コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

 ゆめ dream

翻訳|dream

12件 の用語解説(夢の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


ゆめ
dream

睡眠中に進行する一連の視覚的心像。ときには聴覚,味覚,嗅覚などの関与する夢もある。また睡眠時だけでなく,覚醒時の空想 (白日夢 ) もある。夢の原因としては,睡眠前の生理的・心理的緊張,睡眠中の外からの刺激あるいは身体内部からの感覚などがあげられる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

いめ【夢】

「ゆめ」の上代語。
「秋されば恋しみ妹(いも)を―にだに久しく見むを明けにけるかも」〈・三七一四〉

む【夢】[漢字項目]

[音](呉) [訓]ゆめ
学習漢字]5年
〈ム〉ゆめ。「夢幻夢想夢中悪夢吉夢残夢春夢酔夢迷夢霊夢酔生夢死白昼夢
〈ゆめ〉「夢路夢見初夢正夢

ゆめ【夢】

《「いめ」の音変化》
睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い―を見る」「正(まさ)―」
将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが―だ」「少年のころの―がかなう」
現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も―ではない」「―多い少女」
心の迷い。「彼は母の死で―からさめた」
はかないこと。たよりにならないこと。「―の世の中」「人生は―だ」→夢に夢にも
[下接句]一炊の夢浮世は夢邯鄲(かんたん)の夢昨日(きのう)の花は今日(きょう)の夢京の夢大阪の夢槿花(きんか)一朝の夢黄粱(こうりょう)一炊の夢池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢長夜(ちょうや)の夢南柯(なんか)の夢浮生(ふせい)夢の如(ごと)し

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

夢【ゆめ】

睡眠中にみられる思考やそれに伴う言語的反応,感情の表出などの心的活動,またはそれを覚醒(かくせい)後想起したもの。眼球運動・脳波などの研究により,夢は逆説睡眠パラ睡眠)を背景として睡眠時に周期的に出現するとされている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

デジタル大辞泉プラスの解説

1990年公開の日本映画。監督・脚本:黒澤明、撮影:斎藤孝雄、上田正治、音楽:池辺晋一郎。出演:寺尾聰、倍賞美津子原田美枝子マーティンスコセッシ根岸季衣いかりや長介、笠智衆ほか。第45回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、撮影賞、音楽賞受賞。

栃木県、那須高原ビール株式会社が製造する地ビール。「那須高原ビールシリーズ。ラガービールタイプ

日本のポピュラー音楽。歌は日本のバンド、THE BLUE HEARTS。1992年発売。作詞・作曲:真島昌利。サントリーのビール「ライツ」のCMに起用。2002年にフジテレビ系で放送のドラマ人にやさしく」の主題歌に起用されてリバイバルヒット、同年CDシングルが再発売された。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ゆめ【夢 dream】

睡眠中に体験される感覚性心像(映像)をいう。ふつう夢は目覚めた後の回想によって意識される。そこで,睡眠中の脳の活動状態における表象の過程が〈夢意識〉であり,その覚醒時における回想が〈夢の内容〉であるということもできる。
【夢の生理】

[夢の種類と夢の収集分析]
 夢と睡眠の関係を初めて明らかにしたのは,デメントW.C.DementとクライトマンN.Kleitmanで,彼らの実験(1957)によると,被験者レム睡眠時に目覚めさせたところ,191回のうち,152回(80%)は夢を思い出したが,ノンレム睡眠時には,160回のうち思い出したのは11回(6.9%)であった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

いめ【夢】

〔上代語。「寝目いめ」の意〕
ゆめ。 「心ゆも思へや妹が-にし見ゆる/万葉集 490

ゆめ【夢】

〔「いめ」の転〕
睡眠時に生じる、ある程度の一貫性をもった幻覚体験。多くの場合、視覚像で現れ、聴覚・触覚を伴うこともある。非現実的な内容である場合が多いが、夢を見ている当人には切迫した現実性を帯びている。 「 -を見る」 「 -からさめる」
将来実現させたいと心の中に思い描いている願い。 「少年らしい-を抱いている」 「 -は果てしなく広がる」
現実を離れた甘美な状態。 「新婚の-の日々を送る」 「太平の-をむさぼる」
現実とかけはなれた考え。実現の可能性のない空想。 「宇宙旅行は-ではなくなった」 「 -のような話」
心の迷い。迷夢。 「見果てぬ-を追う」
はかない物事。不確かな事。 「 -と消え去る」 「 -の世」 → 夢に夢にも

