ワイン(読み)わいん

精選版 日本国語大辞典 「ワイン」の意味・読み・例文・類語

ワイン

〘名〙 (wine)
① 葡萄酒。
※西洋衣食住(1867)「赤葡萄(ワイン)酒又は『シェリー』酒其外『ポルトワイン』等を用ゆるなれども」
② 一般に洋酒をいう。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「無暗にワイン〔酒〕ばかし強つけて居たが」

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デジタル大辞泉 「ワイン」の意味・読み・例文・類語

ワイン(wine)

葡萄酒ぶどうしゅ」に同じ。
酒。酒類。「ピーチワイン
[類語]葡萄酒赤ワイン赤葡萄酒白ワイン白葡萄酒ロゼシャンパンシェリーカバ酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒地酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒日本酒清酒濁酒どぶろく濁り酒生酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビールウイスキーブランデーウオツカラムテキーラジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅみりん白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワイン」の意味・わかりやすい解説

ワイン
わいん

ワインwineは英語で、フランス語ではバンvin、ドイツ語でワインWein、イタリア語、スペイン語でビノvino、ポルトガル語でビニョvinhoといい、いずれもラテン語のvinum(ブドウを発酵したもの)からきている。したがって狭義のワインは、ブドウ果汁を発酵させてできた酒のことで、日本流にいえば生(き)ぶどう酒(本格ワイン)がこれに当てはまる。しかし一般にはワインというと、生ぶどう酒に砂糖やブランデーなどを加えたり、草根木皮を抽出してつくったりする酒精強化ワイン(ポートワイン、シェリー、ベルモットなど)も含まれる。またブドウ以外の果実を発酵させてつくる酒もワインとよばれるが、この場合にはワインの上に果実の名前をつけ、たとえばリンゴやモモからつくられたワインは、リンゴワイン、モモワインのようにしてよぶ。

 なお、日本の酒税法上の分類に従えば、これらはすべて果実酒類に入る。果実酒類は「果実酒」と「甘味果実酒」とに分けられ、果実酒のなかにいわゆる本格ワインが入る。ただ完熟したブドウでも糖分の少ないものが多く、そのまま発酵させたのではアルコールの少ないワインになってしまうので、果汁に糖分を添加して発酵させたものも果実酒としている。果汁に添加することのできる糖分は砂糖、ブドウ糖および果糖である。発酵してできたワインのアルコール分が15%未満のものは果実酒、15%以上のものは甘味果実酒となる。前記の決められた糖以外の糖を使用したり色素を使用したものは、果実酒ではなく甘味果実酒に分類される。また、できあがった果実酒にブランデー、糖類、香味料などを添加しても果実酒類をつくることができる。その場合、添加アルコールが全体のアルコールの10%を超えたり、アルコール分が15%を超えたものは甘味果実酒になる。なお、添加アルコールが90%を超えるものはリキュールまたはスピリッツとなり、果実酒類には該当しなくなる。

[原 昌道]

歴史

ワインのような果実酒は、果実が自然発酵することにより容易にできるから、穀物の酒よりもその歴史は古い。ブドウの栽培の歴史は紀元前5000年にさかのぼるといわれ、シリア、コーカサス(カフカス)地方の中央アジア民族が栽培を始めた。当時は雌雄異株の野生型ブドウVitis silvestrisであったが、長い栽培の歴史の過程で雌雄同株である両性花の栽培ブドウが出現した。最初の両性花ブドウはトランスコーカサス(ザカフカス)の農園で栽培されたといわれる。

 ワインがいつごろからつくられたかは不明であるが、前4000年ごろ、ティグリス川中流に生活していたシュメール人がワインをつくり、飲んだことが、この地方の都市国家ウルクのウル王墓や遺跡から発見されており、これが『旧約聖書』の「創世記」にあるノアの箱舟の物語(ノアは洪水のあとブドウを栽培し、ワインを飲んで酔って寝たという話)の原型とされている。その後この地方はセム人の支配するところとなり、そのなかからバビロン国家が生まれた。ハムラビ王が制定した『ハムラビ法典』のなかにはワイン税が記されている。一方、古代エジプトでも古くからブドウが栽培され、ワインがつくられていた。エジプト第1王朝(前3000年ごろ)の墳墓からブドウ種子が発見されており、第18王朝(前1550年ごろ)のナクト墳墓の壁画には、ブドウを摘み取ったり、果汁を絞る風景など、ワイン醸造のようすが描かれている。ワイン醸造の技術はその後フェニキア人を経てギリシア人に伝わり、ギリシアはもとより、彼らの植民地が延びていくイタリア、スペイン、南フランス、北アフリカに広まっていった。ローマ人はさらに積極的にワイン醸造を奨励した。この時代には樽(たる)貯蔵の技術も普及し、ワインを長く貯蔵したら品質がよくなることも知られていた。

