福島県(読み)フクシマケン

デジタル大辞泉 「福島県」の意味・読み・例文・類語

ふくしま‐けん【福島県】

福島

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精選版 日本国語大辞典 「福島県」の意味・読み・例文・類語

ふくしま‐けん【福島県】

  1. 東北地方最南端の県。明治元年(一八六八)に陸奥国から分かれた岩代国と磐城国の大部分にあたる。同四年の廃藩置県により、平(磐前)・二本松(福島)・若松の三県が成立。同九年合併して福島県となり、同一九年に東蒲原郡を新潟県に移管して現在の県域が定まる。県庁所在地は福島市。

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日本歴史地名大系 「福島県」の解説

福島県

風土と県民性

〔風土〕

元禄一四年(一七〇一)に刊行された関祖衡の「新人国記」は、陸奥の項で次のように記している。「会津は白川より西に入り、遥かに山谷相続きたる国なり。西は越後に隣りて、寒烈しく雪深きこと、北国よりも勝れたり。岩城・相馬は東の海浜なり。かるが故、外よりは寒ゆるし。白川・二本松・赤館・三春・白石・福島等の所々、皆山中の形気なり」。まことに明快に福島県の風土を表現したものといえよう。

福島県の県土は那須山・磐梯山・安達太良山・吾妻山など、標高二〇〇〇メートル級の火山群を擁する那須山地と、その土台をなす奥羽山脈とからなる東北中央分水山地と、その東に並ぶ低い阿武隈高地の二つの山地によって、東から浜通り(海道)、中通り(仙道)、会津の三つの地域に区分される。当然ながら太平洋岸の浜通りは比較的温暖で、夏冬ともに恵まれた気候となる。南東に向けて平野が広がるいわき地域ではこの傾向がさらに著しい。中通り地方は、南部の阿武隈川上流の白河市街では標高約三五〇メートル、高燥で冬は低温とはいえ一般に寒暖の差が少ないのに対して、北部阿武隈川下流域の福島市街は標高六〇メートル余という低地で盆地という条件のために寒暖の差が大きく、夏は全国屈指の高温多湿を記録する。中部の須賀川・郡山・二本松の各市などは白河市・福島市の特徴の中間であるといえよう。同じ中通りとはいえ、気象条件は一定の相違をみせる。他方、会津、とりわけ会津盆地周辺部と南会津の地域が全国有数の豪雪地帯であることは周知のとおりである。会津ではかつて積雪が軒に達し、二階から出入りすることが普通であった。その会津では除雪作業を「雪掘り」とよぶ。中通りでは「雪掻き」である。これに対して、阿武隈高地西縁の安達郡岩代いわしろ小浜おばまなどでは降雪がほとんどなく、除雪は「雪掃き」とよばれる。浜通り地域に至っては、きまった呼称をきかない。

白河関(現白河市)菊多きくた(現いわき市)の存在にも明らかなように、福島県地方は古代以来奥州の関門の地域であり、大和朝廷また律令国家による奥羽開発は、当然ながらその南境の本県地方から進められた。存続したのはわずかの期間にすぎなかったが、養老二年(七一八)五月二日に本県浜通りの常陸国菊多郡と石城いわき(磐城)標葉しねは行方なめかた宇太うだの諸郡と曰理わたり(現宮城県)とで石城国が建置され、また中通りの白河・石背いわせ(岩瀬)安積あさか信夫しのぶの諸郡と会津郡とをもって石背国が建置されている(続日本紀)事実によっても、古代福島県地方の先進性をうかがうことができよう。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「福島県」の解説

福島県

東北地方南部に位置する県。南から北へ連なる阿武隈高地と奥羽山脈によって、西側から会津・中通り・浜通りの3つの地方に分けられる。会津地方は日本海側の気候、浜通り地方は太平洋側の気候、中通り地方は2つの中間の気候を示す。農業のほか情報通信機械産業が盛ん。県花は、ネモトシャクナゲ。県木は、ケヤキ。県鳥は、キビタキ。

