用(読み)ヨウ

デジタル大辞泉 「用」の意味・読み・例文・類語

よう【用】[漢字項目]

[音]ヨウ(漢) ユウ(呉) [訓]もちいる
[学習漢字]2年
1 使う。もちいる。「用意・用語・用心・用途・用法/愛用・悪用・応用・慣用・起用・客用・共用・軍用・兼用・採用・使用・借用・信用・専用・通用・適用・内用・日用・薬用・利用・流用」
2 物の働き。「用言/器用・効用・作用・妙用・無用・有用」
3 必要な金や物。元手もとで。「用具・用紙・用地・用度/入用・費用」
4 やっておくべき仕事。「用件・用事・用務/急用・公用・雑用・私用・社用・所用・商用」
5 大小便をする。「用便/小用こよう・しょうよう」
[名のり]ちか・もち

よう【用】

1 必要にこたえる働きのあること。役に立つこと。また、使い道。用途。「用をなさない」「用のなくなった子供服」
2 なすべき仕事。用事。「用を言いつけられる」「急ぎの用で出掛ける」「君に用はない」
3 大小便をすること。用便。「小用」
4 費用。入費。ついえ。「家計の用に充てる」
5 事物の本体に対して、作用。働き。
「今一身を分かちて二つの―をなす」〈方丈記〉
6 用言。また、その作用。
「水辺や又山類の体―は連歌のごとく用ゆべきなり」〈新増犬筑波集〉
7 体言に格助詞「の」の付いた形で、または用言に助動詞「う」の付いた形で、動作の目的や理由を表す。
「何の―にかあらむと申す」〈竹取〉
8 名詞の下に付いて、…のために使用するもの、…が特に使用するもの、…で使用するもの、などの意を表す。「作業用の机」「紳士用セーター」「保存用ディスク」
[類語](1)用途・効用・役やく・役割・働き・使い道・使い方・使い先・使途/(2)用事・用向き・用件・所用・用務・小用こよう・しょうよう・野暮用・雑用・雑事・私用・公用・社用・商用・急用・多用・主用・変事・大事だいじ・大事おおごと・小事・細事・些事・世事・俗事・私事しじ・私事わたくしごと

ゆう【▽用】

仏語。働き。作用。受用じゅゆう。「体、相、用」

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精選版 日本国語大辞典 「用」の意味・読み・例文・類語

よう【用】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. [ 一 ]
      1. ① 用いるべきこと。必要なこと。入り用。
        1. [初出の実例]「人のようあらば、このひとをつかひ給へ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
        2. 「それだに聞けば這奴(しゃつ)に用(ヨウ)なし」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
      2. ② 役に立つこと。役立たせること。有用。→用に立つ・用に立てる。
        1. [初出の実例]「今聞、諸国甲冑稍経二年序一、悉皆渋綻、多不レ中レ用」(出典:続日本紀‐宝亀一一年(780)八月庚戌)
        2. [その他の文献]〔史記‐秦始皇本紀〕
      3. ③ つかいみち。用いどころ。用途。
        1. [初出の実例]「西国はみな九郎大夫判官にせめおとされぬ。今はなんのようにか逢ふべき」(出典:平家物語(13C前)一一)
        2. [その他の文献]〔荘子‐人間世〕
      4. ④ 必要な仕事。しなければならない仕事。所用。用事。用件。
        1. [初出の実例]「又朋友之中、頗有二要須之人一。適依レ有レ用、入在二簾中一」(出典:菅家文草(900頃)七・書斎記)
        2. 「用をしまふのは日の暮方まで掛りませう」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六三)
      5. ⑤ 物を求めたり、ことをするのにあてたりする金銭や物品。費用。
        1. [初出の実例]「於二山階寺一、毎年皇太后忌日、講二梵網経一、捨二京南田町一以供二其用一」(出典:続日本紀‐天平宝字五年(761)六月辛酉)
        2. [その他の文献]〔論語‐学而〕
      6. ⑥ 大便や小便をすること。用便。
        1. [初出の実例]「道にして用を調ふる所を、後より首打落しけり」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)三)
      7. ⑦ 物事の本体に対してその作用。はたらき。ききめ。→ゆう(用)。
        1. [初出の実例]「今、一身をわかちて、二の用をなす。手の奴、足の乗り物、よくわが心にかなへり」(出典:方丈記(1212))
        2. 「睡眠とは身体精神共に其の用を休止する時を云ふなり」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉五)
        3. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
      8. ⑧ ( ことばの表わすものについて ) 事物の本体に対してその作用、はたらき。事物の作用についての表記上の取扱い。また、動詞・形容詞などの表わす内容。→ゆう(用)。
        1. [初出の実例]「これはむす也。蒸也。むしは惣名也。躰也。むすはその用也」(出典:名語記(1275)四)
      9. ⑨ 生け花で、中段の役枝のこと。
    2. [ 二 ] 形式名詞として用いる。行為の目的や理由を表わす。ため。ゆえ。
      1. (イ) 体言に助詞「の」を介して付く場合。
        1. [初出の実例]「つばくらめの巣くひたらば告げよ、とのたまふを承て、なしの用にかあらんと申答えて」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
      2. (ロ) 用言に助動詞「う」「まい」の付いた語に付く場合。
        1. [初出の実例]「取二我財一人に予らるるは我を安せう用ぢゃほどに」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)爰盎鼂錯第一九)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 名詞に付けて、…のために使用するもの、…において使用するもの、…が使用するものなどの意味を表わす。「実験用」「学校用」「生徒用」など。

