(読み)せい

精選版 日本国語大辞典 「成」の意味・読み・例文・類語

せい【成】

[1] 〘名〙
① なしとげること。まとまった形にしあげること。曲を奏しおえること。
儀式(872)三「国栖奏古風五成、次悠紀国奏国風四成」
平治(1220頃か)上「君、臣をえらんで官をさづけ、臣、をのれをはかって職をうくるときは、任をくはしうし成をせむること、労せずして化すといへり」 〔書経‐畢命
② たいらぎ。講和。和睦。〔春秋左伝‐隠公六年〕
[2] 中国、五胡十六国一つ三〇四‐三四七)。成漢、または後蜀。氐(てい)族の李雄が四川の成都に建てた国。東晉に滅ぼされた。

なる【成】

〘名〙 旧暦用語。暦の中段十二直の一つ。建築婚姻・立願・入学旅行・移転・種蒔きなど、成就を期待する行事事業を始めるのには吉、訴訟には凶とされる。成日(なるひ)
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「立直を定め当日に執(とる)とはえんぎに成(ナル)(おさん)

じょう‐・ず ジャウ‥【成】

[1] 〘自サ変〙 なる。できる。できあがる。成功する。成就する。
今昔(1120頃か)一「我が道の成じ不成ぜざる事を軽め疑ふ事无かれ」
[2] 〘他サ変〙 なしとげる。成就させる。
霊異記(810‐824)中「仏性の頂に登り、普く群生に施し、共に仏の道を成ぜむ」

なっ【成】

感動〙 (「なるほど(成程)」の略) 相手のことばに対して、その通りであると同意する気持、またはそうであったかと納得する気持を表わす。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉九「嘴(くちばし)をさしはさみて、大きな声にて、『成(ナ)っ』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「成」の意味・読み・例文・類語

せい【成】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ジョウ(ジャウ)(呉) [訓]なる なす
学習漢字]4年
〈セイ〉
なしとげる。つくりあげる。しあがる。なる。「成果成功成績成立完成期成結成構成合成作成小成達成編成集大成
一人前になる、また、する。そだつ。「成育成熟成人成虫成長成年促成養成老成
できあがっている。「成案成句成語
〈ジョウ〉なる。なす。「成就成道成仏
[名のり]あき・あきら・おさむ・さだ・さだむ・しげ・しげる・なり・のり・はかる・ひで・ひら・ふさ・まさ・みち・みのる・よし
[難読]成吉思汗ジンギスかん・チンギスハン

じょう【成/盛/静】[漢字項目]

〈成〉⇒せい
〈盛〉⇒せい
〈静〉⇒せい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「成」の意味・わかりやすい解説

成 (せい)
Chéng

中国,五胡十六国の一つ。306-347年。成漢,後蜀ともいう。西晋時代,飢餓に苦しむ関中方面の(てい)族は故郷の漢水地方に流れこんだが,これを指導する李特は,西晋の内乱に乗じて四川地方を占拠した。以後李氏一族がこの地方の覇権を握り,李特の子李雄は道士范長生を政治顧問として成都で帝位に就き,国号を大成と称した。のち第4代李寿がこれを漢と改めた。李雄の死後は一族の間に内紛が絶えず,第5代勢のとき東晋の桓温に攻略されて滅んだ。
五胡十六国
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「成」の解説


せい

306〜347
五胡十六国の一国。蜀 (しよく) または後蜀 (こうしよく) ともいう
氐 (てい) 族の李特が302年晋 (しん) の内乱に乗じて四川省成都に建国。その子李雄は304年成王を称し,306年帝位について国号を大成とした。四川・陝西・雲南方面を領有し,平和を維持した。李雄の死後衰え,347年東晋に滅ぼされた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「成」の意味・わかりやすい解説


せい

五胡十六国

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android