精選版 日本国語大辞典 「羽」の意味・読み・例文・類語
は【羽】
〘名〙
※古事記(712)上「鵜の羽(は)を葺草に為て」
② 鳥類の飛行用の羽(はね)。つばさ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
③ 昆虫の飛行用の翅(はね)。
※万葉(8C後)三・三七六「あきづ羽(は)の袖振る妹を玉くしげ奥に思ふを見たまへ吾が君」
※古事記(712)上「其の矢の羽(は)は其の鼠の子等皆喫ひつ」
⑤ 弓に弦を張った際の弓の握りと弦(つる)の捜(さぐり)との間の距離。その広いのを「ふとい」、または「たかい」といい、せまいのを「ほそい」または「ひくい」という。
※宮参之次第(16C)「弓のはの事、木中六寸と定る也」
⑥ 茶釜で、釜の胴まわりにひさしのようにうすく張り出した部分。古い蘆屋釜、天明釜などに多い。これの欠けたものを羽落(はおち)という。
※浮世草子・立身大福帳(1703)七「地がまは羽より上のこしき厚く、しりうすし」
⑦ 筬(おさ)の枠に櫛(くし)の歯のようにとりつけられた金属・竹などの薄片。筬羽。
※随筆・守貞漫稿(1837‐53)一七「万筋島 〈略〉一と羽毎色を隔つを万筋と云、二た羽隔を千筋と云」
⑧ 魚の大きさを表わす漁業関係者の用語。「大羽」「中羽」などと用いる。
⑨ 「はぶり(羽振)」の略。
⑩ ⇒わ(羽)
う【羽】
[1] 〘語素〙
① 鳥。鳥の羽。
※浄瑠璃・釈迦如来誕生会(1714)四「十丈余りの大石、一羽(ウ)より猶かろがろとひっかかへて」 〔孟子‐梁恵王・上〕
② 出羽の国のこと。羽前・羽後・陸羽・奥羽など。
わ は【羽】
〘接尾〙 (撥音のあとでは「ば」に、促音のあとでは「ぱ」になる) 鳥類や兎を数えるのに用いる。〔運歩色葉(1548)〕
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