白山(読み)はくさん

  • 石川・岐阜県境

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石川・岐阜県境にまたがり、両白山地(りょうはくさんち)にある角閃石(かくせんせき)安山岩、輝石安山岩の火山。白山火山帯の盟主で、古来、富士山、立山(たてやま)とともに日本三名山の一つとして名高く、信仰登山の霊山として知られる。頂部は最高峰の御前峰(ごぜんがみね)(2702メートル)と大汝(おおなんじ)峰(2684メートル)、剣(けん)ヶ峰(2677メートル)の3峰に分かれ、南方の別山(べっさん)、三ノ峰を加え白山五峰と称される。さらに西方の白山釈迦(しゃか)岳なども含めて白山と総称する。中生代ジュラ紀~白亜紀の手取(てどり)層群、濃飛流紋岩を主とする基盤上に噴出した溶岩流や火砕流堆積(たいせき)物などからなるが、火山体は標高約2300メートル以上で、ごく薄く厚さ最大約400メートル、体積約16立方キロメートルと見積もられる。御前峰と大汝峰は溶岩円頂丘、剣ヶ峰は円錐(えんすい)火山。頂部に亜寒帯湖の千蛇(せんじゃ)ヶ池などの15の火口群や、弥陀(みだ)ヶ原の溶岩台地がある。853年(仁寿3)から1579年(天正7)までに9回の噴火記録があり火口湖群付近で発生したらしいが、火砕流や火山泥流で被害を出したこともある。現在、噴気孔はないが、山麓(さんろく)には温泉が多く、岩間の噴泉塔群(いわまのふんせんとうぐん)は特別天然記念物に指定されている。高山植物、野鳥その他の動物も多く、生物分布上も重要な山で、白山国立公園の主要部をなす。
 雪深い白山は古来「しらやま」といわれ、詩歌に詠まれた。717年(養老1)に泰澄(たいちょう)大師が初登頂し、加賀、越前(えちぜん)、美濃(みの)から参拝道が開かれた。白山神社の総本社白山比(しらやまひめ)神社(石川県白山市)の奥宮が頂上にある。
 登頂路は石川、岐阜、福井の各県側からあるが、石川県側の市ノ瀬(白山市白峰)からのコースが一般向きである。[諏訪 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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