(読み)セイ

デジタル大辞泉 「成」の意味・読み・例文・類語

せい【成】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ジョウ(ジャウ)(呉) [訓]なる なす
学習漢字]4年
〈セイ〉
なしとげる。つくりあげる。しあがる。なる。「成果成功成績成立完成期成結成構成合成作成小成達成編成集大成
一人前になる、また、する。そだつ。「成育成熟成人成虫成長成年促成養成老成
できあがっている。「成案成句成語
〈ジョウ〉なる。なす。「成就成道成仏
[名のり]あき・あきら・おさむ・さだ・さだむ・しげ・しげる・なり・のり・はかる・ひで・ひら・ふさ・まさ・みち・みのる・よし
[難読]成吉思汗ジンギスかん・チンギスハン

じょう【成/盛/静】[漢字項目]

〈成〉⇒せい
〈盛〉⇒せい
〈静〉⇒せい

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精選版 日本国語大辞典 「成」の意味・読み・例文・類語

せい【成】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. なしとげること。まとまった形にしあげること。曲を奏しおえること。
      1. [初出の実例]「国栖奏古風五成、次悠紀国奏国風四成」(出典:貞観儀式(872)三)
      2. 「君、臣をえらんで官をさづけ、臣、をのれをはかって職をうくるときは、任をくはしうし成をせむること、労せずして化すといへり」(出典:平治物語(1220頃か)上)
      3. [その他の文献]〔書経‐畢命〕
    2. たいらぎ。講和。和睦。〔春秋左伝‐隠公六年〕
  2. [ 2 ] 中国、五胡十六国一つ三〇四‐三四七)。成漢、または後蜀。氐(てい)族の李雄が四川の成都に建てた国。東晉に滅ぼされた。

なる【成】

  1. 〘 名詞 〙 旧暦の用語。暦の中段十二直の一つ。建築・婚姻・立願・入学・旅行・移転・種蒔きなど、成就を期待する行事・事業を始めるのには吉、訴訟には凶とされる。成日(なるひ)
    1. [初出の実例]「立直を定め当日に執(とる)とはえんぎに成(ナル)(おさん)」(出典:人情本春色梅児誉美(1832‐33)初)

なっ【成】

  1. 〘 感動詞 〙 ( 「なるほど(成程)」の略 ) 相手のことばに対して、その通りであると同意する気持、またはそうであったかと納得する気持を表わす。
    1. [初出の実例]「嘴(くちばし)をさしはさみて、大きな声にて、『成(ナ)っ』」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉九)

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普及版 字通 「成」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
7画

[字音] セイ・ジョウ(ジャウ)
[字訓] なる・なす

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
戈(か)+(こん)。〔説文〕十四下に「就(な)るなり。戊に從ひ、丁(てい)聲」とするが、卜文・金文字形は、戈(ほこ)に綏飾としてのを加える形。器の制作が終わったときに、綏飾を加えてお祓いをする意で、それが成就の儀礼であった。就は凱旋門である京の完成のときに、犬牲を加えて、いわば竣工式を行う意。すべて築造や制作の完成のときには、その成就の儀礼を行ったものである。

[訓義]
1. なる、しあがる、できあがる、完成する。
2. なす、しあげる、おえる。
3. おわる、さだまる、ととのう。
4. たいらぐ、仲直りする、平和を約する。
5. さばく、裁定する。
6. さだめ、しきたり
7. 誠と通じ、まこと。

[古辞書の訓]
名義抄 ナル・ナス・ソナフ・タヒラグ・タヒラカニ・タヒラム・ヤスシ・タダ・シゲシ・ナダム・ス・シルシ/眞 マコト・マメヤカ 〔字鏡集〕 ヲハル・ヒロ・ヨシ・タヒラカ・ワタル・ツク・ナル・アキラカ・ソナフ・マコト・マメヤカ・ヤスシ・ナダム・タダ・シルシ

[声系]
〔説文〕に声として(誠)・(盛)・(城)など五字を収める。は呪飾をつけた戈。これを聖器として用いる意で、盟誓には誠・盛、儀礼には戍守のことには城という。

[語系]
zjiengは同声。は〔説文〕七下に「屋、容受するなり」とするが、本義未詳の字。呪鎮として成を屋中におく儀礼をいう字であろう。のち明・清の皇室史料室の意に用いる。

[熟語]
成就・成道・成案・成衣・成育・成家・成歓・成規・成器・成毀・成議・成業・成均・成擒・成矩・成勲・成形・成憲・成言・成語・成功・成壙・成獄・成昏・成婚・成才・成済・成材・成策成算・成師・成事・成熟・成書・成相成章・成誦・成心・成身・成人・成仁・成遂・成数・成性・成勢・成聖・成績・成説・成然・成俗・成丁・成童・成徳・成敗・成否・成風・成文・成・成法・成務・成名・成命・成薬・成立・成礼・成烈・成労・成和
[下接語]
育成・演成・化成・開成・完成・既成・期成・九成・曲成・玉成・偶成・形成・結成・功成・成・構成・合成・告成・獄成・混成・裁成・財成・作成・削成・鑿成・守成・集成・夙成・熟成・竣成・助成・小成・焼成・醸成・生成・勢成・組成・早成・造成・促成・速成・大成・達成・長成・天成・転成・晩成・弼成・変成・編成・補成・養成・翼成・落成・釐成・練成・老成

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改訂新版 世界大百科事典 「成」の意味・わかりやすい解説

成 (せい)
Chéng

中国,五胡十六国の一つ。306-347年。成漢,後蜀ともいう。西晋時代,飢餓に苦しむ関中方面の(てい)族は故郷の漢水地方に流れこんだが,これを指導する李特は,西晋の内乱に乗じて四川地方を占拠した。以後李氏一族がこの地方の覇権を握り,李特の子李雄は道士范長生を政治顧問として成都で帝位に就き,国号を大成と称した。のち第4代李寿がこれを漢と改めた。李雄の死後は一族の間に内紛が絶えず,第5代勢のとき東晋の桓温に攻略されて滅んだ。
五胡十六国
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旺文社世界史事典 三訂版 「成」の解説


せい

306〜347
五胡十六国の一国。蜀 (しよく) または後蜀 (こうしよく) ともいう
氐 (てい) 族の李特が302年晋 (しん) の内乱に乗じて四川省成都に建国。その子李雄は304年成王を称し,306年帝位について国号を大成とした。四川・陝西・雲南方面を領有し,平和を維持した。李雄の死後衰え,347年東晋に滅ぼされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「成」の意味・わかりやすい解説


せい

五胡十六国

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【貫】より

…桁下から土台まで,その入れる高さによって天井貫,内法(うちのり)貫,胴貫,地貫の名があり,胴貫を2本入れるのを5通り貫,1本だけのを4通り貫ともいう。ふつう1.5cm厚,成(せい)(幅,長さに対して下端から上端までの垂直距離をいう)10cm内外の板を,柱真に貫幅よりやや広く彫った貫穴に通し,両側からくさびを打って固定する。通し貫は鎌倉時代に禅宗建築の導入によって初めて興った構法であり,それ以前は飛鳥時代から社寺の列柱の頂部を上から枘(ほぞ)を割り込んで太い貫材を落とし込んだ頭(かしら)貫だけであった。…

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