(読み)シチ

デジタル大辞泉 「七」の意味・読み・例文・類語

しち【七】[漢字項目]

[音]シチ(呉) シツ(漢) [訓]なな ななつ なの
学習漢字]1年
〈シチ〉
数の名。ななつ。「七賢七曜七雄七福神
七番目。「七月七夜
ななたび。「七生しちしょう
〈シツ〉ななつ。「七珍七宝しっぽう
〈なな〉「七重ななえ七草
〈なの〉「七日なのか
[名のり]かず・な
難読七五三縄しめなわ七夕たなばた七十ななそ・ななそじ七日なぬか

しち【七】

数の名。6の次、8の前の数。なな。ななつ。
7番目。第7。
[補説]金銭証書などで間違いを防ぐため「漆」を用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

なな【七】

しち。ななつ。声に出して数をかぞえるときなどに用いる。「いつ、む、、や」「曲がり」「転び八起き」
[補説]「いち(一)」との聞き違えを避けて「しち(七)」を「なな」で言い換えることが多い。

な【七】

ななつ。なな。しち。物の数を声に出して数えるときに用い、「なあ」となることが多い。「いつ、む、、や」

しつ【七】[漢字項目]

しち

チー【七】

《〈中国語〉》数の7。七つ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「七」の意味・読み・例文・類語

なな【七】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ななつ。名詞助数詞の前に直接付けて用いる。「七色」「七重(ななえ)」「七粒」「七棟(ななむね)」など。
    1. [初出の実例]「吾が恋は千引の石を七(なな)ばかり首に繋(か)けむも神のまにまに」(出典:万葉集(8C後)四・七四三)
  3. 七つ。七人。助詞「の」を介して名詞を修飾する。→なな(七)の賢人なな(七)の社
    1. [初出の実例]「ななの輩集ひて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. 動詞の前について、動作者が七人あることを表わす。
    1. [初出の実例]「大和の 高佐士野を 那那(ナナ)行く 嬢子ども 誰をし枕かむ」(出典:古事記(712)中・歌謡)
  5. 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの七。な。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(ふた)(み)(よ)(いつ)(むに)(ナナ)(や)(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)
  6. 聞き違いを防ぐために、漢語の「しち(七)」のかわりに用いる。「集合時間は七時ですね」
  7. 賭博(とばく)を常習とする者。ばくちうち。博徒。
    1. [初出の実例]「ハテ此廓で自囉(じら)でもななでも、符牒まへをおれにくさねば」(出典:浄瑠璃潤色江戸紫(1744)三)

な【七】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「なな(七)」の変化した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの七。実際に唱えるときには「なー」と長く発音することが多い。
    1. [初出の実例]「一二三四五六七八九十をひふとて、〈略〉ひふみよいむなやこと、といへるは」(出典:名語記(1275)四)

しち【七】

  1. 〘 名詞 〙 数の名。六に一を加えた数。なな。ななつ。また、第七番目。漆。
    1. [初出の実例]「日本にまなの一二三と云て、壱弐参肆伍陸漆捌玖拾佰仟万と書ぞ」(出典:史記抄(1477)一七)
    2. [その他の文献]〔詩経‐召南〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「七」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

[字音] シチ
[字訓] ななつ・なな

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]

[字形] 仮借
もと、切断した骨の形。切は骨を刀で切る形。これを数の七に用いるのは、その音を仮借したものである。〔説文〕十四下に「陽の正なり。一に從ふ。陰、中より(なな)めに出づるなり」と陰陽の象によって字形を解するが、卜文・金文の字形は十の縦画を短くした形。膝などの骨節の部分の形象と思われる。七は聖数とされ、〔文選〕に収める七の類、〔七発〕〔七啓〕などは、一種の呪誦文学であろうと思われる。

[訓義]
1. ななつ、なな、ななたび。
2. 文体の名。

[古辞書の訓]
名義抄〕七 ナナトコロ

[部首]
〔説文〕〔玉〕ともに部属の字をあげないが、切は切骨の象。七刀の会意とみるべき字である。

[声系]
〔説文〕に七声として・切の二字を収める。は呵の声で擬声語。切は会意の字。

[語系]
七tsiet、切tsyetは声近く、名詞・動詞の関係であろう。tsietも切と声が近い。木に傷つけて(うるし)の水滴をとることをいう。その節くれだったところを(節)tzyetという。(膝)sietはこれを人体に施していう。みな一系の語である。・漆・を、字の改を避けるために、数字の七に代用することがある。

[熟語]
七哀・七悪・七緯・七音・七学・七患七諫・七起・七逆・七宮・七九・七去・七竅・七曲・七虞・七計・七啓・七激・七献・七賢・七絃・七言・七祀・七子・七七・七宿・七書・七縦・七商・七襄・七情・七政・七夕・七尺・七絶・七大・七秩・七徳・七発・七微・七兵・七弁・七歩・七命・七雄・七踊・七略・七・七牢・七録

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七」の意味・わかりやすい解説


しち
Qi

中国,文体の一種。押韻した文で,全体が8段から成り,そのうち7つの問答を含むのでこの名がある。内容は人の重んずべき道を説くのを目的としたものが多い。『楚辞』の『七諫』をその源流とし,題名もこれにならってすべて「七」の字で始る2字から成る。前漢の枚乗 (ばいじょう) の『七発』,六朝時代魏の曹植の『七啓』,晋の張協の『七命』などが有名。

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