精選版 日本国語大辞典 「達て」の意味・読み・例文・類語
たっ‐て【達て】
〘副〙 (「達」はあて字)
① 無理を押してもしゃにむに物事をするさまをいう。強いて。是非とも。無理に。
※石山本願寺日記‐証如上人日記・天文六年(1537)六月一一日「寺中六人之坊主、樽可レ出候之由申候へ共、無用之由度々申候。雖レ然達て申候条」
※曾良宛芭蕉書簡‐元祿七年(1694)閏五月二一日「なごやまで見舞に参、なるみへ引かへすべきよし達而申候をいろいろ挨拶致かへし候」
② 「たっての」の形で、下にくる行為が切実であることを強調する。強い。はげしい。切迫した。
※咄本・評判の俵(1788)「蜂にさされあいたあいたとたってのくるひ居れば」
※歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)四「達ての所望ならば、ハテ、売(うっ)たがよい」
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