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


ゆめ
dream英語
rveフランス語
Traumドイツ語

睡眠中に体験される感覚性の心像で、そのほとんどは視覚的心像によって占められている。しかし聴覚、嗅覚(きゅうかく)、味覚、触覚、運動感覚などにかかわる夢が現れることもある。[久保田圭伍]

夢に関する歴史

古代人は、夢を非常に重要視した。彼らにとって夢は神の声に等しく、神の聖意を伝えるもの(夢告)として崇(あが)めた。洋の東西を問わず夢解きの専門家が存在して、重要な役割を担っていた。聖書の「創世記」に記述されているファラオの夢に対するヨセフの解釈やヤコブの夢はよく知られている。日本では法隆寺の夢殿はつとに有名であるし、『古事記』や『万葉集』のなかにも夢の記事はしばしばみられる。そこでは夢は実体性をもつものとみなされていた。しかし鎌倉時代になり、朱子学などの実学思想が展開し始めると、人々の夢への関心は徐々に衰退していった。また、西洋では啓蒙(けいもう)思想の台頭により、夢の解釈などは迷信として排斥されるようになり、歴史の表舞台から姿を消した。夢がふたたび注目され、人間の心の隠れた側面を表しているものとみなされ、科学的に研究されだしたのは20世紀になってからである。それはS・フロイトに始まる。[久保田圭伍]