 中世に入ると、キリスト教の布教とともに、赤ワインがキリストの血として儀式に欠かせないため僧侶(そうりょ)たちがワイン醸造の技術を研究し、率先してワインをつくった。またこのワインは教会の維持費にあてられたといわれる。17世紀末にはガラスやコルクが現在のようにできあがり、ワインの品質もいっそうよくなった。このようにワイン醸造は順調に発展していたが、18世紀の中ごろ突然アメリカから入ってきたフィロキセラ虫が大発生し、ヨーロッパのブドウはほとんど収穫できなくなった。のちにフィロキセラ抵抗性台木が育成され、問題は解決された。その後ワインは二つの世界大戦を経て現在では多くの国でつくられ消費されている。

[原 昌道]

日本への渡来

日本に初めてワインが入ってきたのは16世紀の中ごろで、安土(あづち)桃山時代の南蛮貿易により、フランシスコ・ザビエルが山口の領主大内義隆(よしたか)に珍陀酒(チンタざけ)vinho-tinto(赤ブドウ酒)を献上した記録がある。織田信長や豊臣(とよとみ)秀吉もチンタ酒を珍重した。

 日本でワイン醸造が行われたのは明治になってからで、1870~1871年(明治3~4)に山田宥教(やまだゆうきょう)が甲府の詫間憲久(たくまけんきゅう)と共同でぶどう酒を醸造した。以後各地でワインはつくられたが、原料の制約があり、第二次世界大戦前までは大きな発展はなかった。一方、1872年、東京の宮内福三が甘味ぶどう酒の製造を始め、これが日本人の舌にあい、製法も改良されて生産量は飛躍的に増大した。かつては多くの日本人はワインといえば日本的ポートワイン(現在はスイートワインとよぶ)を連想した。第二次世界大戦後、食生活やライフスタイルの変化に伴い、ワインの消費は、数度のワインブームを経ながら伸長し、生活のなかに定着してきた。国産ワインの生産量は、1990年代初めまでは年間2~5万キロリットル台で推移してきたが、赤ワインの健康に対する効果が広く浸透した結果、新たなワイン消費の拡大が生じた。このため1994年(平成6)からの4年間で生産数量は2倍以上に急増し、1998年には年間11万6000キロリットルに達した。その後、年間7万キロリットル前後まで減少し、ふたたび増加して2013年(平成25)には9万8000キロリットルとなった。また、この間の輸入外国産ワインの種類の増加と数量の伸びは目覚ましいものがある。2013年の果実酒類の販売数量は34万1000キロリットルで、成人1人当りの年間消費量は3.3リットルである(国税庁『酒のしおり』平成27年)。

[原 昌道]

ブドウの品種とワイン

現在栽培されているおもなブドウは、アメリカ大陸系のラブルスカ種Vitis labrusca L.とヨーロッパ系のビニフェラ種V. vinifera L.およびそれらの交配種である。ラブルスカ種は北アメリカの湿地帯が原産で、多湿地帯によく繁殖し、病害にも強いが、特有の香り(たとえばフォクシー・フレーバーと称される独特の香り)があり、味も薄い。しかし日本のような多湿地帯で酸性の土壌でも栽培が容易で、グレープジュースの原料、また生食用ブドウとしても使われている。ビニフェラ種は中近東の乾燥地が原産地で、乾燥した石灰土の多いやせた土壌を好み、病虫害に弱く、果粒も小粒なものが多い。ワイン専用品種は食べてもあまりおいしくないが、香味豊かなワインになる。ヨーロッパでは気候、風土にあったいろいろなビニフェラ種が栽培され、ワインの性格を決めている。たとえばフランスのボルドーではカベルネ・ソービニヨン(赤)、メルロー(赤)、セミヨン(白)、ブルゴーニュではシャルドネ(白)、ピノ・ノアール(赤)、ガメイ(赤)、ドイツのライン、モーゼルではリースリング(白)、シルバーネル(白)、ハンガリーではフルミント(白)などが有名品種である。日本でおもに使用されているのは、赤ではマスカット・ベリーA、白は甲州種である。そのほか赤のカベルネ・ソービニヨン、メルロー、白のセミヨン、リースリング、シャルドネなどのヨーロッパ品種も栽培されるようになり、ワインも一段と品質がよくなった。なお白の甲州種は日本独特の品種で、しかも東洋系ビニフェラ種である。その起源は1186年(文治2)ごろ、甲斐(かい)国(山梨県)の雨宮勘解由(あめのみやかげゆ)という人が、野生のブドウのなかに違った品種をみつけ、これの移植栽培に成功したのが始まりといわれている。

[原 昌道]

