千代田(広島県)(読み)ちよだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「千代田(広島県)」の意味・わかりやすい解説

千代田(広島県)
ちよだ

広島県中西部、山県郡(やまがたぐん)にあった旧町名(千代田町(ちょう))。現在は北広島町(きたひろしまちょう)の一地区。旧千代田町は1954年(昭和29)八重(やえ)、壬生(みぶ)の2町と本地(ほんじ)、南方(みなみがた)、川迫(かわさこ)の3村が合併して成立。2005年(平成17)大朝(おおあさ)、芸北(げいほく)、豊平(とよひら)の3町と合併し、北広島町となる。旧町域は江の川(ごうのかわ)の上流をなす可愛(えの)川流域、吉備(きび)高原上の小盆地にあり、郡東部の中心であった。国道261号、433号、中国自動車道が通じ、千代田インターチェンジがある。1991年浜田自動車道が開通、千代田ジャンクションで中国自動車道と接続する。基幹産業は米作を中心とした農業だが、広島市に近く、交通も便利なため企業の進出が多くなってきた。古来田楽(でんがく)、はやし田、花田植の行事があり、6月に行われる「壬生の花田植」は国の重要無形民俗文化財で、2011年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。男性が花笠(はながさ)をかぶって踊る「本地の花笠踊」も国の無形民俗文化財になっている。また川東(かわひがし)の民俗収蔵庫には「はやし田用具」(国指定重要有形民俗文化財)などを展示する。同じく重要有形民俗文化財の「芸北の染織用具および草木染めコレクション」も芸北民俗収蔵庫に保存されている。古保利薬師堂(こほりやくしどう)に安置されている木造薬師如来(にょらい)など平安時代の仏像9体は国指定重要文化財。

[北川建次]

『『千代田町史』全8巻(1987~2004・千代田町)』


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