つっと(読み)ツット

デジタル大辞泉 「つっと」の意味・読み・例文・類語

つっ‐と

[副]《「つと」の促音添加》
ある動作をすばやく、または突然にするさま。さっと。ぱっと。「つっと席を立つ」「つっと部屋の奥に通る」
空間時間が隔たっているさま。ずっと。
「身どもがのは、これより―かみでござる」〈虎明狂・餅酒
程度のはなはだしいさま。非常に。
「あれは心のやさしいものの、―涙もろい者ぢゃ程に」〈虎明狂・墨塗
[類語](1がばとがばっとむっくとむっくりむくりすっくしゃんとしゃっきりついとすいとすっとさっとぱっとふとふっと不意にわかふいとひょっこり打ち付けぶっつけ出し抜け突然唐突短兵急急遽きゅうきょ忽然こつぜん俄然突如いきなりついついついひょっとひょいはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずもやにわに時ならずたちま卒然突発的発作的反射的やぶから棒青天の霹靂へきれき寝耳に水はた身軽い身軽軽軽かるがる軽快かろやか簡捷かんしょうはしこいすばしこい素早い手早い敏速敏活迅速敏捷びんしょう手ばしこい手早速やか速い足早早足小走り機敏一瀉いっしゃ千里急ピッチ矢の如しはかばかしい目にも留まらぬひらりひょいひょいぴょんぴょんぴょんてきぱきしゃきしゃききびきびずんずんクイックスピーディーハイペースちゃちゃとちゃちゃっとさっさとっととつとすたすた

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「つっと」の意味・読み・例文・類語

つっ‐と

〘副〙 (「つと」の変化した語)
① 勢いよくすばやいさまを表わす語。さっと。急に。〔名語記(1275)〕
仮名草子竹斎(1621‐23)下「少しの間立寄、内へつっと入申」
② 支障なく速やかで十分であるさまを表わす語。ずいと。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「矢はあなたへつっと通て大地にづはとたつ」
③ ぐずぐずしないでしっかりしているさまを表わす語。
※古文真宝彦龍抄(1490頃)「来此はや八十日斗になる。何不帰ぞ。つっと今帰らいでは」
④ 状態、程度などについて、それがはなはだしいさまを表わす語。ずっと。とっと。
※両足院本毛詩抄(1535頃)二「急な事を行て、つっとわるくなったよぞ」
⑤ 空間または時間がへだたっているさま、また、同じ状態が、長く継続するさまを表わす語。ずっと。
※俳諧・竹馬狂吟集(1499)一〇「つっと入だうの仏はあみだにてすまひのとって四十八あり」

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