(読み)キチ

デジタル大辞泉 「吉」の意味・読み・例文・類語

きち【吉】

縁起がよいこと。めでたいこと。きつ。「きょうかを占う」⇔
[類語]めでたい喜ばしい慶賀恭賀謹賀奉賀奉祝慶祝大慶同慶御慶ぎょけい慶福祝賀祝着しゅうちゃく祝福祝勝喜ぶ大吉祝い事晴れの日賀する祝う祝することほぐ佳日吉日恐悦おめでた吉事慶事好事寿ことぶき幸運ラッキー僥倖付き幸せ幸い果報開運盛運強運悪運儲け物拾い物恵まれるあやかるついてる物怪もっけの幸い不幸中の幸い怪我けがの功名

きち【吉】[漢字項目]

常用漢字] [音]キチ(呉) キツ(漢) [訓]よい
〈キチ〉めでたい。運がよい。「吉日きちじつ・きちにち吉例小吉大吉
〈キツ〉に同じ。「吉凶吉相吉兆吉報不吉
[名のり]さち・とみ・はじめ・よ・よし
[難読]吉方えほう吉師きし吉備きび吉左右きっそう吉利支丹キリシタン

きつ【吉】[漢字項目]

きち

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吉」の意味・読み・例文・類語

きち【吉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. きつ(吉)。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「凶は吉(キチ)にかへると申します」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後)
  3. きつ(吉)
  4. 役者評判記などに用いる役者の位付けの一つ。上上と上上吉との間に、「吉」の字を白抜きにした「白吉」、「吉」の字の上半部だけの「士」など数種の位付けを設けて細別する。吉の字。
    1. 吉<b>③</b>〈浪花其末葉〉
      〈浪花其末葉〉
    2. [初出の実例]「吉が黒ろなると天窓が白ふ成り」(出典:雑俳・類字折句集(1762))
  5. ( 「きちまい(吉米)」の略 ) よい米。上米。良米。
    1. [初出の実例]「吉地に太を於作者、貢物者、吉を可取上事」(出典:長宗我部氏掟書(1596)五五条)

きつ【吉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. よいこと。めでたいこと。きち。⇔
    1. [初出の実例]「大饗日四位勧盃者、或不次酌、或取之、取説吉也」(出典:権記‐正暦四年(993)正月二八日)
    2. [その他の文献]〔和玉篇(15C後)〕
  3. めでたい時の衣服吉服。きち。
    1. [初出の実例]「女房などは吉につきて候ふ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)根合)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「吉」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] キツ・キチ
[字訓] よい・めでたい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
士+口。士は鉞(まさかり)の刃部を下にした形。口は(さい)、祝詞を収める器。祝を収めた器を聖器で守り、その吉善を保つ意である。〔説文〕二上に「善なり」とし、〔伝〕にその意を「口に擇言無きなり」、すなわち士人の言はみな吉の意とするが、吉・咸・吾は、みな聖器を以て祝の吉善を守る意象の字である。〔詩〕に「吉士」「多吉人」と称するものは、神事につかえる神人をいう。卜辞の「弘吉」「大吉」は卜兆の吉なる意、〔易〕にも吉・凶の語を用いる。

[訓義]
1. よい、めでたい、しあわせ、さち。
2. 神事に従うことをいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕吉 ツイタチ・ヨシ

[声系]
〔説文〕に吉声として詰・佶・頡・黠・・壹(壱)・拮・結など十九字を収め、壹声もその系列とするが、壹は吉に従う字でない。吉声のうち、詰・結・は吉の声義を承けて固く封ずる意があり、いわゆる亦声の字。また佶・頡などは乞・兀などと同系の語で、抗直不順の意をもつ形況の語である。

[熟語]
吉月・吉時・吉日吉壌吉瑞・吉服・吉夢・吉問・吉雲・吉宴・吉応・吉喜・吉凶・吉金・吉慶・吉圭・吉・吉・吉験・吉故・吉語・吉康・吉祭・吉士・吉事・吉主・吉祝・吉象・吉羊・吉祥吉讖・吉辰・吉神・吉人・吉席・吉占吉祚・吉宅吉旦・吉・吉兆吉徴吉徳・吉拝吉卜・吉祐・吉利吉隆吉良・吉礼吉禄
[下接語]
安吉・休吉・月吉・吉・元吉・終吉・習吉・衆吉・初吉・小吉・祥吉・善吉・大吉・択吉・致吉・貞吉・寧吉・納吉・不吉・

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