ワインの分類

ワインにはいろいろの分類の仕方があるが、一般的な分け方で説明する。

(1)色調による分類 通常、白blanc、赤rouge、ロゼroséワインの3通りに大別される。白ワインの色は淡黄、緑黄、黄色、黄金色と幅があり、赤ワインは橙赤(とうせき)、赤、紅、紫赤色と異なり、ロゼワインは通常桃色であるが、これも薄桃色から橙(だいだい)色に近いものまである。なお一般に赤ワインで紫色があるとワインは若く、橙色になるほど古い。

(2)甘口・辛口による分類 赤ワインは残糖はほとんどなく、渋味が必要である。一方白ワインは、甘さの度合いで極辛口、辛口、やや辛口、やや甘口、甘口、極甘口に分けられる。極辛口は甘味を感じない白ワインで、強い酸味と重味がたいせつにされる。極甘口は貴腐ワインなどの濃厚な甘味のワインである。そのほかはその中間的な甘さである。なお一般に甘味は糖分含量と酸の強さで決まり、糖分が多いほど、また酸が少ないほど甘く感じる。

(3)発泡性・非発泡性による分類 非発泡性は炭酸ガスをほとんど含まないワインで、普通の食中酒(テーブルワイン)と貴腐ワインが入る。発泡性は炭酸ガスを含んだワインのことであるが、炭酸ガスの発生の仕方で三つのタイプに分けられる。一つは酵母のアルコール発酵によって生成した炭酸ガスを含むもので、フランスのシャンパンやムスー、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテなどがある。第二は乳酸菌のマロラクチック発酵によって生成した炭酸ガスを含むもので、ポルトガルのベルデ酒がある。第三は人為的に炭酸ガスを吹き込むものでカーボネーテッドワインとよばれる。

(4)酒精強化による分類 発酵中の果もろみ、または生ぶどう酒にブランデー、濃縮果汁などを添加してつくるワイン。草根木皮を酒精強化ワインで抽出したりしてつくる酒で、シェリー、ポートワイン、ベルモット、スイートワインなどがある。

(5)食事のコース別による分類 アペリチフ、テーブルワイン、デザートワインに分けられる。アペリチフは食前酒であり、オードブルとともに飲むもので、ベルモット、シェリー、ソーテルヌなどがこれに含まれる。テーブルワインは食中酒、食卓酒であり、食事中に飲むもので、生ぶどう酒(本格ワイン)がこれにあたる。色は白から赤の順になる。発泡酒もよい。デザートワインは食後酒で、デザートコースに飲む酒であり、ソーテルヌ、ポートワイン、マデイラ酒などの甘口の濃厚なワインをいう。

[原 昌道]

製造法

ここではワインのうちでもっとも一般的な本格ワイン(テーブルワイン)について述べる。

(1)赤ワイン 赤ブドウまたは黒色系ブドウをつぶし、果肉、果皮および種をいっしょにし、ワイン酵母(サッカロマイセス・セレビシェ)を加えて発酵させる。この際雑菌の繁殖を抑え、果汁の褐変を防ぎ、色素の溶出をよくするために、亜硫酸(二酸化硫黄(いおう))が80~100ppmになるように添加される。なお通常は酵母を添加する前に、果汁に約25%の糖分になるまで補糖する。発酵温度は25~27℃で5~6日間発酵させたのち液を抜き、果皮部を圧搾機にかけて絞り、汁液をいっしょにしてふたたび糖分が完全になくなるまで発酵させる。次にワインが清澄したころ澱(おり)引きし、清澄部に亜硫酸を約50ppm加えて樽(たる)に詰め、1~2年間貯蔵してワインの熟成を図る。樽貯蔵後のワインは濾過(ろか)、瓶詰めされ、一定期間瓶熟成されたのち出荷される。

(2)白ワイン 白ブドウまたは赤白系ブドウを用い、前述の破砕果粒に亜硫酸を加え、搾汁(さくじゅう)機にかけて果汁だけをとり(通常ブドウ1キログラム当り700~750ミリリットルの果汁が得られる)、これに補糖して酒母を加え、20~25℃で7~10日間発酵させる。甘口のワインをつくる場合は、残糖3~4%になったところで5℃に冷却し、亜硫酸70~100ppmを添加し、発酵を止める。辛口の場合は残糖がほとんどなくなるまで発酵させる。主発酵の終わったワインは澱引きし、半年から1年の樽貯蔵後に瓶詰めをする。

(3)ロゼワイン 赤ワインと同様な仕込みを行い、1~2日間発酵させ、果皮の色素を一部液中に溶出させたのち、圧搾分離した果汁のみを白ワイン同様に発酵させてつくる。そのほか白ワインと赤ワインを混和する方法によってもつくられる。なお日本の食品衛生法によれば、亜硫酸(二酸化硫黄)はワイン1キログラム中0.35グラムまで許容されている。

[原 昌道]

