和(読み)ワ

デジタル大辞泉 「和」の意味・読み・例文・類語

わ【和】[漢字項目]

[音]ワ(呉) カ(クヮ)(漢) オ(ヲ)(唐) [訓]やわらぐ やわらげる なごむ なごやか あえる なぐ なぎ
[学習漢字]3年
〈ワ〉
1 争いごとがなく穏やかにまとまる。「和解・和合・和平/協和・講和・親和・不和・平和・宥和ゆうわ・融和」
2 やわらいださま。ゆったりとして角立たない。「和気・和光同塵わこうどうじん/温和・穏和・緩和・清和・柔和」
3 性質の違うものがいっしょにとけ合う。「混和・中和・調和・飽和」
4 声や調子を一つに合わせる。「和韻・和音・和声/唱和」
5 二つ以上の数を合わせたもの。「総和」
6 日本。日本語。「和歌・和裁・和室・和食・和風・和服/英和・漢和」
7 大和やまと国。「和州」
〈オ〉梵語の音訳字。「和尚おしょう」
[補説]「和尚」は宗派によって「かしょう」「わじょう」とも読む。
[名のり]あい・あつし・かず・かた・かつ・かのう・たか・ちか・とし・とも・のどか・ひとし・まさ・ます・むつぶ・やす・やすし・やまと・やわら・よし・より・わたる
[難読]和泉いずみ・和蘭オランダ・和栲にきたえ・和毛にこげ・和布刈めかり・大和やまと・和布わかめ

わ【和】

1 仲よくすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること。「人の和」「家族の和」
2 仲直りすること。争いをやめること。「和を結ぶ」「和を講じる」
3 調和のとれていること。
「大いに身体の―を傷やぶり」〈中村訳・西国立志編〉
4 ある数や式に他の数や式を加えて得られた結果の数や式。⇔差。
[類語]親善・善隣・修好・和親・親和・宥和・協和

にき【▽和/▽熟】

[語素]《中世以降「にぎ」とも》名詞の上に付いて、やわらかな、しなやかな、穏やかな、などの意を表す。「―たえ(和妙)」「―て(和幣)」

にこ【▽和/▽柔】

[語素]やわらかい、こまかいの意を表す。「―やか」「―毛」

お【和】[漢字項目]

⇒わ

か【和】[漢字項目]

⇒わ

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精選版 日本国語大辞典 「和」の意味・読み・例文・類語

わ【和】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① やわらぐこと。おだやかなこと。
    1. [初出の実例]「頌曲 〈略〉仁義礼智信に、義を和なりと注せり。義はつよき心かなるをやはらぐと也」(出典:六義(1428))
  3. ② 互いに仲よくすること。また、争っていたものが、仲直りすること。
    1. [初出の実例]「一曰。以レ和為レ貴」(出典:十七箇条憲法(604))
    2. [その他の文献]〔戦国策‐趙策・孝成王〕
  4. ③ うまくつりあうこと。調和がとれていること。
    1. [初出の実例]「大に身体の和を傷(やぶ)り〈略〉歿せり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉六)
  5. ④ 他人の詩に韻を合わせて作ること。〔運歩色葉(1548)〕
  6. ⑤ 相手の詩歌に応答する形で詩歌を作ること。
    1. [初出の実例]「今日百首歌進大将殿、〈先是進一首、有御和〉」(出典:明月記‐建久二年(1191)一二月二七日)
  7. ⑥ 数学で、二つ以上の数や式を加えて得られる数や式。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

やわらぎやはらぎ【和】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「やわらぐ(和)」の連用形の名詞化 )
  2. ① おだやかになること。平和になること。
    1. [初出の実例]「皇太子、親(みつか)ら肇(はし)めて憲(いつく)しき法十七条(とをちあまりななをち)を作(つく)りたまふ。一に曰く、和(ヤハラキ)を以て貴しと為(し)」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(図書寮本訓))
  3. ② くだいて平易にすること。わかりやすくすること。
    1. [初出の実例]「白拍子ながれの女は、我朝のやはらぎなるべし」(出典:俳諧・本朝文選(1706)四・説類・出女説〈木導〉)
  4. ③ 男女の恋愛、情事に関すること。
    1. [初出の実例]「鶏が鳴く吾妻(あがつま)はやと、千早振る神の教の和事(ヤハラギ)より、相聞(いろごと)の根に通ひ」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)

