元より・固より・素より(読み)もとより

大辞林 第三版の解説

もとより【元より・固より・素より】

( 副 )
(初めからの意)
そうであることについて、なんら疑いをさしはさむ余地がないさま。いうまでもなく。 「失敗は-覚悟していた」 「罪は-ぼくにある」
(多く「…はもとより…も(まで)」の形で)あるものを挙げてそれより可能性の低い別のものもそうであると判断する意を表す。 「あの歌手は歌は-演技もうまい」
昔から。初めから。以前から。 「後涼殿に-さぶらひ給ふ更衣の曹司を他に移させ給ひて/源氏 桐壺
もともと。元来。 「ふなぎみの病者-こちごちしき人にて/土左」

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精選版 日本国語大辞典の解説

もと‐より【元より・固より・素より】

〘副〙 (本来、「もと」は名詞、「より」は格助詞。漢文訓読にとり入れられ、さまざまな漢字表記と結びついた)
① (「もと」は過去の定まった時間を意味する) 昔から。古くから。初めから。以前から。
伊勢物語(10C前)九「もとより友とする人ひとりふたりしていきけり」
② (「もと」はその事物が根源に具有する性質の意) 本質的に。元来。もともと。
※土左(935頃)承平五年二月七日「ふなぎみの病者、もとよりこちごちしきひとにて」
③ 転じて、言うまでもなく。もちろん。
※狭衣物語(1069‐77頃か)三「三河の守の妻(め)にておはせましかば、いかならまし。もとよりさておはせば、いとよし」

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