夢に対するさまざまな解釈


フロイトの場合
フロイトは20世紀初頭に『夢判断』(1900)という名著を出版した。これは夢に関する最初の学問的・体系的な研究である。彼によると、夢は無意識が表出したものであり、したがって夢の探究は無意識に至る王道と考えた。夢の機能ないし目的は、抑圧された「願望の充足」である。たとえば、飢餓状態にある人がみる食物の夢とか、受験生がすでに志望校の学生になっている夢などがそれである。しかし、夢はこの例のようにわかりやすいものはむしろ少ない。それは心のなかの願望が「歪曲(わいきょく)」されて現れているからである。この歪曲をつかさどるのが「検閲」と称せられる心の働きである。このことは、夢には、歪曲されて意識に上ってきた夢と、歪曲を受けないで無意識のなかにとどまっている夢とがあり、夢はこの二重構造からなっていることがわかる。前者は「顕在夢」、後者は「夢の潜在思考(潜在内容)」とよばれる。夢の解釈とは、顕在夢(覚えられている夢)を素材にして、連想によってその背後に隠されている夢の本来の意味や意図を探ること、つまり夢の潜在内容を明らかにすることである。そのためには、潜在内容が検閲によって歪曲される方法を知る必要がある。フロイトはこの歪曲の働きを「夢の作業」と称し、圧縮、移動、劇化、象徴化、二次加工をあげた。「圧縮」とは、潜在内容のいくつかの要素が融合して一つに合体した心像となっているもので、たとえば、夢に現れた1人の人物のなかに複数の人物の諸特徴が凝縮されている場合である。「移動」とは、潜在内容としては重要なものが、さほど重要でない他のものに移されること。「劇化」とは、目に見える形で現れること(視覚化ともいう)で、たとえば、美しいという感じを表すのにすばらしい景色が登場することなどである。「象徴化」とは、一定の夢の要素に一定の翻訳が対応していることで、たとえばペニスを槍(やり)、ペン、とがった武器などで表すことである。「二次加工」とは、夢の潜在内容が上述の歪曲を受け、顕在夢として登場する直前に、意識が受け入れやすいように、個々ばらばらのイメージに統一性をもたせ、一つのまとまった物語(ストーリー)に仕立て上げることである。われわれが覚えている夢(顕在夢)は以上の過程を経てつくられる。フロイトの夢解釈は、こうした夢の形成過程を逆にたどり、心の無意識世界に隠されている真の内容(潜在内容)を明らかにすることであった。[久保田圭伍]
ユングの場合
一方、フロイトから決別して分析心理学を打ちたてたC・G・ユングは、夢の機能として補償作用を重視した。彼によると夢は、そのときの意識の状態と、それに対する無意識の状態との相互作用によって生じる。たとえば、日ごろきわめて内向的な人が、夢のなかではきわめて外向的にふるまっている自分の姿をみることがある。これは、意識の一面性を無意識(夢)が補償しているのである。夢の機能として「補償」のほか、未来に生起することに対する予知夢や警告夢、現実に生じたことが再現される反復夢、あるいは無意識世界の強烈な要素が発現した神話的モチーフをもった夢などが指摘されている。フロイトが夢の中心機能として、「過去」において抑圧された願望の充足をあげ、夢を遡及(そきゅう)的に因果論的にとらえたことと比べると、ユングは夢に対して補償機能を中心にして、「未来」予見的な機能をも考慮に入れて、目的論的にとらえている。さらにユングは、個人的経験を超えた夢、すなわち普遍的無意識(集合的無意識ともいう)に発する夢を指摘する。これは先述の神話的モチーフをもった夢であり、たとえば、未開人が「大きな夢(ビッグ・ドリーム)」とよぶのはこれにあたる。
 夢の分析にあたってユングは、夢主が覚えている夢それ自体を重視する。そしてその夢から離れず、その周辺を巡りながら、夢の個々の内容についての連想を尋ねる(この点でフロイトの用いた自由連想法とは異なる)。しかし夢主がもうそれ以上に連想ができないとき、分析家は、神話やおとぎ話などに登場している類似の物語を述べて、その夢の意味を豊かに膨らませる方法(拡充法という)を用いる。ユングはこれらの方法を用いて、生涯に約6万個の夢を分析した。夢分析は、精神科医としての彼の活動の中心であった。
 夢は無意識からのメッセージであり、それまで「知らなかった私」を開示してくれる。つまり、その人の内界に潜在している可能性を示してくれる。これを無視し、意識と無意識が分離するところに病が生ずる。ゆえに意識(「私の知っている私」)だけに頼らず、無意識にも心を開き、両者が統合され全体性へ向かうとき心身の健康を得ることができる。すなわち、夢は人間の全体性を取り戻すために、きわめて重要な働きをもっているとユングは考えたのである。[久保田圭伍]
その他の人々
フロイトに始まった夢の学問的な研究は、ユングのほかに、個人心理学の立場にたつA・アドラー、新フロイト派のE・フロム、精神分析的自我心理学のE・H・エリクソン、現存在分析のL・ビンスバンガーやボスMedard Boss(1903―1990)、ゲシュタルト療法のパールズFredrick Salomon Perls(1893―1970)など、多数の研究者によって、さまざまな夢の解釈がなされている。これは研究者が立脚している理論的立場の相違にもよるが、夢そのものが本来的にあいまいで多義的なものであることが、そうした多くの解釈を生み出している。解釈の違いがあるとはいえ、これらの研究者は同時に心の医者として、心の治療の手段として夢を重視した点は共通している。[久保田圭伍]