やわらげやはらげ【和】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「やわらげる(和)」の連用形の名詞化 ) むずかしいものを、平易にすること。やさしく説明すること。
    1. [初出の実例]「コノ ヘイケモノガタリト、エソポノ ファブラスノ ウチノ フンベツ シニクキ コトバノ yauarague(ヤワラゲ)」(出典:天草本平家・伊曾保言葉の和げ(1593))

なぐし【和】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 穏やかである。なごやかである。また、気軽な気持である。
    1. [初出の実例]「丹の国の風土記に曰はく〈略〉此処にして我が心奈具志久(ナグシク)成りぬ〈古事に、平善をば奈具志(ナグシ)と云ふ〉」(出典:古事記裏書(1273))

にこ【和・柔】

  1. 〘 造語要素 〙 柔らかい、穏やかである、などの意を表わす。「にこし」「にこむ」「にこよか」などの語を作り、また「にこ炭」「にこ毛」「にこ草」などのように、接頭語ふうにも用いられる。近代になると「にご」と濁音で用いられることもある。

にき【和・熟】

  1. 〘 造語要素 〙 ( 後世は「にぎ」とも ) くわしい、柔らかな、こまかい、穏やかななどの意をそえる。にこ。「にきしね」「にきたえ」「にきて」「にきみたま」など。

なごわしなごはし【和】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 なごやかである。おだやかである。やわらか。なごし。

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普及版 字通 「和」の読み・字形・画数・意味

和
常用漢字 8画

(異体字)
22画

[字音] ワ・カ(クヮ)
[字訓] やわらぐ・なごむ・かなう・こたえる・したがう

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
禾(か)+口。禾は軍門の象。口は(さい)、盟誓など、載書といわれる文書を収める器。軍門の前で盟約し、講和を行う意。和平を原義とする字である。〔説文〕二上に「相ひ應(こた)ふるなり」(段注本)と相和する意とするが、その義の字は(わ)、龠(やく)(吹管)に従って、音の和することをいう。〔周礼、夏官、大司馬〕「旌を以て左右和(くわ)(禾)の門と爲す」の〔注〕に「軍門を和と曰ふ。今、之れを壘門(るいもん)と謂ふ。兩旌を立てて以て之れを爲す」とあって、のち旌を立てたが、もとは禾形の大きな標木を立てた。のち華表といわれるものの原形をなすもので、華表はのち聖所の門に用いられる。金文の図象に、左右に両禾相背く形のものがある。〔戦国策、魏三〕「乃ち西和門を開きて、~を魏にず」、〔斉一〕「和(かうくわ)して舍す」のようにいう。のち桓(かん)の字を用い、〔漢書、酷吏、尹賞伝〕「寺門の桓東に(うづ)む」の〔注〕に引く「如淳説」に、その制を説いて、「亭傳(駅)は四角の面百に、土を四方にき、上に屋り。屋上にの出づるり。高さ餘。大板(版)り、を貫きて四出す。名づけて桓表(くわんへう)と曰ふ。縣の治する、兩邊を夾(はさ)みて各一桓あり。陳・宋の俗言に、桓の聲は和(くわ)の如し。今ほ之れを和表(くわへう)と謂ふ」とみえ、両禾軍門の遺制を伝えるものであろう。調和の意は、字の義であるが、いま和字をその義に用いる。

[訓義]
1. やわらぐ、講和する、友好の関係となる、むつまじい、やすらか、たのしむ、なごむ。
2. かなう、こたえる、あう、したがう。
3. 声が合う、音がととのう、味がととのう、ひとしい、おなじ、あわせる。
4. すず、和鈴。
5. ひつぎ、棺頭のところ。
6. 字はまた禾・桓に作る。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕和 ヤハラグ・アマナフ・アヘモノ・カタル・ネヤス・ニコシ・ヤハシヌ・ヤハラカナリ・ヤハラカニ・シタガフ・カクル・トトノフ・カゾフ・ワカス・マジフ

