不思議(読み)フシギ

デジタル大辞泉 「不思議」の意味・読み・例文・類語

ふ‐しぎ【不思議】

[名・形動]《「不可思議」の略》
1 どうしてなのか、普通では考えも想像もできないこと。説明のつかないこと。また、そのさま。「不思議な出来事」「成功も不思議でない」
2 仏語。人間の認識・理解を越えていること。人知の遠く及ばないこと。
3 非常識なこと。とっぴなこと。また、そのさま。
「花山院とあらがひごと申させ給へりしはとよ。いと―なりしことぞかし」〈大鏡・道隆〉
4 怪しいこと。不審に思うこと。また、そのさま。
「明くればうるはしき女﨟に―を立て、いかなる御方ぞ、と尋ね給ふに」〈浮・五人女・三〉
[派生]ふしぎがる[動ラ五]ふしぎさ[名]
[類語](1)不可思議・不可解・不審・奇妙・面妖めんよう・妙みょう・変へん・異い・謎なぞ・怪かい・奇き・奇異・奇怪・幻怪・怪奇・怪異・神秘・霊妙・霊異・玄妙・あやかし・ミステリー・ミステリアス・奇天烈・摩訶不思議・けったい・おかしい・異常・異様・不自然・奇態・風変わり・特異・異状・異例・非常・別条・変ちくりん・変てこ・変てこりん・妙ちきりん・おかしな・珍奇・新奇・珍妙・奇抜・奇警・奇想天外・突飛・ファンシー・突拍子もない・言語道断・無茶・めちゃ・むちゃくちゃ・めちゃくちゃ・めちゃめちゃ・滅法・法外・無理・乱暴・無体・理不尽・非理・不当・不条理・不合理・非合理・狂的

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精選版 日本国語大辞典 「不思議」の意味・読み・例文・類語

ふ‐しぎ【不思議】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 「ふかしぎ(不可思議)」の略 )
  2. [ 一 ]
    1. ① 仏語。思いはかることもことばで言い表わすこともできないこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「三宝の非色非心、目に見え不(ず)と雖も、威力无きに非ぬことを。此れ不思議の第一なり」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
      2. [その他の文献]〔六十華厳経‐三〕
    2. ② 人間の思考力、判断力の及ばないこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「『子いできなばとらせん』といひしを、さにこそありけれ。ふしぎなる事かな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)
    3. ③ 思いもかけないこと。また、そのさま。予想外。
      1. [初出の実例]「若(もし)不思議に只今を忍び過ぐとも」(出典:平松家本平家(13C前)九)
  3. [ 二 ] 常識的、理性的な思慮の及ばないこと。また、そのさま。
    1. ① 倫理的に非常識なこと。あるまじきこと。けしからぬこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「この帥殿は花山院とあらがひごと申させ給へりしはとよ。いとふしぎなりしことぞかし」(出典:大鏡(12C前)四)
    2. ② 普通でなく、粗末なこと。卑しいこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「不思儀なる小巷へ、高人の御来臨」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
    3. ③ ( ━する ) あやしいこと。疑惑を感じること。また、そのさま。不審。→不思議を立てる。
      1. [初出の実例]「朧に見ゆる御風情、ふしぎに思ひける所に」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下)

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世界大百科事典(旧版)内の不思議の言及

【七不思議】より

…〈不思議〉は元来,仏教語〈不可思議〉の略で,思議すべからざること,つまり心で思うことも,言葉でいうこともできないようなことを指し,経典には4種,5種,10種などの不可思議がみえている。日本では〈七不思議〉という言葉は,古く嘉禎4年(1238)の奥書をもつ《諏方上社物忌令之事》に,信州諏訪大社の神威を表すものとして用いられている。…

※「不思議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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