(読み)モウ

デジタル大辞泉 「猛」の意味・読み・例文・類語

もう〔マウ〕【猛】

[形動][文][ナリ]勢いがはげしいさま。現代では、多く他の名詞と複合して用いられる。「勉強」「スピード」→猛に
「世の覚えも、威勢も―なり」〈宇治拾遺・一五〉
[類語]猛烈強烈激烈鮮烈凄烈凄絶壮烈壮絶悲壮激しい過激ラジカルすさまじい熾烈しれつ苛烈激甚急激峻烈しゅんれつ激越矯激ファナティック先鋭烈烈痛烈辛辣シビア強いきついどぎついひどい手ひどいすごいものすごい厳しい手厳しいはなはだしい桁外れ桁違い並外れ格段著しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん苛酷鋭いこっぴどい強力強大無敵最強力強い手強い荒荒しい荒っぽい大荒れ猛然荒らか威烈猛に

もう【猛】[漢字項目]

常用漢字] [音]モウマウ)(漢) [訓]たけし たける
がむしゃらで強い。たけだけしい。「猛犬猛獣猛将猛然獰猛どうもう勇猛
はげしい。程度がひどい。「猛威猛火猛暑猛省猛追猛毒猛烈
[名のり]たか・たけ・たけお・たけき
難読猛猛たけだけしい猛者もさ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「猛」の意味・読み・例文・類語

たけ・る【猛】

〘自ラ五(四)〙
① 荒々しく行動する。たけだけしくふるまう。あばれる。
海道記(1223頃)菊川より手越「時に水風例よりも猛りて白砂霧の如くに立つ」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)三「犬は猛(タケ)ッてワンワンと」
② 腹を立てる。おこる。
歌謡・松の葉(1703)一・しもさほそり「内の山の神が聞いたらば、たけたけたけりやろものを」
感情が高ぶる。興奮する。特に、色情を催して興奮する。
書紀(720)雄略二二年七月(前田本訓)「瑞江(みつのえ)の浦嶋の子、舟に乗りて釣す。遂に大亀(かはかめ)を得たり。便に女(をとめ)に化為(な)る。是に、浦嶋子、感(タケリ)て婦に為」

もう マウ【猛】

[1] 〘名〙 (形動)
① 盛んであること、いかめしいこと。また、そのさま。
※竹取(9C末‐10C初)「翁竹をとる事久しく成りぬ。いきほひまうの者に成にけり」 〔春秋左伝‐宣公二年〕
② 大きいこと、多いこと。また、そのさま。たくさん。
古今著聞集(1254)九「堀のひろさもまうなりけるに」
[2] 〘語素〙 多く名詞の上に付けて、勢いがはげしいさまを表わす。「猛攻撃」「猛反対」「猛スピード」など。
※まんだん読本(1932)拳闘と説明者〈井口静波〉「火の出る様な、猛(モウ)練習が毎日くり返されて行った」

たけ・い【猛】

〘形口〙 (文語形容詞「たけし(猛)」の口語形で、室町時代頃用いられたもの) =たけし(猛)
※杜詩続翠抄(1439頃)一三「乳虎は猛(タケイ)者なり」

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