ぐっと(読み)グット

デジタル大辞泉 「ぐっと」の意味・読み・例文・類語

ぐっ‐と

[副]
1 瞬間的に力を入れるさま。また、物事をひと息に行うさま。「両手でぐっと押す」「酒をぐっと飲み干す」
2 感動や激しい感情がこみあげてくるさま。「胸にぐっときた」「怒りをぐっとこらえる」
3 息や言葉などが急につまるさま。
「だしぬけにこんな事を言われて、僕は―詰まったのである」〈蘆花・思出の記〉
4 状態の程度が今までと大きく隔っているさま。一段と。ぐんと。「値段は去年に比べてぐっと高い」
5 ちょっとものを言うさま。
「ぴったり釘を打たれて、―も云えず」〈二葉亭・浮雲〉
6 すっかり。ことごとく。
「何の某なにがしといはるる女郎も、床の内での鼻歌などで―愛想の尽きることだ」〈洒・傾城買指南所〉
[類語](1)むずと・むんずと・力ずく・腕ずく・力任せ・ぐんと・ぐいと・ぐいぐい・ぐんぐん・どんどん・ぎゅっと・ぎゅう・ぎゅうぎゅう・きゅうきゅう・がっちり・きゅっと・ひしと・乱暴・粗暴・手荒・手荒い・荒っぽい・荒荒しい・力を込める/(4)ずっと・更さらに・ますます・もっと・一層・はるかに・段違いに・余程よほど・大分だいぶ・だいぶん・うんと・ぐんと・いよいよ・より・も少し・まだ・もう少し・なお・なおさら・一段と・弥が上に・もう・今・あと・余計・然も・今一つ・もう一つ・いまいち・今少し・もそっと・まして・いわんや・数段・層一層・しのぐ・ひとしお・うたた・尚尚なおなお・尚なお以て・更なる・ひときわ・いや増す・尚なお且つ・かてて加えて・それどころ・そればかりか・しかのみならず・のみならず・加うるに・おまけに・また・且つまた・且つ・この上・その上・しかも・さては・さなきだに

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精選版 日本国語大辞典 「ぐっと」の意味・読み・例文・類語

ぐっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. ① 力をいれて、また、一息に事を行なうさまを表わす語。ぐいと。
    1. [初出の実例]「ぐっとのむといへる、ぐっ如何。かみつれば、必ずのむ心也」(出典:名語記(1275)五)
    2. 「長刀取延べ障子越し、ぐっと通して一ゑぐり」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二)
  3. ② 物事がさしせまっているさま、物事にゆきづまるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「『聞いて何に為(す)る』柳之助は呷(グッ)と塞(つま)って」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  4. ③ 物事のすみずみにまで及ぶさまを表わす語。すっかり。ことごとく。じゅうぶんに。
    1. [初出の実例]「敬一つでぐっとすむぞ。かう緊(きつ)ふ敬心をえとらぬ」(出典:闇斎敬斎箴講説(17C後))
  5. ④ 他の状態や物事と大きくへだたりのあるさまを表わす語。一段と。はるかに。ずっと。ぐんと。
    1. [初出の実例]「いかにしても、眉毛がそでねへ。ぐっと細くしやれ」(出典:咄本・蝶夫婦(1777)当世の眉毛)
    2. 「寝起の姿に比ぶればグッと身奇麗になったが」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
  6. ⑤ 時間をあまりおかないで行なうさまを表わす語。そのまますぐに。たちまち。
    1. [初出の実例]「『何にもせよ参りましょ』『そんなら、ぐっと供を帰しがよかろを』」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発端)
  7. ⑥ 心に強い衝撃を受けるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「ト言はれてお園はグットせしが態(わざ)と笑ひに紛らして」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)五)
  8. ⑦ 苦しい時や不満のある時などに、小さな声を洩らすさまを表わす語。多く、打消を伴って用いる。
    1. [初出の実例]「殿の継がせ給はんに、誰がぐっ共申べき」(出典:浄瑠璃・最明寺殿百人上臈(1699)ふくみ状)

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