万万(読み)ばんばん

精選版 日本国語大辞典「万万」の解説

ばん‐ばん【万万】

[1] 〘名〙 (形動)
① さまざまに数や量が多いこと。十分にその状態であるさま。
※性霊集‐二(835頃)大唐青龍寺故三朝国師碑「波濤万、雲山幾千也」 〔漢書‐溝洫志〕
② 程度がはるかにまさること。また、そのさま。
※醍醐寺文書‐(応永三一年)(1424)大僧正増詮書状「其後久不面拝、積欝万万候」 〔漢書‐外戚伝〕
[2] 〘〙 (否定表現を伴って) 判断に間違いのないことを強めていう。万が一にも。全く。決して。
※牧童宛芭蕉書簡‐元祿三年(1690)七月一七日「大火之跡いまだ万々御心も静なるまじく候」 〔韓愈‐与孟尚書書〕

まん‐まん【万万】

[1] 〘名〙
① (形動) 種々さまざまであること。また、そのさま。ばんばん。
※幸若・和田宴(室町末‐近世初)「いかに虎ごせ、たとひまむまむの事有とも」
② すべての事。いっさいの事。
浄瑠璃・心中宵庚申(1722)下「まんまん千世めが悪いになされませ」
[2] 〘副〙 ⇒ばんばん(万万)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「万万」の解説

ばん‐ばん【万万】

[形動][文][ナリ]
そうしたい気持ちは十分にあるが、そうできない事情があるさま。やまやま。「お目にかかりたいのは万万ですが」
程度がはなはだしいさま。
「君の友情は恋情の深きに勝る—なるを知れり」〈織田訳・花柳春話
[副]
十分に。よくよく。「万万承知している」
(あとに打消しの語を伴って)万が一にも。決して。「失敗することは万万あるまい」
[類語]1やまやま望むらくは望ましい願わしい思わしい良い好ましい好もしい申し分ない程良い好個絶好最適1十分存分に思うさま良くみっちりみっしりとく/(2まさかよもや

まん‐まん【万万】

[副]
種々さまざま。いろいろ。
「たとひ—の事あるとも」〈幸若・和田酒盛
すべて。いっさい。
「—千世めが悪いになされませ」〈浄・宵庚申

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

国民栄誉賞

内閣総理大臣表彰の一つ。1977年内閣総理大臣の福田赳夫の決裁により設けられた。「広く国民に敬愛され,社会に明るい希望を与えることに顕著な業績のあった者」に贈られる。第1回受賞者はプロ野球選手の王貞治...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android