世界のワイン

ワインは60か国以上の国でつくられているが、そのうちフランス、イタリア、スペインが多く、全世界の生産量(2014年で約2700万キロリットル)の48%を占める(国際ブドウ・ワイン機構データ)。

[原 昌道]

フランス

世界的に有名な銘醸地が多く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、コート・デュ・ローヌ、ロアール、アルザス、ラングドック・ルシヨン、プロバンスなどがあり、それぞれ特徴のある品質の酒を生産している。たとえば、ボルドーの赤ワインはクラーレットまたは「ワインの女王」とよばれ、ブルゴーニュのワインは英名バーガンディーまたは「ワインの王様」との異名をもって親しまれている。そのほかボルドー地方、ソーテルヌ地域の甘口貴腐ワインはソーテルヌとして、またシャンパーニュ地方の発泡性ワインはシャンパンとして世界中に知られている。

 ロアール川流域一帯でつくられるロアールワインは、口あたりが柔らかく、軽いのが特徴である。ロアール地方は、下流からミュスカデ、アンジュー、トゥレーヌならびに上流地域に大別され、アンジューのロゼ、トゥレーヌ地域のブーブレ、モンルイの白、シノンの赤が有名である。上流地域には、プイイ・フュメとよばれるソービニヨン・ブラン種からつくられる有名な白ワインがある。これはルイ16世の妃(きさき)のマリ・アントアネットやナポレオンが愛飲したことで知られている。なお下流では、ミュスカデ種からつくられる辛口白ワインのミュスカデが、よく飲まれている。

 コート・デュ・ローヌ(ローヌ地方)では、リヨンの町から川を南下した所にコート・ロティという村がある。これは「焙(あぶ)られた丘」という意味で、強烈な太陽に照りつけられて育ったシラー種からつくられるこの村のワインはこくがある。ここをさらに南下した所にシャトー・グリレがある。これはビオニィエ種からつくられ、フランスの最良白ワインの一つに数えられている。さらに南下した所にあるエルミタージュの赤、白ワインも知られている。ローヌの南半分、南フランスの古都アビニョンの近くにタベル村がある。ここは「ロゼの王様」といわれるロゼワインを産する。なお、これよりすこし北にシャトーヌフ・デュ・パプ村がある。この地方はローマ法王の別荘のあった所で、「法王の新しい館」という村名がついた。ここのワインの特徴は赤、白ともブドウを混ぜて仕込む点で、色、味が濃く、アルコール分は高い。

 そのほかフランスの北東部、ドイツと境を接している地方にアルザスワインがある。ドイツワインに似たタイプがつくられている。また、フランス南部の地中海沿いのラングドック・ルシヨンとプロバンスでは、ワインづくりの古い歴史をもち、安価な日常酒を中心に大量に生産されている。ラングドック・ルシヨンはフランス第一の生産量を誇り、品質の向上がめざましい。プロバンスでは、ロゼの割合が高い。なお、ボージョレー地区に産する新酒はボージョレー・ヌーボーとして知られている。これは毎年ブドウの収穫年の11月の第3木曜日から売りに出され、ブドウ香の漂う新鮮なワインとして日本でも人気がある。

[原 昌道]

イタリア

生産量は毎年フランスと世界一を争っており、ワイン産地はほとんどイタリア全土に広がっている。またブドウの品種も多い。イタリア北西部ピエモンテ地方では、イタリアワインの王といわれるバローロの赤を生産する。これはネビオーロ種からつくられた色の濃い酒である。またこの地方には、イタリアの代表的な発泡性ワインであるアスティ・スプマンテがある。これはマスカット種を用いて、シャンパン式またはタンク式でつくられている。そのほかトリノ市はベルモットで有名である。アドリア海に面しているベネト地方では軽い赤ワインとしてバルポリチェッラやバルドリーノを産出する。また白の代表格ソアーベはガルガネガ種からつくられる。そのほか甘口のレチオトを産する。中央イタリアのトスカナ地方はキャンティで有名であるが、サンジョベーゼ・グロッソ種からつくられるブルネロ・ディ・モンタルチーノもバローロと並び称される赤ワインとして有名である。首都ローマのあるラツィオ地方は白ワインが主で、カステリ・ロマニと総称されている。このなかにはフラスカティなどの良品がある。また独特な名前で知られるエスト・エスト・エストもこの地方の産である。カンパニア地方のラクリマ・クリスチ(キリストの涙)も伝説のある酒である。またシシリー島のマルサーラ酒も有名である。

[原 昌道]

ドイツ

生産量はフランス、イタリアの1割強と少ないが、優良酒が多い。ワインの産地はライン川およびその支流のモーゼル川流域にまたがるなだらかな谷が有名で、大半は白ワインである。ラインワインは茶色の細長い瓶に詰められており、酒質は甘口のどっしりしたタイプ、モーゼルワインは緑色の瓶に詰められ、酒質は繊細で軽やかである。なお前者は豪奢(ごうしゃ)、後者は優雅さの形容で知られている。

