呉[市](読み)くれ

百科事典マイペディア 「呉[市]」の意味・わかりやすい解説

呉[市]【くれ】

広島県南部,広島湾東岸と芸予諸島の一部からなる市。1902年市制。呉線が通じる中心市街は1889年海軍鎮守府の設置に始まり,海軍工廠,航空工廠ができて以来,軍都・軍港として発展,第2次大戦中は人口40万人を数えた。戦後産業都市として再出発,1950年以後中心市街,東部の広地区,仁方地区を中心に造船製鋼パルプなどの大企業が集中して臨海工業地域となった。在来工業の酒造,やすり工業も盛んで,砥石万年筆などを特産し,近年は半導体研削切断装置の製造をはじめハイテクノロジー産業への進出が著しい。広島中央テクノポリスの地域指定を受けている。島々の斜面ではミカンを産する。旧軍港跡には海上自衛隊の基地や海上保安大学校がある。音戸大橋の起点警固屋(けごや),芸予諸島航路の起点仁方は内海交通の要地。休山一帯は瀬戸内海国立公園に属する。1995年開学の呉大学や近畿大学工学部がある。2003年4月,安芸郡下蒲刈町と,2004年4月,豊田郡川尻町と合併。2005年3月安芸郡音戸町,倉橋町,蒲刈町,豊田郡安浦町,豊浜町,町を編入。352.80km2。23万9973人(2010)。
→関連項目海上保安大学校

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