場(生物)(読み)ば

百科事典マイペディア 「場(生物)」の意味・わかりやすい解説

場(生物)【ば】

発生学用語。編成された系から発せられる未編成の素材に対する造形的な働きかけ。イモリの肢や尾を切断すると,再生芽を生じて元どおりになるが,肢の再生芽を尾に移植すると尾になり,逆に尾のそれは肢の基部で肢に発達するように,再生芽の分化方向を決定するのは,その場所を支配している場である。胚発生の場所にも,胚内にある原基が出現する前に,その予定材料の部域を中心に一定の広さをもった器官の場が考えられ,形態形成に重要な役割を演じている。最近では位置情報という概念によって場の作用を説明する考え方がある。
→関連項目極性

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