[原 昌道]

スペイン

世界第3位のワイン生産国で、そのなかでも生産量の約10%を占めるシェリーは世界的に有名である。そのほか北部のリオハ地域のテンプラニーリョ種からつくられるリオハの赤ワインは、適度の酸味とよい甘味をもち、熟成に適したワインである。そのほかシェリータイプの辛口のマンザニーリャ(小さいリンゴ)、モンティリャ、またポートワインに似たつくりの甘口のマラガ酒が有名である。また、瓶内二次発酵法によってつくられるカバは生産量も多く、飲みやすい発泡酒として有名である。

[原 昌道]

ポルトガル

酒精強化ワインのポートワインやマデイラ酒の生産国として知られているが、そのほかのワインの生産量も多い。とくに第二次世界大戦後に考案された少量の炭酸ガスを含むやや甘口のロゼワインが世界的に有名である。

[原 昌道]

アメリカ合衆国

1995年には世界第4位のワイン生産国になった。カリフォルニア州にナパ・バレー、ソノマ・バレーなどの有名な産地が集中している。そのほかにも太平洋岸のオレゴン州およびワシントン州や東部諸州にも多くのワイン産地がある。栽培条件に恵まれた太平洋岸では、フランスやドイツの代表的なブドウ品種がおもに栽培されている。東部ではラブルスカ種とその交配種が多い。カリフォルニアを中心に、ブドウ栽培、ワイン醸造の研究や新技術の開発も盛んである。ワインのタイプとしてはブドウ品種名がつけられた高級ワイン(バラエタルワイン)や安価なジェネリックワインがある。ビニフェラ種のアメリカ固有品種として赤およびブラッシュタイプ(黒ブドウを原料として白ワインの製造法でつくるワイン。色はかすかにピンクがかる)用のジンファンデルが有名である。

[原 昌道]

南アメリカ

アルゼンチンは、アメリカ合衆国に次ぐワインの大生産国であり、国民1人当りのワイン消費量も多い。主要産地はアンデス山麓(さんろく)のメンドサ州である。赤用のマルベック、白用のユニ・ブランなどの品種が栽培されている。ワインの多くは大量生産方式によってつくられている。

 チリは、輸出に力を入れている有力なワイン生産国である。フィロキセラ虫の被害を受けておらず、ブドウ栽培条件にも恵まれている。フランス系のブドウ品種がおもに栽培されており、カベルネ・ソービニヨン種の栽培面積は世界屈指である。ワイン産業へのヨーロッパからの投資も多い。

[原 昌道]

その他の国

南アフリカは、ドイツを上回る量のワインを生産している。地中海性気候のケープ州を中心にヨーロッパ系のブドウ品種が栽培されている。コンスタンシアが伝統的産地として有名であったが、パール、ウスターなどのより冷涼な内陸部がおもな産地となっている。

 オーストラリアは、ワインの歴史は新しいが、サウス・オーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリアの諸州を中心に、フランスおよびドイツ系のブドウ品種が栽培されている。アメリカ合衆国と同様に近代的な醸造技術を取り入れてワインがつくられている。

 その他、ブラジル、ギリシア、そしてルーマニア、旧ユーゴスラビアのスロベニア・クロアチアなど、ハンガリー(トカイワインなど)、ブルガリアなどの東欧諸国、オーストリア、旧ソ連を構成していたジョージア(グルジア)などもワインの生産量が多い。アジアの諸国では、ブドウは生で食される割合が高く、ワインの生産量はわずかである。

[原 昌道]

保存

高級ワインを長期間保存するには、地下の酒倉など、温度が12℃、湿度が75%ぐらいの、暗く、振動の少ない場所がよい。しかし一般の家庭ではそのような場所はないので、北側のなるべく涼しい場所を選んで、そこにワイン棚を設け、かならず瓶を横にして貯蔵する。これは、つねにコルクにワインが接するようにして、コルクの乾燥を防ぐためである。コルクが乾燥して収縮すると、そのすきまから空気が入り、酸化が急進し、褐変化がおこったり、産膜酵母が生育したりして品質が劣化する。またコルクがぼろぼろになり、抜栓しにくくなる。

[原 昌道]

