旗・幡・旌(読み)はた

大辞林 第三版の解説

はた【旗・幡・旌】

布・紙などで作り、竿さおなどの先に掲げてしるしとするもの。古くは縦長で上辺を竿に結ぶ流れ旗が多く、のち、上辺と縦の一辺を乳で竿にとめる幟のぼり旗が増えた。古来、朝廷で儀式・祭礼の具として用い、また、軍陣では標式として用いた。現在は、国・組織などの象徴として用いるほかに、さまざまな標識・信号として用いる。
旗じるし。 「独立の-をかかげる」
家紋の一。を図案化したもの。
「旗売り」の略。
(「幡」と書く)〘仏〙 〔 patākā〕 仏・菩薩の威徳を示すための飾りの道具。大法要・説法などの時、寺院の境内や堂内に立てる。三角形の首部の下に細長い幡身ばんしんをつけ、その下に数本のあしを垂れたもの。ばん。
[句項目] 旗を揚げる 旗を振る 旗を巻く

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精選版 日本国語大辞典の解説

はた【旗・幡・旌】

〘名〙
① 布や紙などでつくり、高くかかげ、目標、装飾とするもの。大小さまざまな形状があり、儀式、軍陣などには、一端を竿に付け、下端を長く垂らした手長旗(てながはた)、長旗(ながはた)、流旗(ながればた)などと呼ばれるものが用いられ、上部を手(て)、下部を足(あし)と称した。また、江戸時代には、布の側面に乳(ち)をつけて竿に通したものをさしてもいう。幟(のぼり)。現在では、国旗、社旗、校旗など。
※古事記(712)下・歌謡「隠国の 泊瀬の山の 大峰(おほを)には 波多(ハタ)張り立て さ小峰には 波多(ハタ)張り立て」
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「兵会ひて、旗(ハタ)・鼓相ひ望みて」
② (幡) 仏語。仏菩薩などを供養する荘厳具。その材料などによって、平幡(ひらはた)、糸幡、玉幡など種々のものがあり、板で作られることもあった。江戸時代、良家の子女が若くして死んだ時など、振袖など生前の晴れ着を仕立ててつくり、これを寺院に納めて供養する風習が行なわれた。
※書紀(720)推古一一年一一月(岩崎本訓)「是の月、皇太子、天皇に請(まう)したまひて大楯及び靫〈靫、此をば由岐と云ふ〉を作り又旗幟(ハタ)に絵(ゑか)く」
江戸時代、大坂の相場で売ることをいう。
※浮世草子・商人職人懐日記(1713)一「米買こんで相場のあがるを待を持といひ、高相場に売置をして、さがるを悦ぶをはたと名附」
④ 蛸(たこ)の異称。
※雑俳・長ふくべ(1731)「献立に蛸(ハタ)(てんがい)とかかれたり」
⑤ 紋所の名。①を図案化したもの。丸に一つ旗、三つ旗の丸などの種類がある。

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