日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘンリー(4世)」の意味・わかりやすい解説
ヘンリー(4世)
へんりー
Henry Ⅳ
(1366―1413)
ランカスター朝初代のイギリス王(在位1399~1413)。ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの長男。プランタジネット朝のリチャード2世に対する忠誠を疑われて追放されたが、1399年、父が死没し広大な家領を王に没収されるに及んでフランスから急ぎ帰国し、兵を集めて王を降伏させた。ヘンリーは王位継承を要求し、議会もリチャードの廃位を宣言したので、同年9月ヘンリーが即位し、ランカスター朝が創始された。しかし、王位は安定せず、ウェールズ人の蜂起(ほうき)や貴族の反乱が絶えなかった。また、百年戦争を継続し、スコットランドとも戦うために必要な戦費を調達しようとして議会とも反目した。
[松垣 裕]