落ちる(読み)オチル

デジタル大辞泉 「落ちる」の意味・読み・例文・類語

お・ちる【落ちる/堕ちる/墜ちる】

[動タ上一][文]お・つ[タ上二]
上から下へ自然に、また、急に移動する。
㋐落下する。「谷底へ―・ちる」「涙がほおを伝って―・ちる」「吊り橋が―・ちた」
㋑雨・雪などが降る。「寒いと思ったら白いものが―・ちてきた」
㋒日・月が沈む。「山際に日が―・ちる」
㋓光・視線などが注ぐ。「木漏れ日が地に―・ちる」
㋔客のお金などがその場所で使われる。「観光地に多くの金が―・ちる」
その場所から離れてなくなる。
㋐ついていたものが取れる。「色が―・ちる」「化粧が―・ちる」
病気き物などが除かれる。「きつねが―・ちる」
㋒減って細くなる。ある部分がくぼんだ状態になる。へこむ。「頰の肉が―・ちる」
その中に入れるはずのものが漏れる。一部分が欠ける。ぬける。「電話番号がリストから―・ちている」
落第する。落伍らくごする。「試験に―・ちる」「予選で―・ちる」⇔受かる
都を離れて地方へ移っていく。また、戦いに敗れて他の土地へ逃げていく。「山間の地へ―・ちる」「都を―・ちる」
物事の程度や段階、価値や力などが下がったり、悪くなったりする。低下する。
㋐劣った状態になる。衰える。「鮮度が―・ちる」「味が―・ちる」「人気が―・ちる」「腕が―・ちる」「スピードが―・ちる」「人後に―・ちない」
㋑地位などが下がる。「十両に―・ちる」
㋒落ちぶれる。零落する。「―・ちる所まで―・ちる」
品性が低くなる。堕落する。「道義心も―・ちたものだ」「話が―・ちる」
物事が終わりの状態に行き着く。
㋐その人の所有となる。また、落札する。「店が人手に―・ちる」「入札の結果は他社に―・ちた」「手形が―・ちる(=手形が現金化される)」
㋑仕掛けた計略などに、はまり込む。陥る。「わなに―・ちる」「謀略に―・ちる」
㋒問いつめられて自白する。本音をはく。「容疑者が―・ちるのは時間の問題だ」「それこそ語るに―・ちるというものだ」
㋓強く迫られてついに相手の思い通りの状態になる。説得などに負けて、相手に従う。「くどかれて彼女もとうとう―・ちた」
㋔結果として、そうなる。帰する。「なんのかのといっても話はいつもそこに―・ちる」
㋕抜き差しならない状態、引き込まれる感じのする状態に至る。「恋に―・ちる」「深い眠りに―・ちる」
城などが攻め取られる。陥落する。「城が―・ちる」
柔道で、気絶する。「締められて―・ちる」
10 納得する。「に―・ちない」「胸に―・ちる」
11 コンピューターで、アプリケーションOSが急に命令を受け付けなくなって停止する。アプリケーションが勝手に終了したり、OSがシャットダウン再起動したりする。「ブラウザーが―・ちる」
12 寒くなって魚が深場へ移動する。
13 鳥や魚が死ぬ。
うづらあまた飼ひ置きける人のいかがしけん皆―・ちたると聞きて」〈万載狂歌集・五・詞書
抜ける[用法]
[補説]書名別項。→落ちる
[下接句]あごが落ちる胃のに落ちるおこりが落ちるおとがいが落ちる語るに落ちる雷が落ちる小鼻が落ちる猿も木から落ちる人後じんごに落ちない心腹しんぷくに落つ地にちる手に落ちる飛ぶ鳥も落ちる腹に落ちるに落ちる・札が落ちる・ほおが落ちる目からうろこが落ちる理に落ちるわなに落ちる
[類語]落ち込む陥る落っこちる下がる沈む更ける暮れる傾く暮れ掛かる暮れなずむ釣瓶落とし下降する降下する沈下する低下する低落する下落する落下する落馬する落輪する脱輪する墜落する失墜する滑落する転落する崩落する滑り落ちる転げ落ちる崩れ落ちる零れ落ちる零れる散る降り敷くこぼれる凋落ちょうらくする落葉する枯れるしおれるしなびる萎えるしぼむ末枯れる枯らす枯れ落ちる立ち枯れ霜枯れ冬枯れ枯死

おちる【落ちる】[書名]

多岐川恭の短編小説。昭和33年(1958)刊行。同年、第40回直木賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「落ちる」の解説

落ちる

電子掲示板やチャットにおいて、そのやりとりの場からいなくなること。退出するときのあいさつに「落ち」などと書き込むのがマナー。また、目的のサイトやサーバーにアクセスできないときに「落ちている」と表される。

(川口正貴 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

IT用語がわかる辞典 「落ちる」の解説

おちる【落ちる】

システムダウンする。⇒システムダウン

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

とっさの日本語便利帳 「落ちる」の解説

落ちる

雑誌の連載などで、原稿が間に合わずに掲載できないこと。執筆者の側からいえば、落とす。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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