精精(読み)セイゼイ

デジタル大辞泉 「精精」の意味・読み・例文・類語

せい‐ぜい【精精】

[副]
能力の及ぶかぎり努力するさま。できるだけ。精いっぱい。「精精おまけします」「精精養生して下さい」「病み上がりで、近所を散歩するのが精精だ」
できるだけ多く見積もってもその程度であるさま。たかだか。「遅くても精精二、三日で届くだろう」「高くても精精一万円だろう」
[名]能力の及ぶ限界。力のかぎり。
「迷エル衆生ヲ導カント―ヲヌキンデ給ウコトココニ切ナリ」〈天草本平家・序〉
[用法]せいぜい・たかだか――「合格するのはせいぜい(たかだか)三人だろう」「一日かかってもせいぜい(たかだか)一〇ページしか読めない」など、多く見積ってもの意では相通じて用いられる。◇「せいぜい」にはその上限に達することを目標にする意もある。「せいぜい努力します」「せいぜいお大事に」など。また、それほど期待はしていないという気持ちで用いることがある。「相手は強豪揃いだ。せいぜい頑張るさ」◇「たかだか」は上限の程度を大したことではない、とみる気持ちがある。「集まってもたかだか五〇人だろう」「たかだか一週間の旅行に大騒ぎするな」
[類語]1力一杯精一杯力任せ極力鋭意体当たり燃焼力ずく腕ずく根限り力の限りしゃかりきがりがり血の出るよう/(2ほんのただたったたかがたかだかほのかささやかわずか幾ばく微塵みじん些細ささいまばらいささかあるかなきかちょっと一縷いちる一抹少し心ばかりしるしばかり形ばかり少ない少少いくらかいくぶんややちとちっとちょっぴりなけなし若干心持ち気持ち多少二三少数少量僅僅きんきん数えるほど少なめ軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちびひとつまみひと握りすずめの涙ちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼり爪のあか寸毫すんごうプチ

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精選版 日本国語大辞典 「精精」の意味・読み・例文・類語

せい‐ぜい【精精】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
  2. ( 「せいせい」とも ) 力の及ぶかぎり。できるだけ。つとめて。一心に努力して。
    1. [初出の実例]「Seizei(セイゼイ) タノミマシタ」(出典和英語林集成再版)(1872))
    2. 「世帯の足(たし)になりさうな、と見た物は精々(セイゼイ)と運ぶ」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
  3. 十分多く見積もっても。たかだか。やっと。
    1. [初出の実例]「精々(セイゼイ)五六十ページばかりの小冊子であるが」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)

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