デジタル大辞泉
「彼」の意味・読み・例文・類語
か【▽彼】
[代]
1 (多く「の」「は」を伴って用いる)遠称の指示代名詞。あれ。かれ。
「兎追いし―の山」〈文部省唱歌・故郷〉
「―の児ろと寝ずやなりなむはだすすき浦野の山に月片寄るも」〈万・三五六五〉
2 「何」と対になって、並列される事物を漠然とさす。「なんとか彼とか不平を並べたてる」「何や彼やとうるさい」
あ【▽彼】
[代]遠称の指示代名詞。あれ。
「雲立つ山を―はとこそみれ」〈大和・一四五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あれ【彼】
- 〘 代名詞詞 〙 ( 中古以後用いられた )
- [ 一 ] 他称。話し手、聞き手両者から離れた事物、人、場所、過去の出来事などを指し示す(遠称)。あ。
- ① 事物を指し示す。
- [初出の実例]「親の来たるに所得て『あれ見せよ、やや、はは』などひきゆるがすに」(出典:枕草子(10C終)一五二)
- 「あれじゃ何も話されぬ。わしがするやうにならんせ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
- ② 人を指し示す。
- [初出の実例]「あれはあらぬ人ぞよ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)
- 「わが身にては、またいとあれがほどにはあらず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
- ③ 場所を指し示す。
- [初出の実例]「あれに見え候、粟津の松原と申す」(出典:平家物語(13C前)九)
- ④ 過去の出来事を指し示す。
- [初出の実例]「あれより四日、れいの物忌みとかあきて、ふたたびばかりみえたり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- ⑤ はっきり言いたくないことやうまく言えないことなどを指す。
- [初出の実例]「その積りで麺麭も余計にあれしたんですから」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉八)
- ⑥ 性的な事柄や性行為を、遠回しに指す。
- [初出の実例]「懐中電燈がパッと光ると、そこには必ずアレが行われているのだから」(出典:安吾巷談(1950)〈坂口安吾〉東京ジャングル探検)
- ⑦ ( [アメリカ] It の訳語 ) 昭和初期の流行語。性的魅力をいった俗語。→イット。〔モダン用語辞典(1930)〕
- [ 二 ] 他称。相手側に属し、話し手から離れた事物、人、場所などを指し示す(中称)。
- ① 事物を指し示す。
- [初出の実例]「いかに佐々木殿遅れおはし給ぞ。あれは生喰と見候はいかに」(出典:延慶本平家(1309‐10)五本)
- ② 人を指し示す。
- [初出の実例]「あれはたそ顕証(けそう)に」(出典:枕草子(10C終)八)
- ③ 場所を指し示す。そこ。あそこ。
- [初出の実例]「なふなふあれなる御僧に申べき事の候」(出典:光悦本謡曲・善知鳥(1465頃))
- [ 三 ] 対称。あなた。
- [初出の実例]「侍、あれはいかなる御坊ぞと問ひければ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
彼の語誌
( 1 )古くは「これ」対「かれ」、「こなた」対「かなた」のように、近称「こ」対遠称「か」の対立が中心的であった。平安時代に「あ」「あれ」が現われ、しばらくは「か」「かれ」と共存して、おおむね、「あ」「あれ」は現場にない対象、「か」「かれ」は現場に見える対象のように使い分けられていたものと考えられる。中世に入ってしだいに「か」「かれ」が衰退し、遠称はもっぱら「あ」「あれ」が担当することとなった。
( 2 )近世以後は[ 二 ]の用法は「それ」「そこ」等「そ」の領域と認められるようになった。
( 3 )[ 三 ]の対称の用法は[ 二 ]から派生したもので、現代語の「あなた」がこの用法の痕跡として認められる。
かれ【彼】
- [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙
- [ 一 ] 他称。
- ① 話し手、相手両者から離れた事物・場所・方角・時・人などをさし示す(遠称)。
- [初出の実例]「沖べより満ち来る潮のいやましに吾(あ)が思(も)ふ君が御船かも加礼(カレ)」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇四五)
- ② 話し手、相手以外の人をさし示す。明治期まで男にも女にも用いた。
- [初出の実例]「誰そ彼(かれ)と問はば答へむすべをなみ君が使を帰しつるかも」(出典:万葉集(8C後)一一・二五四五)
- 「下女一人候つる。かれには、うつくしき小袖をとらせて」(出典:信長公記(1598)一二)
- ③ 男性をさす。「彼女」とともに、西欧語の三人称男性代名詞の訳語として一般化したもの。→「かのじょ(彼女)」の語誌。
- [初出の実例]「Kare(カレ)ヲ ニクム モノガ オオイ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
- ④ 人以外の身近に感じられる生物や事物をさす。
- [初出の実例]「嗚呼平民社、彼も亦た日露戦争の産児なりき」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉後)
- [ 二 ] 対称。相手をさしていう語。
- [初出の実例]「三人の人問ひていはく『かれはなむぞの人ぞ』。俊蔭答ふ『日本国の王の使清原の俊蔭なり。ありしやうは、かうかう』といふ時に」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
- [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ][ 一 ]③から転じて ) 恋人である相手の男性。彼氏。
彼の語誌
( 1 )三人称(他称)の代名詞として上代から存在するが用例は少なく、事物・人ともに指示した。「かれ」も含めてカの付く指示語は、コの付く指示語から分化したものといわれる。
( 2 )→「あれ」の語誌
か【彼】
- 〘 代名詞詞 〙 他称。
- ① 遠称。話し手、相手の両者から離れた物や人をさし示す。かれ。
- [初出の実例]「可(カ)の子ろと寝ずやなりなむはだ薄(すすき)浦野の山に月かたよるも」(出典:万葉集(8C後)一四・三五六五)
- ② ( 「何(なに)」と対応して用いられ ) 並列する事物を漠然と示す。
- [初出の実例]「なにかほしい、かかほしいと云ことを、やかて天子へ言して行い下しそ」(出典:史記抄(1477)九)
あ【彼】
- 〘 代名詞詞 〙 他称。話し手、聞き手両者から離れた事物を指し示す(遠称)。平安時代以降用いられ、格助詞「の」を伴って連体修飾語となることが多い。あれ。か。→あの。
- [初出の実例]「あの書き置きし文」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- 「あはとみるあはちのしまのあはれさへのこるくまなくすめるよの月」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「彼」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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彼
日本のテレビドラマ。放映はフジテレビ系列(1997年1月~3月)。全11回。原作:竹山洋。音楽:日向敏文。出演:篠ひろ子、稲垣吾郎、ヒロミ、沢口靖子ほか。
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