(読み)サイ

デジタル大辞泉 「細」の意味・読み・例文・類語

さい【細】[漢字項目]

[音]サイ(呉) [訓]ほそい ほそる こまか こまかい ささ さざれ ささら
学習漢字]2年
サイ
ほそい。「細腰さいよう細流繊細
こまかい。こまごましている。「細菌細工細心細部細胞些細ささい微細
くわしい。「細説委細詳細明細
取るに足りない。「細民零細
〈ほそ(ぼそ)〉「細道極細ごくぼそ
難読細螺きさご細波さざなみ細雪ささめゆき細石さざれいし

ほそ【細】

形容詞ほそい」の語幹から》
細棹ほそざお」の略。
細糸」の略。
細引き」の略。
釣りで、細い枝川。水温が高くなると本流からフナなどが入り込んでくる所。
名詞・形容詞の上に付いて、複合語をつくる。
㋐細い意を表す。「首」「長い」
㋑幅が狭い意を表す。「道」
㋒かすかである、か弱い、の意を表す。「声」「腕」

さざれ【細】

[名]細石さざれいし」の略。
「程もなく浮きて沈みし三輪川の―がくれに朽つる埋れ木」〈夫木・二四〉
[語素]名詞の上に付いて、細かい、小さい、わずかな、などの意を表す。ささ。「石」「波」「貝」

ささ‐ら【細】

[名]細形ささらがた」の略。
「―の御帯みおびの結び垂れ」〈継体紀・歌謡
[語素]《「さざら」とも》細かい、小さい、わずかな、などの意を表す。ささ。さざれ。「石」「波」「荻」

さ‐さ【細/小】

[接頭]《「さざ」とも》主として名詞に付いて、細かい、小さい、わずかなという意を表す。「―にごり」「―波」

さい【細】

こまかいこと。詳しいこと。「微にいり、をうがった解説

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精選版 日本国語大辞典 「細」の意味・読み・例文・類語

ほそ【細】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 ( 形容詞「ほそい」の語幹相当部分 )
    1. [ 一 ] 名詞、形容詞、動詞などの上に付く。
      1. ふとさが少ない意を表わす。「ほそ縄」「ほそ首」「ほそなが」「ほそづくり」など。
      2. 幅が狭い意を表わす。「ほそ川」「ほそ道」など。
      3. こまかい、小さい意を表わす。「㸅(ほそくず)」など。
      4. かすかな、わずかな、か弱いなどの意を表わす。「ほそ声」「ほそもとで」「ほそうで」など。
      5. 情のこまやかな意を表わす。「ほそことば」など。
    2. [ 二 ] ( 連濁して「ぼそ」となる ) 名詞、情態を表わす造語要素などの下に付いて、名詞・形容動詞を作り、細いもの、細いさまの意を表わす。「ひわぼそ」「腰ぼそ」「中ぼそ」「ごくぼそ」など。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ほそざお(細棹)」の略。
    2. ほそびき(細引)」「ほそいと(細糸)」の略。
    3. ほそじょうふ(細上布)」の略。

ほそり【細】

  1. ( 動詞「ほそる(細)」の連用形の名詞化 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ほそりぶし(細節)
      1. [初出の実例]「われらごときのせんどうは、おきにてうたふふなうたの、くがにはほそりかたはちを、うたはぬ人もなかりけり」(出典:仮名草子・色音論(1643)下)
    2. 忍びの者。間諜。
      1. [初出の実例]「軍法に竊盗といひ、忍びの者と名づけ、ほそりといふも、此道に鍛練せし党をいふとぞ」(出典:浮世草子・古今堪忍記(1708)七)
    3. ほっそりとしていること。
      1. [初出の実例]「なりふりやほそりすはえの梅の花〈立圃〉」(出典:俳諧・小町踊(1665)春上)
  3. [ 2 ] 三味線組歌の曲名。調子は三下がり。細り節のうちの下総ほそりからきたもの。

さざれ【細】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 名詞に付いて、「わずかな」「小さい」「こまかい」などの意を添える。「さざれいし」「さざれなみ」「さざれがい」など。〔名語記(1275)〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙さざれいし(細石)[ 一 ]」の略。
    1. [初出の実例]「さざれふみいざ行きてみむ佐保路なる河そひ柳もえわたるらし〈真観〉」(出典:現存和歌六帖(1249‐50頃))

