願成寺(読み)がんじょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ)「願成寺」の解説

願成寺
がんじょうじ

福島県いわき市内郷(うちごう)白水(しらみず)にある新義真言宗豊山(ぶざん)派の。境内に白木造りの阿弥陀(あみだ)堂(国宝)があるので、俗に白水阿弥陀堂とよばれている。阿弥陀堂は、1160年(永暦1)藤原基衡(もとひら)の娘で、岩城(いわき)(平)則道(のりみち)の側室であった徳尼(とくに)御前が則道の死後その冥福(めいふく)を祈って建てたものである。平安中期以後、浄土教の隆盛とともに各地につくられた阿弥陀堂の一つで、方三間、宝形造、栩葺(とちぶ)きの堂は、当時流行の阿弥陀堂形式の代表的遺構である。堂内には極彩色で描かれた跡が残り、阿弥陀如来(にょらい)像、観音菩薩(かんのんぼさつ)像、勢至(せいし)菩薩像、多聞天(たもんてん)像、持国天(じこくてん)像が安置されており、いずれも国重要文化財に指定されている。

 なお、近年の発掘調査により、浄土式庭園を伴う伽藍(がらん)配置が明らかにされ、阿弥陀堂境域は国の史跡に指定されている。

[田村晃祐]


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百科事典マイペディア「願成寺」の解説

願成寺【がんじょうじ】

熊本県人吉(ひとよし)市にある真言宗大覚寺派の寺。本尊の平安様式を持つ木造阿弥陀如来座像(1658年球磨(くま)郡の妙法寺より移したという)は重要文化財。1233年地頭相良長頼(さがらながより)が人吉城丑寅鬼門建立。江戸初期13世勢辰の時大覚寺門跡末となり,球磨郡真言宗寺の統括権を握った。相良家累代の墓地がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「願成寺」の解説

願成寺
がんじょうじ

福島県いわき市にある浄土宗の寺。国宝指定の阿弥陀堂 (白水阿弥陀堂) は永暦1 (1160) 年の建立。岩城国守の岩城則道の夫人となった藤原清衡または藤原基衡の娘,あるいは藤原秀衡の妹ともいわれる徳姫が建立した。宝形屋根の阿弥陀堂は平安時代の典型的な阿弥陀堂建築で,堂前に池を配し橋を渡した浄土式庭園を構えている。

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精選版 日本国語大辞典「願成寺」の解説

がんじょう‐じ グヮンジャウ‥【願成寺】

[一] 福島県いわき市にある真言宗智山派の寺。山号は菩提山。永暦元年(一一六〇)以前の創建本堂白水阿彌陀堂または光堂と称し、中尊寺光堂の模写で国宝。
[二] 福島県喜多方市にある浄土宗の寺。山号は叶山(加納山)。嘉祿三年(一二二七実成が創建。開山は師の隆寛

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世界大百科事典 第2版「願成寺」の解説

がんじょうじ【願成寺】

福島県いわき市内郷白水町にある寺。もと天台宗,現在は真言宗智山派。白水阿弥陀堂として名高い。藤原秀衡の妹徳尼が夫(岩城則通)の菩提をとむらうために,1160年(永暦1)に創建したと伝える。阿弥陀堂(国宝)は広い浄土式庭園の中島に建つ方3間の浮御堂で,中尊寺金色堂とともに常行三昧堂古式をのこす建築(阿弥陀堂)。本尊の木造阿弥陀三尊像,持国天・多聞天像がのこり,堂とともに平安時代後期に隆盛した浄土教美術を代表する。

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世界大百科事典内の願成寺の言及

【喜多方[市]】より

…近年は電気機器工業が大きく発展している。上三宮の願成(がんじよう)寺の木造阿弥陀如来三尊座像や慶徳の熊野神社の長床(ながとこ)(拝殿)は重要文化財となっている。市内には座敷蔵,れんが蔵など多くの蔵があり,75年ころテレビや雑誌で紹介されたのを機に〈蔵づくりの建物とラーメンの町〉として有名になった。…

※「願成寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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