鹿児島県(読み)カゴシマケン

デジタル大辞泉 「鹿児島県」の意味・読み・例文・類語

かごしま‐けん【鹿児島県】

鹿児島

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精選版 日本国語大辞典 「鹿児島県」の意味・読み・例文・類語

かごしま‐けん【鹿児島県】

  1. 九州地方南部の県。かつての薩摩・大隅の二国にあたる。明治四年(一八七一)の廃藩置県により、薩摩、大隅、琉球および日向の一部をあわせて成立したが、その後琉球の分離や、宮崎県との合併・再分離などを経て、同二九年現在の県域となった。県庁所在地は鹿児島市。

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日本歴史地名大系 「鹿児島県」の解説

鹿児島県

鹿児島県は九州の南端部とその南海上に南南西に向かって連なる島嶼群を県域とし、かつての薩摩国・大隅国、日向国の一部および琉球国の北部にあたる。面積は九一八五・九九平方キロ。南北延長距離は約六〇〇キロに及び、きわめて長い。最北端があずま獅子しし島にあるタグイ崎で、北緯三二度一八分、最南端が与論町チチ崎で北緯二七度一分である。本土最南端の大隅半島佐多さた岬は北緯三〇度五九分三〇秒に位置する。最東端は志布志しぶし後谷うしろだんの東経一三一度一二分、最西端は与論町フンチュ崎で東経一二八度二四分となっている。

自然環境

〔地勢・地形〕

南に対をなして突き出す大隅・薩摩両半島など本土部と、天草あまくさ諸島の一部、甑島こしきじま列島、および南西諸島の北半部である薩南さつなん諸島などからなる。本州の最南西端部を占め、琉球弧との会合部にあたる。琉球弧の北半にあたるとから列島までは火山活動がきわめて活発で、霧島・桜島などをはじめとする大規模火山や火山島が帯状に連なる。現在に至るまで火山活動の影響を強く受けてきた。阿多あた加久藤かくとう姶良あいら鬼界きかいカルデラの生成は県土の地勢・地形的特色を際立たせ、その代表的なものがシラス台地である。また県内各地から温泉が湧出している。

県の北から東にかけては熊本・宮崎両県に接する。熊本県境は国見くにみ(九六九・三メートル)を主峰とする国見山地と西の矢筈やはず(六八七・三メートル)に連なる支稜線上にある。矢筈岳からはさかい川が流下し、切通きずし付近で八代海へ注ぐ。八代海には天草諸島が浮び、長島海峡を挟み、長崎県に臨む。矢筈岳に至る支稜はおん岳付近で五、六百メートルの支稜(出水山地)を分岐して南西に延び、紫尾しび(一〇六六・八メートル)へと続き、川内せんだい川水系との分水嶺をなす。国見山地は東に延びて九州山地へ連なる。熊本県から宮崎県にかけての境は、国見山地のみや(八七七・一メートル)久七きゆうしち峠を経て、くわ木津留きづる付近から南の黒園くろそん山へと続く。同山の南東の霧島山地が宮崎県との境をなし、同山系栗野くりの(一一〇二メートル)、えびの高原を経て韓国からくに(一七〇〇・三メートル)山頂から高千穂峰(一五七四メートル)を経て南の瓶台びんでん(五四三メートル)付近で東に向かい都城盆地に至る。盆地から鰐塚わにつか山地を通り笠祇かさぎ(四四四・二メートル)山頂からダグリ崎の東約三キロ付近で志布志湾に入る。

〔摩半島〕

鹿児島市の北約二〇キロ付近、およそ東西に走向をもつ八重山やえやま山地から南に向かって突き出す。中央部がくびれ、最小幅は東西約二〇キロ。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「鹿児島県」の解説

鹿児島県

九州地方南部に位置する県。薩摩半島・大隅半島のふたつの半島と多くの離島を有する。県全土が火山灰堆積物に覆われ、およそ半分は火山灰のシラス台地。屋久島や桜島のほか温泉など観光資源に恵まれ、農業とともに観光業が盛ん。一方、県央地域では電子関連産業が集積されている。県花は、ミヤマキリシマ。県木は、カイコウズ・クス。県鳥は、ルリカケス。

