(読み)ニュウ

デジタル大辞泉 「入」の意味・読み・例文・類語

にゅう【入】[漢字項目]

[音]ニュウ(ニフ)(呉) ジュ(慣) ジュウ(ジフ)(漢) [訓]いる いれる はいる しお
学習漢字]1年
ニュウ
ある区域や範囲の中にはいる。「入学入国入浴加入介入混入参入出入侵入潜入転入突入没入乱入
いれる。「入金入手入籍入念記入吸入購入収入挿入注入投入納入搬入編入輸入
必要とする。「入費入用
漢字の四声の一。入声にっしょう。「平上去入ひょうじょうきょにゅう
〈ジュ〉はいる。「入水入内じゅだい入木じゅぼく入洛じゅらく
[補説]「入魂じっこん」のジッは入声音ジフの音変化、「入唐にっとう」「入宋にっそう」のニッは入声音ニフの音変化。
[名のり]いり・なり
難読一入ひとしお

しお〔しほ〕【入】

[接尾]助数詞染色のときに染料に布を浸す度数を数えるのに用いる。また、古く、酒を醸造するとき、酒をむ回数を数えるのにも用いる。
「紅の八―の衣」〈・二六二三〉
「八―折の酒を醸み」〈・上〉
まゆは漆にて百―ももしほ塗ったる如にして」〈太平記・二三〉

じゅ【入】[漢字項目]

にゅう

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精選版 日本国語大辞典 「入」の意味・読み・例文・類語

いり【入】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いる(入)」の連用形の名詞化 )
  2. 中にはいること。外から、ある建物や場所、社会の内に移動すること。
    1. [初出の実例]「内侍所都入」(出典:平家物語(13C前)一一)
  3. 日や月が沈むこと。
    1. [初出の実例]「日の入の雲吹きはらへむら樗(あふち)〈露川〉」(出典:俳諧・流川集(1693))
  4. ある期間の最初の日。ある時期の始まり。「梅雨の入り」「土用の入り」
    1. [初出の実例]「夏の入にて候はては、なにともしかたく候はんすれとも」(出典:建内記‐嘉吉元年(1441)四月紙背)
  5. 受け取って自分のものとする金銭。収入。「月々の入り」
  6. 代金や借金の一部として払う金銭。うちいり。
    1. [初出の実例]「『是(これ)其処(そこ)へ入(イリ)にして置きや』と金子五十両渡さるれば」(出典:咄本・軽口五色紙(1774)上)
  7. ( 「要」をあてることもある ) あることをするのに必要な金銭。費用。「収入も多いが、いりも多い」
    1. [初出の実例]「米ば運ぶに大した費用(イリ)だ」(出典:不在地主(1929)〈小林多喜二〉一)
  8. 人や物のはいる分量。また、はいり具合。容量や入場者数。
    1. [初出の実例]「耳のあか取梶はらではやるらし やすさに入のある芝居銭〈重安〉」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675)下)
    2. 「小屋は相当の広さであるのに四分通りしか入りがないので」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉二)
  9. ( 名詞の下に付いて )
    1. (イ) その物がはいっている、含まれていることを示す。
      1. [初出の実例]「先日新調(でき)た宝石篏入釦鉏(たまイリぼたん)の属(つ)いた吾妻コート」(出典:くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉三)
    2. (ロ) その分量が入ることを示す。
      1. [初出の実例]「三斗三升いりのおけに、みつをいれいただいて、二十三やの月をこそはおまちある」(出典:説経節・説経苅萱(1631)中)
  10. 引っ込んだ奥の所。
    1. [初出の実例]「なにがしのいりとかやいふ所に、あやしの賤が庵をかりてとどまりぬ」(出典:東関紀行(1242頃)湯本より鎌倉)
  11. 謡曲義太夫節で、高い音階へ突くように声を張り上げる節。

にゅうニフ【入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あるものの中へ、はいること。「出入」
  3. いれること。
    1. [初出の実例]「費散者は出を量りて入を制するに非ず」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉五)
  4. 仏語。真理をさとること。〔大乗義章‐一〕
  5. にっしょう(入声)

しおしほ【入】

  1. 〘 接尾語 〙 色を染めたりする時に、染料などに浸す度数を数えるのに用いる。古く、酒の醸造のとき、醸(か)程度などにもいう。
    1. [初出の実例]「汝等は、八塩(しほ)折の酒を醸(か)み、亦(また)垣を作り廻(もとほ)し」(出典:古事記(712)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「入」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

[字音] ニュウ(ニフ)・ジュ
[字訓] いる・いれる・はいる・とおる・おくる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
室の入口の形。これに屋形を加えたものは(内)。〔説文〕五下に「(い)るるなり。上より(とも)に下るに象るなり」とするが、卜文・金文は木を形に組んだ形で、出入口を示す。国語では入内(じゆだい)・入御(じゆぎよ)の音がある。

[訓義]
1. いる、いれる、はいる、おさめる。
2. とおる、ゆく、おちる。
3. おくる、かえる、やる、あてる。

[古辞書の訓]
名義抄〕入 イル・ハム・シム/一入 ヒトシホ 〔立〕入 ヲサム・クル・カナフ・マジル・ウルナリ・マイル・サトシ

[部首]
〔説文〕に・糴・(全)など五字を属する。は金とともに器の形を示すもので、はおそらく佩玉の備わる形、金は銅の鋳塊をその形に鋳こんだものであろう。

[声系]
〔説文〕五下に入声として(しよう)を収める。(しよう)と同字で、敏捷の捷の初文。は髪飾りをつけて祭事に奔走する婦人の姿で、妻の下部が走る姿となっている。祭事にいそしむことを敏捷といい、(毎)・(敏)・(繁)・妻・毒・・捷など、みなその姿をいう。

[語系]
入njipはnut、(納)npと声義近く、みな一系の語である。受zjiuもその系統の語。

[熟語]
入声・入院・入謁・入賀・入会・入閣・入官・入冠・入銜・入眼・入去・入覲・入見・入伍・入寇・入甲・入貢・入山・入子・入室・入手・入定・入城・入神・入水・入対・入宅・入質・入朝・入直・入頭・入道・入破・入梅・入班・入微・入木・入滅・入門・入用・入浴・入覧・入流・入斂
[下接語]
移入・一入・引入・延入・介入・吸入・悟入・購入・混入・歳入・算入・入・収入・出入・侵入・深入・進入・先入・潜入・租入・挿入・直入・闖入・転入・透入・導入・突入・難入・納入・搬入・編入・没入・輸入・乱入・濫入・湾入

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