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植物が雌花と雄花を別の個体にもつ場合をいう。種子植物の花は一般におしべとめしべをもち,両方の性を兼ねそなえた両性花hermaphrodite flowerであるのに対して,アカマツ,イチョウ,カボチャなどは単性花unisexual flowerであって雄花と雌花の区別をもつ。単性花は,同じ個体に両方のタイプの花をもつ雌雄同株(アカマツ,カボチャなど)と,雌花と雄花がそれぞれ別の個体についている雌雄異株(イチョウ,ソテツなど)とに区別される。雌花のみをつける株を雌株,雄花のみをつける株を雄株というが,雌株と雄株とで染色体構成を異にするものもある(雌株,雄株への分化にはホルモンが関与する)。種子植物以外でもアオミドロ,ゼニゴケやスギゴケの配偶体,スギナ,サンショウモ,デンジソウの前葉体などは雄性生殖器と雌性生殖器が別の個体につくられるので,雌雄異株と呼ばれる。ホンダワラは種によって雌雄同株のものと雌雄異株のものの両方がある。雌雄配偶体を同一花内にもつ両性花がもっとも進化した形であると考えられている。
種子植物の場合は,受粉は風,虫,鳥,水などの媒介を通して行われ,またゼニゴケやスギゴケの精子は鞭毛をもち,雨が降ったときなどに泳いで雌花まで到達できるようになっている。
執筆者:前田 靖男
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