断夢実験と夢の重要性

夢の研究は上述の心理学的解釈によるものばかりでなく、生理学的研究もあり、重要な発見がなされている。1957年シカゴ大学のクライトマンNathaniel Kleitman(1895―1999)とアゼリンスキーEugene Aserinsky(1921―1998)は、夢に関する画期的な研究を発表した。すなわち、夢をみているときは眼球が急速に動くこと(rapid eye movement、略してREM(レム)といい、この時期の睡眠を「逆説睡眠」とよぶ)を発見した。このときの脳波は覚醒(かくせい)時と同じパターンを示した。REM期に覚醒させると、その8割は夢を報告した。このようにして夢を集める方法をレム期覚醒夢採集法という。普通、一晩に平均5回のレム期があるので、人は毎晩5個くらいの夢をみているわけである。この知見に基づいて、クライトマンの弟子デメントWilliam Charles Dement(1928― )は1960年ごろに次のような実験をした。すなわち、被験者にレム期が訪れると、ただちに彼を起こして夢をみさせなくした。するとその翌日は彼のパーソナリティーに動揺がみられ、さらにこのような「断夢」を5日間続けると、かなりの精神障害の症状が現れた。その後、自由に眠らせると、逆説睡眠が増加した(これを「はね返り」現象という)が、これは断夢による欠損を埋め合わせるためとデメントは考えた。逆説睡眠以外のときに睡眠を妨げてもこうした障害は生じないので、人間は夢を必要とするものであることがわかる。夢は夜ごとに自然発生的に現れるが、当人がその夢に気づくか否かに関係なく、心の健康を維持するために夢は不可欠で、きわめて重要な働きをしていることがこれによって理解できるのである。[久保田圭伍]

夢と芸術

夢のイメージは、芸術家の創作活動にとっても大きな役割を果たした。とくに視覚芸術である絵画において顕著である。19世紀のロマン派の芸術家たちにとって、夢の世界は現実に勝るとも劣らないほどの重要性をもったものとして絵画の主題に取り上げられた。彼らにとってもっとも価値あるものは、自己の内部に存在した。自己の内的世界を探り出す手段として、彼らは夢や幻想の世界を積極的に描いた。たとえば、イギリスの詩人であり画家であるW・ブレイクの名作『蚤(のみ)の幽霊』は奇妙な怪物が描かれた幻想的な作品である。またH・フューズリは、シェークスピアの『真夏の夜の夢』やドイツの民話、伝説をテーマにし、とくに夢の情景をしばしば描いた。彼の代表作として『夢魔』と題した一連の作品がある。ここには、人間の心の深淵(しんえん)に生まれる恐怖とエロティシズムがみられる。スペインの画家F・ゴヤもまた「夢魔」やそれとおぼしき幻想的な作品を多く描いた(たとえば『理性が眠れば怪物(デーモン)たちが生まれる』)。彼ら以外にも夢を主題として描いたロマン派の芸術家は多いが、彼らにとって夢や幻想は人間存在の本質に結び付いたものであった。つまり、人間の本質を探究する手段として、夢が重視され描かれたのである。
 ロマン派と同じく、夢や幻想の世界を重んじる芸術として、1920年代にA・ブルトンを中心としておこったシュルレアリスム(超現実主義)とよばれる前衛芸術がある。この芸術運動はフロイトやユングから大きな影響を受け、無意識に着目して、夢や幻想の世界を描いた。シュルレアリストたちは、夢に覚醒時の現実と同じだけの重要性を与え、それをオートマティスム(自動記述法)とよばれる技法を用いて描いた。たとえば、代表的な画家であるM・エルンストは『シュルレアリスムと絵画』『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』と題する作品を残しているが、これらはオートマティスムによっている。こうして制作された絵画は無意識世界の描写である。彼らの作品が「夢の芸術」ともよばれるゆえんである。[久保田圭伍]

