普及版 字通 「七(漢字)」の読み・字形・画数・意味
七
常用漢字 2画
[字訓] ななつ・なな
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]
[字形] 仮借
もと、切断した骨の形。切は骨を刀で切る形。これを数の七に用いるのは、その音を仮借したものである。〔説文〕十四下に「陽の正なり。一に從ふ。陰、中より(なな)めに出づるなり」と陰陽の象によって字形を解するが、卜文・金文の字形は十の縦画を短くした形。膝などの骨節の部分の形象と思われる。七は聖数とされ、〔文選〕に収める七の類、〔七発〕〔七啓〕などは、一種の呪誦文学であろうと思われる。
[訓義]
1. ななつ、なな、ななたび。
2. 文体の名。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕七 ナナトコロ
[部首]
〔説文〕〔玉〕ともに部属の字をあげないが、切は切骨の象。七刀の会意とみるべき字である。
[声系]
〔説文〕に七声として・切の二字を収める。は呵の声で擬声語。切は会意の字。
[語系]
七tsiet、切tsyetは声近く、名詞・動詞の関係であろう。・tsietも切と声が近い。木に傷つけて(うるし)の水滴をとることをいう。その節くれだったところを(節)tzyetという。(膝)sietはこれを人体に施していう。みな一系の語である。・漆・を、字の改を避けるために、数字の七に代用することがある。
[熟語]
七哀▶・七悪▶・七緯▶・七音▶・七学▶・七患▶・七諫▶・七起▶・七逆▶・七宮▶・七九▶・七去▶・七竅▶・七曲▶・七虞▶・七計▶・七啓▶・七激▶・七献▶・七賢▶・七絃▶・七言▶・七祀▶・七子▶・七七▶・七宿▶・七書▶・七縦▶・七商▶・七襄▶・七情▶・七政▶・七夕▶・七尺▶・七絶▶・七大▶・七秩▶・七徳▶・七発▶・七微▶・七兵▶・七弁▶・七歩▶・七命▶・七雄▶・七踊▶・七略▶・七▶・七牢▶・七録▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報