デジタル大辞泉
「早」の意味・読み・例文・類語
はよ【早】
《「はよう」の音変化》
[名]「早う」に同じ。「朝は早から畑に出る」
[副]「早う」に同じ。
「―起きて遅う寝れば」〈滑・浮世風呂・四〉
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はやく【早】
① ずっと以前から。とうに。すでに。つとに。はやくに。はよう。
※
書紀(720)允恭八年二月・
歌謡「花妙
(ぐは)し 桜の愛
(め)で こと愛でば 波椰区
(ハヤク)は愛でず 我が愛づる子ら」
② 以前に。はよう。
※
古今(905‐914)恋五・七九四「よし野がはよしや人こそつらからめはやくいひてしことはわすれじ〈
凡河内躬恒〉」
③ (多く「はやく…けり」の形で用いる) それもそのはず。驚いたことには。わかってみればなんと。はよう。
※枕(10C終)九五「針をひき抜きつれば、はやくしりを結ばざりけり」
※
古今著聞集(1254)一二「おそろしながら、ことの子細をとふに、はやく
盗人なりけり」
④ もともと。やっぱり。
※古今著聞集(1254)一六「其時ぞこの證人のためにはやくさそひけるよと心えてけり」
[2] 〘名〙
① 昔。以前。また、早い時期、
時刻。「早くから知っている」
※土左(935頃)承平四年一二月
二八日「はやくの守
(かみ)の子」
※彼の歩んだ道(1965)〈
末川博〉二「朝
ははやくから晩はおそくまで働きぬいて」
※
たまきはる(1219)「はやくにておはしませば、申すばかりなし」
はよう はやう【早】
[1] 〘副〙 (「はやく(早)」の変化した語)
※
大和(947‐957頃)一〇三「はやう御ぐしおろし給う
てき」
※枕(10C終)二八「はやう見し女のことほめいひ出でなどするも」
※
源氏(1001‐14頃)蓬生「みし心ちするこだちかなとおぼすははやうこの宮なりけり」
はや・める【早】
〘他マ下一〙 はや・む 〘他マ下二〙
※
落窪(10C後)二「牛かけて、はやめて、おひ惑ひて帰れば」
※
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)八「ひめかまつごを、はやめんと、て
づから、ろうごしになさるれば」
はやめ【早】
〘名〙 (動詞「はやめる(早)」の連用形の名詞化)
① 歌舞伎の下座音楽で、同じ曲を早めて演奏すること。また、「早めの合方」の略称。
※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)四立「『この品、身共が清盛公へ』ト双盤の早めにて、雷雲、額を抱へ、向うへ走り入る」
※女重宝記(元祿五年)(1692)三「戸あけの水下るとそのまま催生(ハヤメ)の薬を用ゆべし」
はよ【早】
[1] 〘副〙 (「はよう(早)」の変化したもの) 早い時期に。また、すみやかな速度で。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「早(ハヨ)起て遅寝れば」
[2] 〘名〙 ((一)の体言化したもの) 早い時期。「朝もはよから」
そう サウ【早】
〘名〙 一日のうちのはやい時刻。朝。〔詩経箋‐召南・小星〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報