. ④ =おうむ(鸚鵡)②
    1. [初出の実例]「又右の鳴物になり鸚鵡返(アフムガヘ)しの立廻りの中(うち)お竹忘れし所を次郎右衛門に聞く」(出典:歌舞伎・身光於竹功(1864))

鸚鵡返の語誌

歌学用語の①は、挙例の「俊頼髄脳」や「八雲御抄‐一」の説明で「十訓抄‐一」に藤原成範が女房から「雲の上はありし昔に変はらねど見し玉だれの内やゆかしき」と詠みかけられて第四句の「や」を「ぞ」に換えて返したことなどがその具体例にあたる。これを小野小町と結びつけたのが謡曲の「鸚鵡小町」で、以後、歌論や連歌論では返歌の技法の一つとされる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例