(読み)バン

デジタル大辞泉 「番」の意味・読み・例文・類語

ばん【番】

[名]
順送りに入れ替わって事に当たること。順番。「話すが来る」「診察を受けるを取る」
注意して見張ること。また、その役。番人。「荷物のをする」「寝ずの」「店
ある分野や特定の個人を取材などの対象として受け持つこと。「首相の記者」「福田」→番記者
物合わせなどで、勝負を争う組。
「宮川歌合と名づけて、これも同じ―につがひて」〈著聞集・五〉
《番号を付けて多数備えておくものの意から》名詞の上に付いて複合語をつくり、当番の人の用いるもの、また粗末なものの意を表す。「傘」「茶」「やり
[接尾]助数詞
多くあるものの順序・等級などを表すのに用いる。「成績は一だ」「二目」「三手」
取り組み・組み合わせ・勝負などを数えるのに用いる。「結びの一」「六百歌合」「三勝負」
能・狂言などの曲数を数えるのに用いる。「謡曲二百集」
[類語](1順序順番順位序列席順配列席次着順語順手順道順オーダー/(2監視見張り立ち番ピケ張り番張り込みマーク物見見張る張り込む目を光らす

ばん【番】[漢字項目]

[音]バン(慣) [訓]つがい つがう
学習漢字]2年
交代に事を行うこと。「勤番週番順番上番先番当番非番輪番
順序や回数を示す語。「番外番号
番号。「番地局番欠番連番
見張り。「番犬番人番兵交番門番玄関番不寝番留守番
日常の。実用の。粗末な。「番茶
[名のり]つぎ・つぐ・つら・ふさ
[難読]三番叟さんばそう蝶番ちょうつがい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「番」の意味・読み・例文・類語

ばん【番】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. かわるがわる勤めに当たること。順番。
      1. [初出の実例]「凡諸司毎日作番宿直」(出典:延喜式(927)一一)
      2. [その他の文献]〔旧唐書‐職官志二〕
    2. 順番によって行なう勤め。当番。
      1. (イ) 宿直のこと。
        1. [初出の実例]「宰相中将の君御ばんの夜」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
      2. (ロ) 見張り番。警固。
        1. [初出の実例]「チュウヤ ban(バン)ヲ ツケヲク ナリ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)二)
      3. (ハ) 江戸城への勤番。
        1. [初出の実例]「全体けふは番だから、どうも来られねへ処だっけが」(出典:人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)二)
    3. 荘園制で領主が設定した農民支配の組織。何人かの有力名主(みょうしゅ)を番頭に任じ番頭給などの給田を与えて、その代わりに担当範囲の年貢の徴収を義務づけた。
      1. [初出の実例]「上番現作拾五町四段小卅歩」(出典:高野山文書‐応永二九年(1422)六月日・近木庄三箇番畠目録)
    4. 物合(ものあわせ)などの勝負を争う組。組み合わせのこと。
      1. [初出の実例]「又一巻をば宮河歌合と名づけて、これも同じ番につがひて」(出典:古今著聞集(1254)五)
    5. 明治時代、人力車夫のうちで、一種の組合組織に属していたものの称。また、その車夫たちが集まって客待ちする所。
      1. [初出の実例]「平常は此橋詰の停車塲(バン)に五六台は欠かさず客待ちするのが」(出典:老車夫(1898)〈内田魯庵〉)
    6. ばんとう(番頭)」の略。
      1. [初出の実例]「おれが顔で番(バン)をくどいて」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
    7. ばんたろう(番太郎)」の略。
      1. [初出の実例]「つるかから番をつとめる江戸の町」(出典:雑俳・柳多留‐一五(1780))
    8. ばんがさ(番傘)」の略。
      1. [初出の実例]「にわか雨番(ばン)の出払ふするが町」(出典:雑俳・川柳評万句合‐安永八(1779)天一)
    9. ばんて(番手)[ 一 ]
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 粗末な物、または、常用品の意を表わす。「番茶」「番下駄」「番袋」「番手桶」など。
  3. [ 3 ] 〘 接尾語 〙
    1. 数詞に付いて、順序・等級・当番の組の数などを表わす。
      1. [初出の実例]「勅、諸国兵士、国別分為十番」(出典:続日本紀‐慶雲元年(704)六月丁巳)
    2. 対をなすもの、勝負の取り組み、舞楽の組み合わせなどを数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「桜を賭物にて、三はむに数一かち給はん方には」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)
    3. 能楽で曲数を数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「婿殿の大鼓聞き及びて候。御なぐさみに一ばんあそばせ」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)