細の補助注記

細小の意の「ささ」に形状言であることを示す「ら」をつけた「ささら」の母音交替形と考えられる。ただ「さざれ石」「さざれ波」などの第二音節が上代において濁音であることからすると、「ささら」の第二音節は清音と推定されるので、この点で問題が残る。→「ささらなみ」の語誌


さ‐さ【細・小】

  1. 〘 造語要素 〙 ( 狭いの意の「さ」を重ねた語。後世は「さざ」とも ) 主として名詞の上に付けて、「こまかい」「小さい」「わずかな」の意を表わす。ささら。さざれ。
    1. [初出の実例]「汝か生子(うみのこ)の八十連属(やそつつき)の裔に、貧(まち)鉤、狭狭貧鉤(ササまちち)、と言たまひ訖て」(出典日本書紀(720)神代下(兼方本訓))

こま【細・小間】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 小さいさま。こまかいさま。
    1. [初出の実例]「動脈と静脈とが来て連なり、巨細(コマ)なる枝に分れて」(出典:志都の岩屋講本(1811)下)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上に付いて、こまかな、ささいな、手軽なの意を表わす語。「こまもの」「こまぎれ」「こま使い」など。

さい【細】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) くわしいこと。こまかいこと。こまごまとしてわずらわしいこと。また、そのさま。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「人に上中下の性アルぞ。上中下を細に分に分くれば九品ぞ」(出典:足利本論語抄(16C)雍也第六)

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普及版 字通 「細」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] サイ
[字訓] ほそい・こまかい

[説文解字]

[字形] 形声
正字は(し)に従い、声。のち略して田となった。〔説文〕十三上に「(び)なり」(段注本)と訓し、声とする。は細かい網目の形。もと織り目の細かいことをいう字であったが、のち細微・微賤の意となる。

[訓義]
1. ほそい、こまかい。
2. わずか、小さい、すくない。
3. かすか、こまかい、くだくだしい、わずらわしい。
4. やせる、いやしい。

[古辞書の訓]
和名抄細石 佐々禮以之(さざれいし) 〔名義抄〕細 ホソシ・スクナシ・ヤム・スコシキ・クハシ・コマカナリ・ツラツラ/子細 クハシ・コマヤカニ/細々 ホソヤカナリ・ササヤカナリ 〔字鏡集〕細 ツラツラ・ホソシ・クハシ・チヒサシ・オボロゲ・コマヤカナリ・マツフ・スコシキ・コマケシ・スクナシ

[語系]
細syei、syetは声近く、微小にして価値のないものをいう。碎(砕)sutも細砕の意。同系の語である。

[熟語]
細靄・細意・細異・細・細雨・細瑩・細閲・細怨・細・細憶・細苛・細瑕・細過・細画・細介・細楷・細・細黠・細看・細巻・細嵌・細間・細管・細簡・細肌・細綺・細菊・細鞫・細鉅・細魚・細局・細謹・細緊・細・細君・細計・細形・細径・細逕・細纈・細月・細・細涓・細検・細絹・細故・細娯・細語・細糠・細行・細穀・細根・細沙・細査・細瑣・細砕・細細・細作・細察・細酸・細枝・細思・細疵・細視・細・細事・細字・細児・細辞・細膩・細酌・細嚼・細弱・細珠・細術・細詢・細書・細小・細心・細針・細斟・細人・細水・細推・細数細声・細制・細政・細磧・細節・細説・細雪・細泉・細・細・細粗・細・細草・細想・細・細・細属・細体・細大・細琢・細単・細短・細緻・細聴・細滴・細囀・細徳・細読細波・細白・細魄・細斑・細婢・細微・細眉・細風・細物・細忿・細分・細別・細歩・細磨・細米・細末・細沫・細密・細民・細務・細霧・細目・細紋・細問・細要・細葉・細腰・細覧・細利・細柳・細・細縷・細・細路・細論・細話・細猥
[下接語]
委細・苛細・寒細・巨細・緊細・軽細・些細・瑣細・子細・仔細・詳細・精細・繊細・疎細・細・煩細・繁細・卑細・微細・明細・細・零細

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動植物名よみかた辞典 普及版 「細」の解説

細 (タク)

植物。楮の古名

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