成分

ワインは100グラム中に平均すると88グラムの水と9.6グラムのエチルアルコールが含まれる。エチルアルコールを容量%に換算すると約12%になる。そのほか窒素化合物が0.2%、糖質が平均1.5~2.0%含まれる。糖質の主成分は炭水化物であって、ブドウ糖および果糖がもっとも多く、アラビノース、キシロースなどの5単糖がわずかに存在する。糖分はワインの種類、タイプによってかなりの幅がある。白ワインの辛口で0.05~0.2%、甘口で9%もあるものもある。赤ワインは残糖のあるものは少なく、0.02~0.2%の含量である。窒素化合物は全体の10~40%がアミノ態窒素であり、60~90%がペプチド、タンパク質は0~7%である。アミノ酸ではプロリンが多い。ワインは有機酸が多い(酒石酸として0.7~1.5%)。そのうち酒石酸は他の醸造酒にはない主要な有機酸である。ただこの酸は発酵でアルコールが生成してくると、一部酒石(酸性酒石酸カリウム)となって沈殿除去される。発酵貯蔵中にもっとも変動するのはリンゴ酸で、果汁中のリンゴ酸は酵母によってわずかに消費され減少する。さらに貯蔵中、乳酸菌によるマロラクチック発酵が生起した場合、大部分が乳酸に変わる。乳酸はまた酵母によってもつくられる。コハク酸も多く含まれる成分で、酵母の発酵により、おもにリンゴ酸から生成する。そのほか、酢酸、α‐ケトグルタル酸も他の醸造酒に比較して多い。また特徴的なのはグリセロールと2・3‐ブチレングリコールが著しく多いことである。とくにグリセロールはワインの不揮発成分の4分の1を占めることもある。これは、ワインの製造工程で亜硫酸を使用することにもよるが、そのほか貴腐果汁を用いた場合、ボトリシス・シネレアというカビがブドウ果皮上に生育した際に、グリセリンを生産することが原因している。

[原 昌道]

飲み方

ワインは色と香りを鑑賞し味わって飲む酒である。したがって、ワイングラスは無色で、チューリップ型が望ましい。ワインの色は赤、白、桃色などいろいろあるが、ワインの入ったグラスを光のほうにかざしてみて、いずれも濁った色やつやのない色はよくない。香りは、グラスを鼻に近づけ、グラスを軽く回して香りを引き立てるようにしてかぐ。ワインの香りは、原料ブドウの香り(アロマarôme)がほのかに残っていて、かつ発酵し、熟成してできた香り(ブーケbouquet)とうまく調和していることが必要である。異臭のついたものはよくない。味は甘口、辛口の違い、またこれに渋味、酸味がうまく調和して、まろやかであるかどうか、また粘りや濃さ、うま味などを味わう。なおワインを飲む際の温度は、白やロゼは冷温(5~10℃)、赤ワインはやや低目の室温(15~18℃)がよい。一般に甘口のワインは冷やしたほうがよい。

 また、ワインを味わうには料理との相性もたいせつである。レストランなどでワイン等の酒類を客の好み、料理に合わせて選び、供する人をソムリエという。

[原 昌道]

ラベル

ワインのラベルはワインの顔というべきで、銘柄やワインの素性を表すのみならず、ワインの品質まで保証している。ラベルには通常ブドウの収穫年度、ブドウ園名、格付け等級、原産地統制呼称、ブドウ園所在地、ブドウ園元詰めの表示、ブドウ品種名、酒商(ネゴシアン)などが書かれている。ワインの主要生産地である西欧では、EU(ヨーロッパ連合)規則によって、ワインの品質格付けと表示方法の基本が定められており、加盟国は、その枠組みのなかで、各国の伝統に基づいた品質格付けと表示の規則を定めている。

 フランスには、原産地統制呼称(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレAppellation d' Origine Contrôlée、略してAOC)とよばれる政府保証の表示がある。ラベルにはAppellation Contrôléeの前または中間に、地方名、地域名などが書かれており、範囲が狭くなるほど規制が厳しく、格付けの高いワインということになる。ただし地方によって、この範囲がまちまちで、ボルドーの一部は村名のついたAOCもある。さらにブルゴーニュでは畑名のAOCもある。なお、AOCワインよりも下位の格付けとして上質指定ワイン(バン・デリミテ・ド・カリテ・シュペリュールVins Délimités de Qualité Supérieure、略してVDQS)があり、さらにその下にバン・ド・ペイとよばれる上級並酒がある。なお、ボルドーなどでは、シャトー(ブドウ園)でとれたブドウを使い、シャトーで生産し、瓶詰めをしたワインに対しては、シャトー元詰め(ミザン・ブーテイュ・オー・シャトーMis en bouteille au château)と表示される。

