自暴自棄(読み)ジボウジキ

デジタル大辞泉 「自暴自棄」の意味・読み・例文・類語

じぼう‐じき【自暴自棄】

[名・形動]《「孟子」離婁上の「自らそこなう者は、ともにかたること有るべからず。自ら棄つる者は、ともに為すこと有るべからず」から》不満や失望などが原因で、やけになって自分の身を粗末に扱うこと。また、そのさま。「事業に失敗して自暴自棄に陥る」
[類語]やけ破れかぶれふてくされるやけくそやけっぱち自棄捨て鉢八方破れ無謀無鉄砲めくら滅法闇雲盲目的後先見ず向こう見ず命知らず無闇やたらみだり無性にむやみやたらめったやたらめった無下に後先なし無軌道放埒ほうらつ放縦放逸奔放野放図勝手次第好き勝手ほしいまま切実切切痛切つくづくつらつらひしひししみじみこころからしんから心が動くこよなくぞっこんじいん度外れめっぽう途方もない途轍とてつもない桁違い過度すごくひどいはなはだこの上ないとても特別ことさらひたすら自虐的自罰的内罰的悲観的自嘲被虐自己嫌悪マゾヒスティックデスパレートペシミスチックペシミズムペシミスト否定的消極的後ろ向きマイナス思考ネガティブ厭世的厭世観厭世主義絶望的被虐性愛性的倒錯刹那的享楽的快楽主義刹那主義退廃的デカダンデカダンス虚無的堕落自堕落マゾヒズムマゾヒストエムマゾ

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精選版 日本国語大辞典 「自暴自棄」の意味・読み・例文・類語

じぼう‐じき【自暴自棄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「孟子‐離婁・上」の「自暴者不与有一レ言也、自棄者不与有一レ為也」によることば ) 物事が思いどおりにならないために、自分で自分の身を粗末に扱い、なげやりな行動をして将来希望を捨てること。やけくそになること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「下愚と云に二あり。自暴(ボウ)自棄也」(出典:応永本論語抄(1420)陽貨第一七)
    2. 「続古今集に出て紫式部が歌なり。吟じ味ふに自暴自棄の戒と成ぬべし」(出典:随筆・年山打聞(1710‐13頃)上)
    3. [その他の文献]〔近思録‐為学〕

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四字熟語を知る辞典 「自暴自棄」の解説

自暴自棄

物事が思いどおりにならないために、自分で自分の身を粗末に扱い、なげやりな行動をして将来の希望を捨てること。やけくそになること。

[活用] ―な・―に・―で。

[使用例] 自暴自棄を起こすお前でない事は信じているが、随分まいる事と思う[志賀直哉暗夜行路|1921~37]

[使用例] 却って自暴自棄な生き方なかから何か新しい道がひらけてくるかも知れないような迷いを感じるのだった[石川達三*風にそよぐ葦|1949~51]

[解説] 「自暴」は自分自身の身を損なうこと、「自棄」は自分自身に失望し、自分自身を大切にしないこと。

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