夢の民俗


世界
夢は人間にとって不可思議な現象であり、各文化ごとにさまざまな解釈が行われてきた。その解釈は多岐にわたるが、多くの文化に共通する夢観念として次の二つがある。すなわち、一つは夢を睡眠中に肉体から遊離した霊魂の経験であるとする観念であり、他は夢を神のお告げであるとする観念である。
 睡眠中にわれわれの肉体は移動していないにもかかわらず、夢のなかでわれわれはさまざまな場所に移動し、さまざまな体験をする。その事実から、夢は肉体を脱出した霊魂の実際の体験であるという観念が生まれるのも当然であった。アフリカのアシャンティ人では、他人の妻と夢のなかで性交した男は姦通(かんつう)の罪を犯したことになると考えられている。また古代インドでは、眠っている人を急に起こすと、魂が肉体へ帰れなくなり、重病になるとされた。イギリスの人類学者タイラーはこのように夢解釈から、未開人は霊魂という観念をもつようになり、それがアニミズムへと発展したと説き、夢現象を霊的観念、宗教の出発点とした。
 夢を神や聖的世界からのメッセージであるとする社会も多い。古代ギリシアでもホメロスは、夢の送り手はゼウスであるとしているし、古代エジプトの王も夢のなかで神の啓示を受けていた。アメリカ先住民にも同様の信仰があり、また、死者が夢のなかに現れてその供養(くよう)の足りぬことを叱責(しっせき)したり、生者に忠告したりする夢は多くの社会に存在する。
 以上のような夢観念は夢という現象を自分と他者、あるいは神や死者との関係性のなかでダイナミックにとらえるものである。それらは非合理であるというよりはむしろ、現代の夢観念と比べてみれば、関係性の希薄となった近代的自我の構造を逆に浮き彫りにする。[上田紀行]
日本
夢は昔から「正夢(まさゆめ)」「逆夢(さかゆめ)」といって、夢にみたことが現実となったり、その反対に事実と逆となって夢に現れたりすると信じられていた。夢の吉凶についてはいろいろな判断をすることが多く行われた。すでに『日本書紀』神武(じんむ)天皇の条に、高倉下(たかくらじ)が夢中の教えによって捜していた剣(つるぎ)を庫(ほくら)の中にみいだしたことが記されている。平安時代になると陰陽師(おんみょうじ)などが夢の判断をしていた。また夢解きという女性が夢の吉凶について見解を述べた。『大鏡』に「夢解きに問はせ給へれば……」の記述がある。夢判断は今日も行われているが、土地や人によってその判断はかならずしも同一ではない。田植の夢は悪いが、火事の夢はよいとされ、また牛の夢は悪いが、馬の夢はよいなどは、よくいわれている例である。
 正月の初夢については、大晦日(おおみそか)、元旦(がんたん)、二日、節分など時代によって変わっているが、現在では正月二日の晩の夢をいうようである。初夢について吉とされるものに一富士、二鷹(たか)、三茄子(なすび)が知られている。これは徳川家の故地駿河(するが)の名物をあげたのだといわれている。初夢に付き物の宝船は、本来は悪夢をもっていってくれる船だったという説もある。宝船の絵を枕(まくら)の下に置いて寝ると吉夢をみるとか、夢見が悪いとバクバクと唱えてバク(獏)に夢を食わせるなどの俗説もある。『富山県史』によると、正月二日早朝、仕事始めに縄を綯(な)うが、それが済むとちょっと横になって休む。そのときみる夢を初夢と称しているという。[大藤時彦]
『E・フロム著、外林大作訳『夢の精神分析』(1953・創元新社) ▽河合隼雄著『ユング心理学入門』(1967・培風館) ▽M・ボス著、三好郁男・笠原嘉・藤縄昭訳『夢――その現存在分析』(1970・みすず書房) ▽西郷信綱著『古代人と夢』(1972・平凡社) ▽W・C・デメント著、大熊輝雄訳『夜明かしする人、眠る人――睡眠と夢の世界』(1975・みすず書房) ▽鑪幹八郎著『夢分析入門』(1976・創元社) ▽木村尚三郎編『夢とビジョン』(『東京大学教養講座 13』1985・東京大学出版会) ▽S・フロイト著、懸田克躬訳『精神分析学入門』(2001・中央公論新社) ▽新宮一成監修『フロイト全集 第4巻 夢解釈』(2007・岩波書店) ▽新宮一成監修『フロイト全集 第5巻 夢解釈』(2011・岩波書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のの言及

【安達盛長】より

…無官のままであったが,幕府草創の功臣として重んじられ安達氏興隆の基をなした。【青山 幹哉】
[盛長の夢見]
 《曾我物語》巻二〈盛長が夢見の事〉〈景信が夢合はせ事〉〈酒の事〉には,頼朝の未来を予告する盛長の夢見と,その夢解きをした平権守景信の話がのっている。夢見の要点は〈頼朝が矢倉嶽(足柄峠の北にあたる)に腰をかけて酒を3度飲む。…