 ドイツでは、並酒はターフェルバインTafelwein、上級酒はクオリテーツバインQualitätswein、最上級酒は称号付き高級ワイン、クオリテーツバイン・ミット・プレディカートQualitätswein mit Prädikat(QmP)とよばれている。称号として使われる用語は、摘み取り時期や方法、糖度によって区分され、カビネットKabinett(果汁の糖度が比較的高いワイン)、シュペートレーゼSpätlese(ブドウの遅摘み)、アウスレーゼAuslese(よく熟れたブドウの房ごと選(え)り分け摘み)、アイスバインEiswein(ブドウの摘み取りを遅らせて、冬まで放置し、凍りついたブドウを絞ってつくるワイン)、ベーレンアウスレーゼBeerenauslese(貴腐果または過熟果の1粒選り分け摘み)、トロッケンベーレンアウスレーゼTrockenbeerenauslese(萎縮(いしゅく)した貴腐果の1粒選り分け摘み)、などがある。なお、QmPのクラスは果汁に補糖することは許されない。また、ブドウ園所有者が自分の酒倉の中で醸造し、瓶詰めをした天然ワインには、ブドウ園元詰め(エルツォイガーアップフュルングErzeugerabfüllung)ということばが使用されている。

 イタリアでは、保証付き原産地統制呼称ワイン、デノミナチオネ・ディ・オリジネ・コントロラタ・エ・ガランティタDenominazione di Origine controllata e Garantita(略してDOCG)が最高である。ついで原産地統制呼称ワイン(DOC)がある。

[原 昌道]

『アンドレ・L・シモン著、山本博訳『世界のワイン』(1973・柴田書店)』『大塚謙一著『ワイン博士の本』(1973・地球社)』『ジョゼフ・ジョベ他訳著、唯松太郎訳(日本編 風間敬一)『ワイン大全』(1974・中央書院)』『ヒュー・ジョンソン著、日高達太郎訳『ワイン全書』(1977・角川書店)』『岩野貞雄著『ワイン事典』(1979・柴田書店)』『浅田勝美著『明解ワイン辞典』(1982・柴田書店)』『『酒税関係法規集』(1997・国税庁)』『山本博・湯目英郎監修『ワインの事典』(1997・産調出版)』『ヒュー・ジョンソン著、辻静雄監修『ワールドアトラス・オブ・ワイン』(1991・ネスコ、文芸春秋)』『ヒュー・ジョンソン著、辻静雄料理教育研究所訳『ポケット・ワイン・ブック――最新版』第3版(1999・早川書房)』『ジャック&ベルナール・サレ著、白川兼悦監訳『ラルース酒事典』(1985・柴田書店)』『伊藤真人著『新ドイツワイン』(1986・柴田書店)』『ヒュー・ジョンソン著、小林章夫訳『ワイン物語――芳醇な味と香りの世界史』上下(1990・日本放送出版協会)』『J・F・ゴーティエ著、八木尚子訳『ワインの文化史』(白水社・文庫クセジュ)』『G・デュブッフ、H・エルヴァン著、土屋進訳『ボージョレ・ワイン物語』(1990・平凡社)』『宇田川悟著、山本博監修『図説フランスワイン紀行』(1999・河出書房新社)』『R・ディオン著、福田育弘訳『ワインと風土』(1997・人文書院)』『塩田正志著『全訂イタリアワイン』(1998・柴田書店)』『M・A・トーレス著、山岡直子・内藤尚子訳『ときめきスペイン・ワイン』(1992・TBSブリタリカ)』『J・サイモン著、柳忠之監修・訳、東真理子訳『ワインとフード』(2000・産調出版)』『田中清高・永尾敬子著『ラベルは語る――ワイン物語』(1999・時事通信社)』


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食の医学館 「ワイン」の解説

ワイン

《栄養と働き》


 フランス人はバターやクリームを使った肉料理をよく食べるうえ、タバコを吸う人が多いにもかかわらず、心疾患による死亡率が低いことで知られています。フレンチ・パラドックスと呼ばれるこの現象の要因と考えられているのが、毎日のように赤ワインを飲む彼らの食生活です。
〈赤ワインのポリフェノールが活性酸素の悪影響を阻止〉
○栄養成分としての働き
 赤ワインはブドウを丸ごと発酵させるため、種子や果皮に含まれるタンニン、アントシアニン、カテキン、フラボノイドなどが大量に溶けだしています。これらの成分を総称してポリフェノールといい、これには活性酸素を消去する働きがあります。赤ワインは緑茶の4倍、白ワインの8倍以上のポリフェノールを含有しています。
 一方、活性酸素によって酸化された悪玉コレステロールは、血管や心臓の病気を起こす要因です。そこで赤ワインを飲んでポリフェノールを多く摂取すれば、動脈硬化や脳血栓(のうけっせん)を予防でき、ひいては心疾患による死亡も減るというわけです。
 また、ポリフェノールは活性酸素による細胞の酸化も防止するため、がんや老化、糖尿病、脳梗塞(のうこうそく)などの予防にも役立ちます。
 さらに、最近では適量の赤ワインを毎日飲んでいる人は、アルツハイマー病の発症率が低いとの報告もあり、高齢の人にとっても注目すべき存在となっているのです。
 これに対して、白ワインの場合、ポリフェノール含有量は少ないですが、その殺菌作用が注目されます。実験によれば、大腸菌やサルモネラ菌、赤痢菌(せきりきん)に対して、赤ワインのおよそ2倍の殺菌作用を発揮します。このことから、刺身などの生ものといっしょに白ワインを飲むことで、食中毒を防ぐ効果が望めます。
 このほか、赤ワイン、白ワインともに、ナトリウムの排出をうながす働きをもつカリウムを多く含んでおり、高血圧の予防改善に有効。また、利尿効果を高め、新陳代謝を活発にするのにも役立ちます。

