(読み)キ

デジタル大辞泉 「帰」の意味・読み・例文・類語

き【帰〔歸〕】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]かえる かえす
学習漢字]2年
もとの所に戻る。かえる。「帰還帰京帰国帰宅帰路回帰不帰復帰
しかるべき所に落ち着く。「帰順帰趨きすう帰属帰着帰納
[名のり]もと・より
[難読]帰去来かえりなんいざ不如帰ほととぎす

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精選版 日本国語大辞典 「帰」の意味・読み・例文・類語

き【帰】

  1. 〘 名詞 〙 かえること。もとの位置にもどること。あるべきところへおさまること。
    1. [初出の実例]「同時有馬孟熙者。名文圭。号寒巖。良子也。与谷斉名。亦以院体帰」(出典:随筆・山中人饒舌(1813)上)
    2. 「帰を思ふ我もそば刈る夕哉」(出典:妻木(1904‐06)〈松瀬青々〉冬)
    3. [その他の文献]〔史記‐李斯伝〕

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普及版 字通 「帰」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)歸
17画

[字音]
[字訓] かえる・とつぐ・おくる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字は歸に作り、(し)+止+帚。卜文・金文字形と帚とに従い、止は後に加えられた。肉の形。軍が出行するときに軍社に祭った肉で、これをひもろぎとして奉じた。軍が帰還すると、これを寝に収めて報告祭をした。帚は寝鬯(かんちよう)などを行うとき、酒をふりかけて用いるもので、寝を意味する。婦人の嫁することを「帰」というのは、異姓の女が新たに寝につかえることについて、祖霊の承認を求める儀礼を行うからである。帚は鬯に用いる束茅の形。〔説文〕二上に「女の嫁するなり」という。饋・餽と通用し、食をおくることをいう。

[訓義]
1. かえる、軍が帰還する。
2. おもむく、ゆく、よる、したがう、なつく。
3. とつぐ。
4. 饋・餽と通じ、おくる。

[古辞書の訓]
名義抄〕歸 トツグ・タノム・ノコル・ツク・オクル・オモムク・オモムキ・カヘル・カヘス・ヨル/歸就 ヨリツク

[声系]
〔説文〕に歸声としてなど二字を収める。別にがあり、嵬・巍など鬼声の字と声義が近い。

[語系]
歸kiui、饋・餽giuiは声義が近い。〔論語、陽貨〕「孔子に豚を歸(おく)る」の〔注〕に「魯、饋を歸と爲す。今、古に從ふ」とあり、〔魯論〕は歸、〔古論〕は饋字であった。

[熟語]
・帰愛・帰安・帰鞍・帰意帰倚・帰移帰遺帰一・帰隠・帰雲帰依・帰栄帰往・帰家帰華・帰嫁・帰化帰臥・帰懐・帰格帰款・帰還・帰雁・帰期・帰忌・帰義・帰客帰休帰咎・帰去・帰居・帰京・帰郷・帰愚帰結・帰向・帰耕・帰降帰控・帰鴻・帰国・帰骨・帰魂・帰根・帰罪・帰・帰山・帰志・帰思・帰市・帰死・帰舎・帰寂・帰趣・帰首帰授・帰舟・帰宿・帰順・帰処帰餉・帰情・帰心・帰・帰信・帰真帰軫・帰人・帰尽・帰帰趨・帰省・帰泉・帰旋・帰湊・帰息・帰属・帰著帰朝・帰程・帰第・帰天・帰田帰途・帰土・帰寧・帰農・帰帆・帰附・帰赴・帰伏・帰福・帰服・帰復・帰慕・帰・帰本・帰夢・帰沐・帰与・帰歟・帰要・帰養・帰来・帰落・帰流・帰慮・帰路・帰老
[下接語]
依帰・于帰・詠帰・嫁帰・回帰・懐帰・凱帰・還帰・遣帰・孤帰・告帰・三帰・思帰・指帰・疾帰・大帰・脱帰・適帰・転帰・塗帰・投帰・逃帰・同帰・不帰・復帰・忘帰・望帰・夢帰・来帰

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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