【魂魄】より

…この過程で,魂魄は人間の体内にあって生命活動をつかさどり,行為の善悪を監視する体内神の一つと考えられるようになり,さらに台光,爽霊,幽精の三魂と尸狗,伏矢,雀陰,呑賊,非毒,除穢,臭肺の七魄とに細分されるに至った。また,古来,夢は睡眠中に身体から遊離した魂魄が外界と接触することによって起こる現象と考えられたが,こうした観念は,身体を離脱した魂魄が遠隔地に現れて本人として活動し,再び肉体にもどるとか,他人に憑依(ひようい)するといった怪異譚を生み,六朝の志怪小説や唐代の伝奇小説にかっこうの主題を提供している。精神霊魂【麦谷 邦夫】。…

【睡眠】より

…一般に知覚や学習の能力は入眠後低下していくので,いわゆる睡眠学習は不可能である。夢は睡眠中の精神機能の産物の一つである。実際にレム睡眠やノンレム睡眠時に呼び覚まして夢をみていたかどうか調べると,夢をみていたのはレム睡眠時で70~80%,ノンレム睡眠時では0~50%であった。…

【精神分析】より

…抵抗も感情転移も実際には容易に解消するものではないので,くりかえし採り上げて言語的に操作されなければならない(徹底操作)。また治療者は,自由連想(夢分析を含む)の全材料,抵抗,感情転移の様相を検討し,患者自身にとっては無意識の心的状況を再構成し,これを時機を選んで患者に伝えることによって患者の自己洞察をいっそう深めることが可能となる。 精神分析療法においては治療者は一貫して中立的態度を保ち,自己の人生観や世界観を押しつけないことが要請されている。…

【人魂】より

…また人魂の形・色・出現の状態もさまざまで,円形・楕円形,青白・赤・黄,ふわふわと飛ぶ,ぼーっと出るなどといわれ一様ではない。さらに夢は霊魂が身体から遊離した状態とする観念が支配的で,その霊魂が人魂となって他の人の前に出現するという場合もある。鬼火【宮本 袈裟雄】。…

【枕】より

…両端が反り上がった長方形で,籐の部分は赤漆塗。側板は黒漆塗で,よくこの一方に悪夢を食うという獏(ばく)を,一方に菊や鶴,南天(難を転ずる)を描いた。室町時代ころからさかんに使われ,一双にして武家の嫁入用ともされた。…

【無意識】より

…この無意識はエネルギーと浮上力とをもち,たえず前意識のなかに侵入しようとし,一方無意識の側からも同時に抑止的な影響を受ける。健康人の覚醒時の精神生活に無意識がその片鱗をのぞかせることははなはだまれだが,いいちがい,やりそこないといった失錯行為と夢とにそれは現れる。ことに夢はフロイトが〈無意識にいたる王道〉であるといったように,無意識の形成と内容とを推測させる好材料である。…

【申し子】より

…神仏への祈願や夢のお告げによってもうけた子。歴史上の英雄伝説や高僧伝のなかにその例がみられる。…

【盲人】より

…近代社会では,可視的な現実だけが唯一の現実とされ,〈見ること〉はその現実を網膜にうつすことに限られる。だが他の多くの社会では,不可視の現実もまた全体世界に含まれ,日常的には見えない現実は,たとえば夢や幻視において現実として〈見られて〉いた。とくに,不幸にして盲目となった者は,つねに不可視の現実を〈見る〉者とされた。…

【夢見小僧】より

…運命と致富を語る昔話。小僧が良い夢を見る。親や主人からその内容を聞かれるが,どうしても語らない。…

※「夢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

夢の関連キーワード濃いめこっちゃてんでんアイメークイメージアドイメクライメージ炉マイメロ海綿岩イメトレ

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

夢の関連情報