《調理のポイント》


 食中酒として楽しむのが一般的。その味、香り、色合いが料理の味を引き立ててくれます。よく肉に赤、魚には白といいますが、いちばん大事なのは自分の好みなので、あまり神経質になる必要はありません。しょうゆを使う日本料理の場合、魚料理でも軽い赤ワインが合いますし、濃厚な白ワインは肉料理にもよく合います。
 また、料理に使えば素材の臭みを消したり、ソースにコクやほどよい酸味を与えることができます。
 なお、いくら健康への効用が多いとはいえ、ワインもアルコール飲料にかわりはありません。
 飲みすぎれば、体に悪いのは当然ですから、適量をまもることを心がけてください。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイン」の意味・わかりやすい解説

ワイン
wine

ぶどうを原料とする醸造酒。広義では穀物,果実を原料としたものも含まれる。酒税法ではアルコール分 14%以下となっている。ローマ帝国の外征とともにぶどう栽培が広がり,各地に特有のワインが生れるようになった。原料のぶどうは十分熟していることが必要で,糖分 20~25%がよい。大部分はアジア原産のビニフェラ種である。よいワインは,いわゆるあたり年のぶどうを原料にしたもので,各品種に適した熟成期間がある。白ワインはぶどうの果汁のみを使い,赤ワインは黒や赤のぶどうを果皮,種子も含めて用いる。ロゼワインは,最初赤ワインと同じように仕込むが,発酵途中で果皮と種子を取除いてつくる。ワインは食事を引立たせるのに役立ち,用途別に次の3種がある。 (1) アペリチーフ (アペタイザー)  食前酒で,シェリー,ベルモット,マデイラなど。 (2) テーブルワイン 食事中に飲み,甘味が少く軽いものが使われ,白ワイン (ラインワイン) は淡白な魚料理,赤ワイン (クラレット) は肉料理に用いられる。 (3) デザートワイン 食後に飲み,甘口でアルコール分の強いもので,ポートやムスカテルなど。アルコール度は 10~15度。フランス,イタリア,スペイン,ドイツ,オーストリアが名産地で,日本の輸入もこれらの国で大半を占めている。日本でのおもな生産地は山梨であるが,近年は地場産業として北海道をはじめ,長野,岡山など各地に点在している。

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飲み物がわかる辞典 「ワイン」の解説

ワイン【wine】


ぶどうを発酵させてつくる醸造酒。赤ワイン、白ワイン、ピンク色のロゼワインがあり、ぶどうの品種や製造法が異なる。このほか、発酵中にブランデーなどのアルコールを添加し発酵をとめてつくる酒精強化ワインなどもある。◇フランス語で「バン(vin)」、イタリア語・スペイン語で「ビノ(vino)」、ポルトガル語で「ビーニョ(vinho)」といい、ラテン語でぶどうを発酵させたものという意の「ビヌム(vinum)」に由来。「ぶどう酒」ともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「ワイン」の意味・わかりやすい解説

ワイン
wine

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百科事典マイペディア 「ワイン」の意味・わかりやすい解説

ワイン

ブドウ酒

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栄養・生化学辞典 「ワイン」の解説

ワイン

 ブドウを原料に作る酒で,蒸留しない.赤,白,ロゼがある.

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世界大百科事典(旧版)内のワインの言及

【酒造業】より

…それにウィスキー類が5.6%を占め,生活の洋風化とともに酒類の生産構造が変化したことがわかる。ワインも1970年代からメーカーが力を入れ,ブームとなったが,生産量はまだ少なく4万klで全体の0.6%程度にすぎない。 このように清酒は生産量では100万klの大台を1964年度以降確保しているものの,1956年度に生産量で,59年度に消費量でビールに抜かれてから,酒類のなかでの比重は低下傾向にある。…

【ブドウ酒(葡萄酒)】より

…ブドウの果実を原料として,発酵させてつくるアルコール性飲料。英語のワインをはじめ,フランス語のバンvin,ドイツ語のワインWeinなどは,みなラテン語のウィヌムvinumを語源とする。かつては世界のブドウの産地は北半球に限られていたが,16世紀後半以後に南アメリカ,南アフリカ,オーストラリアなどでも栽培されるようになり,南半球でもブドウ酒が生産されるようになった。…

※「ワイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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