デジタル大辞泉 「即」の意味・読み・例文・類語

そく【即】

[名]仏語二つのものが互いに表裏関係にあって分離できない状態
[副]ただちに。すなわち。「言われたら実行する」
[接]前者後者とが同じであることを表す語。とりもなおさず。すなわち。「学者教養人とは言えない」
[類語]すぐ直ちに早速じきすぐにすぐさま直接もう間もなく程なく今にそのうちやがていつかいずれ追い追い追って追っ付け早晩きた日ならずして遅かれ早かれ近日近近ちかぢか近近きんきん後日他日不日又の日近く遠からず上げずぼちぼち今にもそろそろ行く行く目前秒読みカウントダウン追っ掛け時間の問題ややあって今日明日間を置くこの先日ならず即ち即刻即座即時即席即製同時言下直後とっさに俄か折り返しすかさず立ちどころにたちまち途端右から左瞬く間あっという間時を移さず間髪をれずリアルタイム

そく【即】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソク(呉) [訓]つく すなわち
そのものにぴったりくっつく。つく。「即位即物的相即不即不離
すなわち。とりもなおさず。「色即是空
ただちに。すぐさま。その場で。「即応即興即決即座即死即時即日即席即売一触即発
[名のり]あつ・ただ・ちかし・ひと・みつ・より

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「即」の意味・読み・例文・類語

そく【即】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 仏語。二つの事象がとけあって無差別一体となっていること。相即。〔法華義疏(7C前)〕
    2. そくじき(即敷)」の略。〔取引所用語字彙(1917)〕
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙 二つのことばの間に用いて、そのことばの表わす事柄が結局は同じことであることを示す。とりもなおさず。すなわち。
    1. [初出の実例]「落第坊主即低能と推定されて自分の手に渡されたこの痩せこけた子供が」(出典:白い壁(1934)〈本庄陸男〉三)
  3. [ 3 ] 〘 副詞 〙 時をおかないで、ただちに物事をするさま。今すぐ。すぐに。
    1. [初出の実例]「このムード派が景色のいいチャペルで式を即挙げたがるので」(出典:男の遠吠え(1974‐75)〈藤本義一〉結婚非ムード論)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「即」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)
人名用漢字 9画

[字音] ソク
[字訓] つく・すなわち

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字はに作り、皀(きゅう)+卩(せつ)。皀は(き)の初文。は文献に(き)に作り、盛食の器。皀の上に蓋(ふた)を加えると、(食)の字となる。卩は人の坐する形。食膳の前に人が坐する形は、すなわち席に即(つ)く意。左右に人が坐するときは(郷)、の初文。〔説文〕五下に「くなり」とする。〔段注〕に卩を節度・節食の意とするが、卩の声義をとる字ではない。すべてその位置に即き、その任に即くことをいう。遅滞なくそのあとで行動するので、即時の意となる。

[訓義]
1. つく、位や席につく。
2. いたる、ちかづく、したがう。
3. ちかい、ただちに。
4. 則と通じ、すなわち、あるいは、もしなどの副詞に用いる。

[古辞書の訓]
名義抄 モシ・ツク・ツタフ・スナハチ・アヅカル・ナカバ・オモムク

[声系]
〔説文〕に声として(節)など二字を収める。は竹のふしの部分。卩をその形にみたてたのであろう。

[熟語]
即位・即・即刑・即景・即今・即死・即此・即使・即事・即時・即日・即叙・即真・即世・即政・即席・即・即答・即物・即便・即命・即目・即夜・即令・即決・即結・即刻

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「即」の意味・わかりやすい解説


そく

仏教用語。2つのものが融合して離れないこと。相即ともいう。次の3種がある。 (1) 2つの別の物が相合して離れないこと,(2) 表面上は別の物に見えても裏面は同一物ということ,(3) ある物がそのまま他の物であるということ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android