[福島県のブランド・名産品]
会津絵蝋燭 | 会津菊南瓜 | 会津桐下駄 | 会津慶山焼 | 会津郷からむし織 | 会津地鶏 | 会津天神 | 会津唐人凧 | 会津塗 | 会津の起上がり小法師 | 会津本郷焼 | 会津身不知柿 | 会津みそ | 会津木綿 | 会津早生茎立ち | 赤ベコ | 阿久津曲がりねぎ | あんぽ柿 | 猪苗代そば | いわき絵のぼり | いわき和紙 | 江戸小紋 | 海老根伝統手漉和紙 | 大堀相馬焼 | 奥会津編み組細工 | 雄国の根まがり竹細工 | 風車 | 金山漆ろうそく | 上川崎和紙 | 川俣シャモ | 信夫菜 | 白河だるま | 須賀川絵幟 | 総桐箪笥 | 相馬のヒラメ | 高田梅 | 田島万古焼 | 舘岩赤かぶ | 土湯伝統こけし | つる細工 | 伝統岳こけし | 南郷トマト | 日本甲冑 | 二本松伝統家具 | 二本松の獅子頭 | 二本松の仏壇 | 二本松万古焼 | 初音 | 麓山高原豚 | 檜枝岐の山人工芸品 | 福島牛 | 福島だるま | 牡丹こけし | 真渡瓜 | 三春駒 | 三春張子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福島県」の意味・わかりやすい解説

福島〔県〕
ふくしま

面積 1万3784.14km2
人口 183万3152(2020)。
年降水量 1166.0mm(福島市)。
年平均気温 13.0℃(福島市)。
県庁所在地 福島市
県木 ケヤキ
県花 ネモトシャクナゲ(→シャクナゲ)。
県鳥 キビタキ

本州北東部,太平洋に面する県。東部に阿武隈高地,中央に奥羽山脈,西部に越後山脈が南北に連なり,大部分が山地である。平地は会津盆地,福島盆地,郡山盆地,白河盆地などの盆地,および太平洋沿岸の海岸段丘や小沖積地。奥羽山脈には那須火山帯に属する吾妻山 (東吾妻山 1975m,西吾妻山 2035m) ,安達太良山 (1709m) ,磐梯山 (1819m) などの火山群が連なり,温泉が多い。ほぼ中央に猪苗代湖がある。西の会津地方は日本海岸気候,太平洋岸は太平洋岸気候,中央部は大陸性気候を示す。古くは白河と勿来 (なこそ) に関が置かれ,陸奥国の関門をなした。平安時代には会津を除き,奥州藤原氏の勢力下に属し,江戸時代は三春 (田村) ,中村 (相馬) 藩,譜代大名と幕領などに分割され,明治4 (1871) 年廃藩置県により平 (磐前) 県,福島県,若松県が成立,1876年に現在の県域となる。農業は米作や野菜,果樹,コンニャクの栽培が中心。日橋川・只見川流域,猪苗代湖は重要な水力発電地帯。太平洋岸には原子力発電所や火力発電所が誘致され,日本のエネルギー基地の一つになっている。京浜地方への食料,電力,労働力供給地の性格が強いが,工業化も進展している。常磐,郡山,いわき地区を中心に工業地域が形成され,1964年に新産業都市に指定された。磐梯,吾妻,尾瀬などの景勝地のほか,飯坂温泉,東山温泉などの温泉もあり,観光業も重要。一部は尾瀬国立公園磐梯朝日国立公園に属する。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「福島県」の解説

福島県
ふくしまけん

東北地方の南端に位置する県。旧陸奥国の南部,明治の分国後は岩代(いわしろ)国の全域と磐城(いわき)国の大部分を県域とする。1868年(明治元)戊辰戦争前には会津藩・二本松藩など11藩,飛地・幕領があった。同年9月の戊辰戦争敗北後,守山・三春・中村の3藩を除き,奥羽越列藩同盟に参加した各藩は新政府側の諸藩に預けられた。その後旧幕領とともに民政取締所(のち民政局と改称)の支配下におかれた。同年末から翌年にかけて会津・福島・磐城平(いわきたいら)の3藩を除き旧藩は領地を削減されて復活した。69年若松・白河・福島の3県が新設されて民政局は廃止された。71年廃藩置県をへて11月磐城平・三春・棚倉・泉・中村・湯長谷(ゆながや)の諸県は平県(のち磐前(いわさき)県と改称),福島・二本松・白河の各県は二本松県(のち福島県と改称),若松県の3県に統合・整理された。76年福島県は磐前・若松両県を合併し,同時に亘理(わたり)・伊具(いぐ)・刈田(かった)3郡を宮城県へ分離した。86年旧越後国東蒲原(ひがしかんばら)郡を新潟県へ分離して現在に至る。県庁所在地は福島市。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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