[鹿児島県のブランド・名産品]
奄美の黒糖焼酎 | 奄美の芭蕉布 | 伊集院の太鼓 | 伊集院まんじゅう | 出水のそらまめ | 出水の紅甘夏 | 出水の実えんどう | 頴娃のさつまいも | 大隅の鰻 | 開聞岳大根 | かけろまきび酢 | 鹿児島黒牛 | かごしま黒豚 | 鹿児島県産養殖カンパチ | 鹿児島県産養殖ブリ | かごしま知覧茶,知覧茶 | 鹿児島の鰹節 | 加治木まんじゅう | 加世田鎌・加世田包丁 | 加世田のかぼちゃ | 甲冑 | 蒲生和紙 | かるかん | 川辺仏壇 | 花良治みかん | 国分大根 | 甑島芙蓉布 | 桜島大根 | 桜島の小みかん | さつま揚げ | 薩摩糸びな | 薩摩切子 | 薩摩焼酎 | 薩摩錫器 | 薩摩つげ櫛 | 薩摩琵琶 | 薩摩深水刃物 | 薩摩焼 | 薩摩弓 | 蛇皮線(サンシン) | 城内大根 | 鯛車・香箱・初鼓 | 大漁旗・五月幟 | 竹製垣根・御座敷すだれ | 竹製品(編組物) | 種子島のレザーリーフファン | 種子はさみ | 種子包丁 | 垂水人形 | 太鼓(チヂン) | 帖佐人形 | 知覧傘提灯 | 知覧紅 | つづら工芸 | 鶴田和紙 | 刀剣 | ねじめ黄金かんぱち | 隼人うり | 東串良のきゅうり | 東串良のピーマン | 福山黒酢 | 辺塚ダイダイ | 甫立メロン | 本場奄美大島紬 | 本場大島紬 | 枕崎のカツオ | 宮之城花器 | 屋久島のたんかん | 屋久杉製品 | 山川漬 | 横川大根 | 与論かぼちゃ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鹿児島県」の意味・わかりやすい解説

鹿児島〔県〕
かごしま

面積 9187.06km2(境界未定)。
人口 158万8256(2020)。
年降水量 2265.7mm(鹿児島市)。
年平均気温 18.6℃(鹿児島市)。
県庁所在地 鹿児島市
県木 カイコウズ,クスノキ
県花 ミヤマキリシマ
県鳥 ルリカケス

九州南部の県。明治4 (1871) 年廃藩置県により旧薩摩藩の領域を継承して鹿児島県が成立。その後,宮崎県などとの間に所属の離合があって,1896年現区域としての鹿児島県となった。県中部を南北に霧島火山帯が走り,霧島,桜島,開聞岳などの火山地域を形成。鹿児島湾の東西に大隅,薩摩の両半島が突出し,シラス台地が広い。河川は川内川肝属川など中小河川のみ。火山性湖沼として池田湖鰻池藺牟田池大浪池などがある。気候は温暖で降水量も多く,台風の襲来が多い。薩南諸島は亜熱帯気候。上古には熊襲の国といわれ,現在の宮崎県域と合わせて日向と称した (古日向) 。大化改新後,8世紀初頭に薩摩,大隅,日向の3国となる。文治2 (1186) 年,関東御家人の惟宗忠久 (島津氏の祖) が島津荘の地頭職に任じられて以来,次第に島津氏の勢力が伸長し,戦国時代の末には薩摩,大隅,日向は完全にその支配下に入った。そののち,豊臣秀吉の島津征伐,関ヶ原の戦い (西軍側につき敗戦) などにより勢力圏はいくぶん狭くなったが,島津氏は薩摩,大隅,および日向の一部と奄美群島などを支配して明治にいたった。農業県で,おもな農産物は米,小麦,サツマイモ,葉タバコ,茶,菜種,サトウキビ,柑橘類など。畜産では肉牛の飼育数は全国一で,養豚,養鶏も盛ん。水産業ではアジ,カツオの漁獲が多く,ノリの養殖も盛ん。特産品は薩摩焼,焼酎,大島紬など。霧島,桜島,指宿,日南海岸,薩南諸島など観光地が多い。 JR鹿児島本線と日豊本線の起終点,指宿枕崎線の起点。 2004年には九州新幹線が一部開業し,鹿児島本線の八代 (熊本) -川内間については熊本県や沿線自治体とともに第三セクターの肥薩おれんじ鉄道を設立し,運営を引き継いだ。道路では国道3号線と 10号線などが通る。九州縦貫自動車道 (全長 428km) が鹿児島-北九州市 (門司) 間を結び,高速バスも走る。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「鹿児島県」の解説

鹿児島県
かごしまけん

九州の南端に位置する県。旧薩摩・大隅両国を県域とする。1871年(明治4)廃藩置県により鹿児島藩が廃され鹿児島県となり,旧藩領域のほか琉球国も管轄した。同年11月大隅国6郡と日向国諸県(もろかた)郡が都城(みやこのじょう)県に編入された。72年都城県の一部を編入,また琉球藩が成立して管轄外となった。翌年都城県の大隅国を編入。76年宮崎県を合併したが,83年分離して現県域が確定した。第2次大戦後アメリカ軍の軍政下におかれた奄美諸島は,1953年(昭和28)に返還された。県庁所在地は鹿児島市。

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