精選版 日本国語大辞典「ぼちぼち」の解説
ぼち‐ぼち
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 水滴などが続けざまに落ちる音、また、そのさまを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 小声で話すさま、特に、男女が仲むつまじく語り合うさまを表わす語。
※洒落本・取組手鑑(1793)「内からすだれをすこしまきあげて〈略〉何やらぼちぼちとはなす」
③ 小さなものがちらばってあるさまを表わす語。ぼつぼつ。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「ここの所に、ぼちぼちぼちとふがあるのさ」
④ ある行為にゆっくりととりかかるさま、また、ある事態に近づくさまを表わす語。ぼつぼつ。
※滑稽本・八笑人(1820‐49)五「暮六つかぎりぼっちぼち、寄り集りたる八笑人」
※煤煙(1909)〈森田草平〉二八「ぼちぼち眼を開いてゐることだらう」
[2] 〘形動〙
① 男女の仲がむつまじいさま。また、異性に好かれているさま。
※洒落本・傾城觿(1788)附録「ぼちぼち〈もてた事也〉ちゃきちゃき〈ふられた事也〉」
② (一)④に同じ。
※羽なければ(1975)〈小田実〉二一「儲かりまっか。まあ、ボチボチでんな」
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