(読み)ゼツ

デジタル大辞泉 「絶」の意味・読み・例文・類語

ぜつ【絶】[漢字項目]

[音]ゼツ(呉) [訓]たえる たやす たつ
学習漢字]5年
途中でたち切る。連続しているものや関係が切れる。「絶交絶食絶望絶命絶滅気絶義絶根絶断絶中絶途絶廃絶悶絶もんぜつ
遠く隔たる。「絶域絶海絶境隔絶懸絶
こばむ。「拒絶謝絶
普通とはかけ離れて優れている。「絶景絶勝絶唱絶品絶倫冠絶卓絶超絶
この上なく。非常に。「絶好絶賛絶大絶妙凄絶せいぜつ壮絶
漢詩の一体。絶句のこと。「五絶七絶
[名のり]たう・たえ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絶」の意味・読み・例文・類語

ぜつ【絶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ぜっく(絶句)」の略。
    1. [初出の実例]「余亦毎絶綴上レ律、必贈彼以且譏且賞」(出典随筆独寝(1724頃)上)
  3. 短歌のこと。長歌を中国風に「賦(ふ)」というのに対する。また、接尾語的に、短歌を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「敬和覧布勢水海一首并一絶」(出典:万葉集(8C後)一七・三九九三・題詞)

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普及版 字通 「絶」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
12画

(異体字)
14画

[字音] ゼツ
[字訓] たつ・たえる・はなはだ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は色(しよく)。色に(ぜい)の声がある。〔説文〕十三上に「斷絲なり。糸に從ひ、刀に從ひ、卩(せつ)に從ふ」とあり、〔段注〕に卩声の字とするが、字は明らかに色に従う。金文に字をに作り、〔説文〕に古文としてその字形を録する。絶は色糸の意であろうが、染色のため弱となることがある。またその色の絶妙の意がある。おそらくに代わって、のち、その字が行われたものであろう。

[訓義]
1. たつ、糸がきれる、たちきれる。
2. たえる、ことがとだえる。
3. つきる、へだたる、ふさぐ。
4. すてる、なくす、とぼしい。
5. 死ぬ、かれる、おわる。
6. わたる、すぎる、とおい。
7. はなはだ、もっとも、このうえなく、きわまる。

[古辞書の訓]
名義抄 タユ・タツ・スグレタリ・ワタル・カツテ・メグル・モトモ・ステテ/氣 スベナシ 〔立〕 アシキヌ・スグル・ノボル・ハナハダシ・ホロブ・メグル・イトマク・タツ・カツテ・ワタル・タユ・ヨル・ステテ・タル・スグレタル・タエン

[声系]
〔説文〕に声としてを収め、またの省声の字とする。別に虫部声の字があり、もとその両系の字があったのであろう。

[語系]
)dziuat、斷(断)・duanは声義近く、糸などの切断をいう字。截dziat、切tsyetも同系の語であるらしく、これは切断をいう語である。

[熟語]
絶愛・絶悪・絶異・絶意・絶域絶纓・絶遠・絶・絶佳絶瑕・絶雅・絶海・絶格・絶学絶壑・絶冠・絶・絶巌・絶気・絶奇絶棄・絶技絶伎・絶裾・絶叫・絶境・絶響・絶業・絶極・絶垠・絶句・絶群・絶景・絶芸・絶険・絶嶮・絶絃・絶後・絶口・絶江・絶高・絶交・絶好・絶国・絶穀・絶才・絶細・絶塞・絶祀・絶事・絶殊・絶衆・絶峻・絶緒・絶勝・絶笑・絶蹤・絶唱・絶色・絶食・絶人・絶塵・絶水絶世・絶迹・絶足・絶息・絶俗・絶族・絶続・絶体・絶対・絶大・絶代・絶嘆・絶地・絶致・絶儔・絶腸・絶調・絶頂・絶島・絶等・絶倒・絶特・絶漠・絶幕・絶・絶美・絶比絶轡絶筆・絶品絶壁・絶編・絶亡・絶貌・絶望・絶密・絶脈・絶妙・絶無・絶命・絶滅・絶洋・絶理・絶流・絶粒・絶糧・絶力・絶倫・絶類・絶麗
[下接語]
哀絶・萎絶・纓絶・絶・横絶・佳絶・隔絶・闊絶・冠絶・気絶・奇絶・稀絶・機絶・義絶・拒絶・禁絶・空絶・継絶・夐絶・決絶・険絶・懸絶・交絶・高絶・告絶・根絶・才絶・三絶・七絶・遮絶・謝絶・殊絶・秀絶・愁絶・峻絶・峭絶・勝絶・凄絶・悽絶・淒絶・清絶・精絶・阻絶・壮絶・勦絶・卓絶・断絶・中絶・超絶・殄絶・杜絶・途絶・廃絶・絶・絶・放絶・乏絶・妙絶・泯絶・問絶・幽絶・陽絶・離絶

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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