ゆう【用】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① はたらき。作用。応用。よう。
    1. [初出の実例]「是がけいこにて候。まことの時、其ゆふにてきられ候はず候」(出典:禅鳳雑談(1513頃)中)
  3. ② 仏語。
    1. (イ) 本体に対し、それに備わるはたらき(力用(りきゆう))をいう。本体の絶対に対する相対的分野。また体・相・用の三大の一つとして、真如のはたらきとする。
      1. [初出の実例]「夫常位有三重義、体相用是」(出典:天台法華宗牛頭法門要纂(805))
      2. [その他の文献]〔三論玄義〕
    2. (ロ) 目的、教示の理由などをいう。
    3. (ハ) ( 受用の意 ) 布施を受けて、これを用いること。〔中論‐三〕
  4. ③ 連歌・俳諧の付合で、あらゆる事物にそなわる作用的、属性的なもの。海の体に対しての波、舟など。→体用(たいゆう)。〔連理秘抄(1349)〕
  5. ④ 能楽論で、本体から生ずる働き。また、本体の応用。
    1. [初出の実例]「さるほどに、音曲は体なり。風情はゆふなり」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)六)
  6. ⑤ =よう(用)[ 一 ][ 一 ]⑧
    1. [初出の実例]「躰の字にふしなし、ゆふの字にふし有」(出典:わらんべ草(1660)二)

もち‐い‥ゐ【用】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「もちいる(用)」の連用形の名詞化 )
  2. ① もちいること。使用すること。役に立てること。また、役に立つこと。つかいみち。
    1. [初出の実例]「われをのみ世にももちゐの鏡草さきさかえたる影ぞうかべる」(出典:散木奇歌集(1128頃)春)
  3. ② 良いものとして認めること。よしとして取り上げること。
    1. [初出の実例]「音曲の懸・風躰に、りゃうやうあり。人のもちゐもしなあり」(出典:風曲集(1423頃))
  4. ③ 尊敬して重んじること。尊重。
    1. [初出の実例]「クンシノ カルガルシイワ mochijga(モチイガ) スクナイ」(出典:天草版金句集(1593))

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普及版 字通 「用」の読み・字形・画数・意味

用
常用漢字 5画

[字音] ヨウ
[字訓] もちいる・はたらき・そなえ・もって

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
木を組んで作った柵の形。〔説文〕三下に「施行すべきなり。卜に從ひ、中に從ふ」という。字を卜と中とに分解し、卜して中(あた)るとき、それは施すべきものであるとするが、卜文・金文の字形は木を編んだ木柵の形。中に犠牲をおくので、犠牲とすることを「用ふ」という。〔春秋経、僖十九年〕「人(ちゆひと)、子(そうし)を執へて之れを用ふ」とは、その鼻を撲(う)って血を取り、牲血として用いる意で、古い用義法である。卜辞の占兆の辞に「(こ)れを用ひよ」とあるのも、古くは用牲の意であろうが、のち施行の意となったものと思われる。金文の〔曾姫無壺(そうきぶじゆつこ)〕に「後嗣之れを甬(もち)ひよ」、また〔左伝、隠元年〕「庸(もち)ふること無(なか)れ」のように甬(よう)・庸を用い、みな通用の義。木柵の用に、上から土を塗りこんだものが庸、用にもつ所をつけたのが甬で桶の初文である。

[訓義]
1. かき、犠牲を入れ、犠牲として用いる。
2. もちいる、つかう、ほどこす。
3. おこなう、はたらき。
4. そなえ、用意、ついえ。
5. たから、道具、役立つもの。
6. 以と通じ、もって、なす、よる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕用 モチヰル・モチフ・モツ・モテ・ココヲモテ・ツカフ/用心 ココロモチヒ

[部首]
〔説文〕に甫・庸・・の四字を属し、〔玉〕になお由をこの部に加える。由は〔説文〕にみえず、おそらく(ゆう)と同字異文とみられるもので、用とは関係がない。また(ねい)は寧の異体字。(ふく)は(えびら)の象形、甫(ほ)は苗木の根を囲う形で、周囲に木柵を加える形。庸は用の形声の字での初文。本来の部属の字は庸の一字のみである。

[声系]
〔説文〕に用声として甬、また甬声・庸声の字を多く収める。金文に甬を用の義に用い、庸にも用の訓がある。以・用・庸は声義近く、通用することがある。

[語系]
用・庸jiongは同声。〔説文〕三下に「庸は用ふるなり」とあって同訓。以jiは声近く、通用の字である。

[熟語]
用意▶・用間▶・用諫▶・用奇▶・用器▶・用具▶・用刑▶・用賢▶・用工▶・用功▶・用事▶・用捨▶・用舎▶・用処▶・用心▶・用途▶・用度▶・用飯▶・用板▶・用費▶・用筆▶・用武▶・用物▶・用兵▶・用務▶・用命▶・用力▶・用例▶
[下接語]
愛用・悪用・引用・運用・応用・活用・官用・慣用・起用・器用・逆用・虐用・挙用・共用・軍用・兼用・雇用・誤用・公用・功用・効用・国用・混用・作用・採用・財用・雑用・算用・私用・使用・施用・資用・試用・自用・時用・実用・借用・主用・受用・収用・重用・遵用・所用・商用・常用・食用・信用・世用・節用・専用・選用・善用・俗用・体用・致用・着用・長用・徴用・聴用・用・通用・適用・用・転用・土用・盗用・登用・動用・日用・入用・任用・佩用・繁用・費用・備用・不用・服用・並用・併用・聘用・宝用・妙用・無用・薬用・有用・要用・乱用・濫用・利用・流用・両用・連用・路用

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