(読み)イ

デジタル大辞泉 「意」の意味・読み・例文・類語

い【意】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]こころ おもい おもう
学習漢字]3年
心の中の思い。気持ち。考え。「意外意気意見意向意志意識意図意欲悪意鋭意我意敬意決意故意好意合意辞意失意謝意情意随意誠意善意他意注意敵意得意任意熱意配意本意翻意民意用意留意
言葉や物事に含まれる内容。わけ。「意義意味意訳寓意語意極意趣意深意大意文意来意
おもう。「不意
[名のり]お・おき・おさ・のり・むね・もと・よし
難読意気地いくじ新発意しんぼち

い【意】

心に思うこと。気持ち。考え。意見。「遺憾のを表す」
言葉や行為が表している内容。意味。わけ。「読書百遍おのずから通ず」
《〈梵〉manasの訳》仏語。あれこれと思いめぐらす心の働き。思量。「心、、識」
[類語]意味考え意義意味合いニュアンス語感本義広義狭義概念いいこころ語意語義字義文意含意含み

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精選版 日本国語大辞典 「意」の意味・読み・例文・類語

い【意】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 心に思うこと。考え。意見。
    1. [初出の実例]「終宵不寝意無窮」(出典:凌雲集(814)和左衛督朝臣嘉通秋夜寓直周廬聴早雁之作〈嵯峨天皇〉)
    2. 「先師の意を以て見れば」(出典:俳諧・去来抄(1702‐04)先師評)
    3. [その他の文献]〔魏志‐呂布伝〕
  3. 心に決めたこと。望み。また、しようとする考えや気持。こころざし。意志。
    1. [初出の実例]「生て置ん共、殺されんとも、意に任す可しと仰せられければ」(出典:太平記(14C後)一七)
    2. 「願はくは意と為って心に随ひ、君楽しめば則ち妾も亦楽しみ」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)四)
    3. [その他の文献]〔魏書‐李琰之伝〕
  4. わけ。意味。また、文章などで言おうとしている点。主旨
    1. [初出の実例]「汝が名、以一貫之と云語をとりたる者とはしらる。さらば、つらぬきとよむべけれ。之は助音、之には意ある事無し」(出典:読本・春雨物語(1808)海賊)
    2. [その他の文献]〔文心雕龍‐書記〕
  5. 好意。愛情。
    1. [初出の実例]「娘の此身に多少の意を有して居ることは最早明白である」(出典:春潮(1903)〈田山花袋〉一一)
  6. 仏語。あれこれと考える心のはたらき。また、心の意にも用いる。そのはたらきのよりどころを意根、意処、意界ともいう。
    1. [初出の実例]「第一初五戒名為摂律儀戒。律者類也。儀者容儀。此五戒止於意悪」(出典:勝鬘経義疏(611)十大受章)
    2. [その他の文献]〔倶舎論‐四〕

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普及版 字通 「意」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音]
[字訓] おしはかる・おもう・こころ・ああ

[説文解字]

[字形] 会意
(音)+心。〔説文〕十下に「言を察してを知るなり」とし、字を言に従うものと解するが、字はに従う。は、言(祝詞)に対して、「神の音なひ」を示す自鳴の音が加わることを示す字。もと「神の音なひ」、すなわち「おとづれ」。意は、その神意を憶度(おくたく)することをいう。

[訓義]
1. おしはかる。
2. ひろくものごとを推量して考えること、おもう。
3. 考えてその意志を定めること、こころ。
4. と通用する。ああ。

[古辞書の訓]
名義抄 オモフ・オモヒ・オモムク・ココロ・カナシフ・トモ・モト/ オモミレハ

[声系]
〔説文〕に声として、など四字を録する。は深く意(おも)うときの嘆声である。

[語系]
ixiは声義近く、感動詞に用いる。(億)ikは同声、通用する。

[熟語]
意会・意界・意解・意外・意格・意気・意忌・意帰・意義・意境・意興・意計・意見・意向・意恨・意志・意思・意指・意旨・意地・意識・意趣・意緒意舒・意尚・意匠・意象・意数意趨・意想・意存・意度意中・意馬意表・意望・意味・意脈・意欲・意虜・意量・意料
[下接語]
悪意・遺意・一意・雨意・鋭意・恩意・我意・雅意・介意・会意・快意・隔意・含意・銜意・希意・起意・寄意・貴意・棄意・客意・意・愚意・寓意・敬意・傾意・決意・古意・故意・語意・巧意・好意・合意・懇意・作意・賛意・旨意・志意・私意・思意・指意・恣意・肆意・詩意・辞意・失意・実意・謝意・主意・殊意・酒意・趣意・秋意・祝意・春意・純意・初意・匠意・象意・情意・属意・心意・真意・深意・人意・随意・生意・誠意・精意・絶意・戦意・善意・素意・壮意・創意総意・他意・大意・題意・達意・着意・注意・暢意・意・適意・天意・当意・同意・得意・篤意・内意・如意・任意・配意・敗意・反意・非意・卑意・微意・筆意・不意・諷意・文意・芳意・放意・発意・本意・翻意・妙意・民意・無意有意・遊意・余意・用意・来意・楽意・立意・留意・礼意

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「意」の意味・わかりやすい解説



manas

仏教用語。元来は考えるものの意。仏教において心は精神の主体的側面を意味し,意は精神の働きを示す。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【意識】より

…古代インドには,霊的,生命的なものを言い表す言葉の一つとして〈意manas〉(英語ではmindと訳される)という語があったし,また原始仏教では,現象界の分類(五蘊(ごうん)説)やその生成の説明(十二縁起説)に関して〈識vijñāna〉という語が用いられ,それによって了別の働きや個性化の原理が意味されていた。大乗仏教の時代には,十二縁起のうちの〈識〉によっていっさいを説明しようとする唯識思想(唯識説)が現れ,その中で,五官にかかわる五識を統一する第六識が〈意識〉と呼ばれていた。…

【根】より

…サンスクリットのインドリヤindriya(元来の意味は力)の漢訳。一般にインド哲学では5種の感覚機能または器官(眼,耳,鼻,舌,身)を意味し〈五根〉と総称するが,すでにウパニシャッドの中では身体に宿る生命活動機能の一つとして〈五根〉が列挙されている。…

※「意」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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