[形動][文][ナリ]勢いがはげしいさま。現代では、多く他の名詞と複合して用いられる。「猛勉強」「猛スピード」→猛に
「世の覚えも、威勢も―なり」〈宇治拾遺・一五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
〘形口〙 (文語の形容詞「たけし(猛)」の口語形で、室町時代頃用いられたもの) =
たけし(猛)※杜詩続翠抄(1439頃)一三「乳虎は猛(タケイ)者なり」
〘自ラ五(四)〙
① 荒々しく行動する。たけだけしくふるまう。あばれる。
※海道記(1223頃)菊川より手越「時に水風例よりも猛りて白砂霧の如くに立つ」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)三「犬は猛(タケ)ッてワンワンと」
② 腹を立てる。おこる。
※歌謡・松の葉(1703)一・しもさほそり「内の山の神が聞いたらば、たけたけたけりやろものを」
③ 感情が高ぶる。興奮する。特に、色情を催して興奮する。
※書紀(720)雄略二二年七月(前田本訓)「瑞江(みつのえ)の浦嶋の子、舟に乗りて釣す。遂に大亀(かはかめ)を得たり。便に女(をとめ)に化為(な)る。是に、浦嶋子、感(タケリ)て婦に為」
[1] 〘名〙 (形動)
① 盛んであること、いかめしいこと。また、そのさま。
※竹取(9C末‐10C初)「翁竹をとる事久しく成りぬ。いきほひまうの者に成にけり」 〔春秋左伝‐宣公二年〕
② 大きいこと、多いこと。また、そのさま。たくさん。
※古今著聞集(1254)九「堀のひろさもまうなりけるに」
[2] 〘語素〙 多く名詞の上に付けて、勢いがはげしいさまを表わす。「猛攻撃」「猛反対」「猛スピード」など。
※まんだん読本(1932)拳闘と説明者〈井口静波〉「火の出る様な、猛(モウ)練習が毎日くり返されて行った」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報