一本槍(読み)イッポンヤリ

デジタル大辞泉 「一本槍」の意味・読み・例文・類語

いっぽん‐やり【一本×槍】

[名・形動]
1 目標や手段や態度を一つに絞り、終始それで押し通そうとすること。また、そのさま。「歴史小説一本槍な(の)作家」
2 1本の槍。また、槍のひと突きで勝負を決めること。
「―を突きたるほどに言ひ廻れども」〈甲陽軍鑑・一一〉
3 ただ一つの得意のわざ。
「ははあ、―ぢゃな」〈滑・浮世風呂・前〉
[類語]ひたすら・いちず・ひたむき・一筋・ただ・ただただ・専一・ひとえに・一心・一念・一路・一散・一目散・一直線・一点張り・一辺倒・一意専心・営営・せっせ・遮二無二・無二無三・がむしゃら・一心不乱・脇目も振らず・直線的・まっしぐら・直情径行・まっすぐ・猪突猛進・ストレート・しゃかりき・しゃにむに・無心・粉骨砕身・無我夢中・熱中・夢中・専心・専念・没入・没頭・没我・傾注・傾倒・我を忘れる・根こんを詰める・身を入れる・身を砕く・心血を注ぐ

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精選版 日本国語大辞典 「一本槍」の意味・読み・例文・類語

いっぽん‐やり【一本槍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 一本の槍。また、それだけで勝負をきめること。
    1. [初出の実例]「被官の取たる、頸などを、高名帳にのせ、一本鑓(ヤリ)を、つきたるほどに」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品一一)
  3. ② 孤立すること。
    1. [初出の実例]「筑前守殿は、一本鑓に被二罷成一候」(出典:葉隠(1716頃))
  4. ③ 常に行なうただ一つの得意なわざ。ただ一つしかない手段。
    1. [初出の実例]「ハハア、一本鎗(イッホンヤリ)じゃナ〈略〉しかしおまへの浄瑠璃は、やっぱり住(すみ)さんの性根で押て行なされ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)
  5. ④ ( 形動 ) ただ一つの手段を押し通すこと。我意をしいて押し通すさま。一点ばり。また、ひたすら、まっすぐ、まさしくなどの意。
    1. [初出の実例]「被仰(おっしゃ)る通り壱本鎗(ヤリ)、其所(そこ)でござりやせう」(出典:人情本・春色玉襷(1856‐57頃)三)
    2. 「石置場へ、曲りなすったのを見かけたから、一本槍(ポンヤリ)に来ましたのだ」(出典:歌舞伎・裏表柳団画(柳沢騒動)(1875)大切)

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