[語系]
和・huaiは同声。諧heiは声義近く、諧和とは言の調うことをいう。は吹管の象に従っており、よく楽調のあうことをいう。

[熟語]
和玉▶・和尚▶・和璞▶・和表▶・和璧▶・和宝▶・和門▶・和▶・和靄▶・和安▶・和易▶・和域▶・和一▶・和韻▶・和雨▶・和懌▶・和説▶・和悦▶・和婉▶・和鉛▶・和応▶・和雅▶・和解▶・和諧▶・和会▶・和▶・和姦▶・和勧▶・和緩▶・和簡▶・和顔▶・和気▶・和喜▶・和議▶・和宜▶・和協▶・和▶・和均▶・和鈞▶・和吟▶・和煦▶・和恵▶・和敬▶・和景▶・和厚▶・和好▶・和構▶・和羹▶・和光▶・和合▶・和雑▶・和事▶・和慈▶・和弱▶・和輯▶・和集▶・和春▶・和順▶・和馴▶・和潤▶・和舒▶・和章▶・和勝▶・和上▶・和親▶・和心▶・和神▶・和粋▶・和声▶・和成▶・和斉▶・和清▶・和静▶・和霽▶・和旋▶・和善▶・和爽▶・和息▶・和▶・和退▶・和沢▶・和弾▶・和暖▶・和冲▶・和衷▶・和糶▶・和暢▶・和調▶・和直▶・和通▶・和悌▶・和鼎▶・和糴▶・和展▶・和擣▶・和同▶・和徳▶・和難▶・和寧▶・和売▶・和買▶・和比▶・和媚▶・和布▶・和附▶・和傅▶・和風▶・和物▶・和平▶・和睦▶・和墨▶・和穆▶・和味▶・和鳴▶・和盟▶・和約▶・和薬▶・和愉▶・和裕▶・和融▶・和予▶・和容▶・和楽▶・和鸞▶・和鑾▶・和良▶・和隣▶・和礼▶・和朗▶
[下接語]
安和・委和・怡和・違和・応和・温和・穏和・諧和・攪和・閑和・寛和・漢和・歓和・緩和・含和・気和・貴和・休和・共和・協和・恵和・喧和・謙和・元和・洽和・康和・和・講和・合和・混和・渾和・参和・慈和・修和・衆和・酬和・緝和・粛和・春和・純和・淳和・順和・舒和・倡和・浹和・唱和・燮和・親和・人和・仁和・綏和・随和・成和・清和・晴和・静和・和・総和・属和・太和・致和・中和・冲和・調和・通和・貞和・恬和・答和・同和・徳和・敦和・内和・柔和・微和・不和・附和・平和・保和・飽和・民和・鳴和・融和・陽和・雍和・養和・楽和・鸞和・釐和・連和


22画

(異体字)和
8画

[字音] ワ・カ(クヮ)
[字訓] ととのう・あう・やわらぐ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は禾(か)。龠(やく)は笛。楽音のととのうことをいう。〔説文〕二下に「(ととの)ふなり」とし、「讀みて和(くわ)と同じうす」という。〔一切経音義、六〕に引いて「樂和するなり」に作り、楽音の調和することをいう字である。和は軍門で和議を講ずることである。両者は字源を異にするが、通用することが多い。が禾声に従うのは、農耕に関する儀礼に、籥(やく)(笛)を用いることがあるからであろう。金文に(やく)の字があり、これも籥と力(耒(すき)の象形)とに従う。〔大克鼎(だいこくてい)〕に「克を王の(こと)に(かな)はしむ」、〔士父鐘(しほしよう)〕「永命にはしむ」のように用いる。・が禾・力に従うのは、農事が陰陽律呂にかなうことが重要視されたからで、のち戦国期の鄒衍(すうえん)は、陰陽五行を以て律呂を按じ、寒冷の北地にも農耕を可能にしたと伝えられる。

[訓義]
1. ととのう、音律がととのう、あう、かなう。
2. やわらぐ。
3. 和と通用する。

[古辞書の訓]
〔字鏡〕 マジハル

[語系]
・和huaiは同声。諧heiも声近く、皆(かい)声の字にも和協の意をもつものがある。皆とは相ともに誓うことをいう。*語彙は和字条参照。

[熟語]
▶

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世界大百科事典(旧版)内の和の言及

【北竜[町]】より

…山林が町域の大半を占め,雨竜川とその支流沿いに水田地帯が開ける。中心市街の和(やわら)は,1893年培本合資会社の集団入植により開拓された。水稲の単作地帯で,近年は小麦,メロン,トウモロコシなども産する。…

※「和」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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