精選版 日本国語大辞典 「好・数奇・数寄」の意味・読み・例文・類語
すき【好・数奇・数寄】
〘名〙 (動詞「すく(好)」の連用形の名詞化)
① (形動) 物事を愛好する心持。すきこのむこと。また、そのさま。
※咄本・座笑産(1773)好物「ほうびをとらそふが、一ばんにおのしがすきはなんだ」
② 風流、風雅の道に深く心をよせること。風流の物好み。
※無名抄(1211頃)「哥枕ども見んとて、すきに事寄せてあづまの方へ行きけり」
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉三「蒔絵の舌を気高しと思ふ数奇(スキ)も有(も)たぬ」
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「只今のすきは、あぢきなくぞ侍る」
※日葡辞書(1603‐04)「Suqiuo(スキヲ) スル。〈訳〉茶の湯にはげむ」
④ (形動) 恋愛の情趣を好むこと。女色を好むこと。また、そのさま。色好み。
※源氏(1001‐14頃)宿木「さはれ、なをざりのすきにはありとも」
⑤ (形動) 自分の思うままにふるまうこと。また、そのさま。好き勝手。
⑥ (形動) 物好きなこと。また、そのさま。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報