番の補助注記

[ 二 ]については、多数備えつけておいて、番号を付けるところからとも、また、当番の人の用いる物の意からともいう。


つがいつがひ【番】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「つがう(番)」の連用形の名詞化 )
    1. [ 一 ] 複数のものが組になること。組むこと。また、そのもの。
      1. 二つのもの、あるいは複数のものが、組み合うこと。また、そのものや人。組。
        1. [初出の実例]「文に四の句有り。合せて両の双(ツカヒ)と為」(出典:法華義疏長保四年点(1002)一)
        2. 「もとの人々御つかひにて殿の御声にてまんさいらく出せとて」(出典:讚岐典侍(1108頃)下)
      2. 動物の雄と雌一対。
        1. [初出の実例]「水鳥どもの、つかひを離れず遊びつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)
      3. 夫婦。めおと。
        1. [初出の実例]「重湯さへめしを喰してたまらうか 番の袖乞あはれ世の中」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第一九)
      4. 組になっているものの一員、または相手。
        1. [初出の実例]「常にありし者を番(つがひ)に置いて、我は夜昼相具して唱ひし時もあり」(出典:梁塵秘抄口伝集(日本古典全書所収)(12C後)一〇)
      5. 組になっているものが順次交代で事を行なうこと。
        1. [初出の実例]「此の二種は、常に(ツカヒ)に休みて上り下る」(出典:大智度論平安初期点(850頃か))
        2. 「医(くすし)の博士、易(やく)の博士、暦の博士等(とも)に宜しく番(ツカヒ)に依(よ)りて上(まうて)き下(まか)らしめよ」(出典:釈日本紀(1274‐1301)一八)
      6. つがいまい(番舞)」の略。〔歌儛品目(1818‐22頃)〕
    2. [ 二 ] 組み合わさっているものの、つながっている部分。
      1. つなぎ目の部分。合わせめ。また、前後、順序あるものなどのつなぎ目。区切れ目。
        1. [初出の実例]「声合する所々は〈略〉よくよく故事をめぐらし、つがゐを守るべし」(出典:申楽談儀(1430)勧進の舞台、翁の事)
      2. 骨の関節。〔文明本節用集(室町中)〕
        1. [初出の実例]「腰のつがひががっくりと寛(ゆる)んで」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五中)
      3. 事をしようとする、ちょうどその時。また、機会。
        1. [初出の実例]「なみだをまつげにうかべてしたえほろりとおちぬつがい、一声ことをひいたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一〇)
        2. 「Tçugaiuo(ツガイヲ) ミテ マウサウズ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 組になっているものを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「正家、匡房とて、時に優れたるひとつかひの博士なるに」(出典:今鏡(1170)一)
    2. 「烏一番(ツガヒ)杉の葉を一枚噛へて」(出典:太平記(14C後)一六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「番」の意味・わかりやすい解説

番 (ばん)

交代して行われる勤務,およびそのために編成された集団。番制度は早番・遅番,昼番・夜番などのように,その勤務が時間的に1人の労働を超える職務分野で広く採用され,現代社会でも工場労働などでみられる(交替制)。特にその勤務労働に伴う報酬が勤務者の生計を支える主要な源泉ではないような社会条件のもとでは一般的な制度であり,前近代社会では番は普遍的な労働編成の一様式であった。その根底には職務を身分の一標識とみる思想と同一職能身分に属する者の平等思想とがあり,しばしば相互の負担を均等化しようとし,あるいはその勤務の永続に伴う権力集中などの弊害を避けようとする意識が認められる。中世社会では裁判制度に番体制が採用され,荘園制にも番編成が行われた場合がある。また惣村や都市などの自治組織にもしばしば月番(つきばん)制(月行事(がちぎようじ)など)がみられる。番数や交代勤務の方法はその勤務内容によって一定しないが,1年12ヵ月,1月30ヵ日,および1巡60の干支を配分する関係で,番は12か30あるいは60の約数で編成されている場合が多い。番制度による勤務に当たることを〈当番〉,これを勤めることを〈上番〉〈勤番〉などといい,その結番交名(きようみよう)を〈番文〉〈番帳〉,編成された一つの番の統率者を〈番長〉〈番頭(ばんがしら)/(ばんとう)〉あるいは〈頭人(とうにん)〉などと呼ぶ。同一の番所属者は〈合番〉〈相番〉と呼ばれ,そこにはしばしば相互扶助,連帯の感情が認められる。

大和国家では6世紀以来,馬飼部,才伎(てひと)部,鍛冶部,泥部,史部,蔵部などの技術系の品部が数多く設置される。畿内各地の馬飼部の村から造(みやつこ)に率いられた馬飼部の集団が交代で馬司(うまのつかさ)に勤務したように,ここでは多く官司への上番制が採用され,官人制発展の一つの基礎となった。8世紀に整備された律令制においては,職事(しきじ),内舎人(うどねり),散位五位以上や地方でも郡司,軍毅,医師などは長上(ちようじよう)(日勤)であったが,史生,官掌,大舎人以下の諸舎人,兵衛,伴部,使部,散位六位以下は分番(番上)と定められていた。雑任以下の下級の者と宿衛を必要とする軍事警察的な職種に分番制が採用され,律令官人制の身分区分を支える一つの条件ともなっていた。軍団の兵士も番を組んで調練され,そこから貢上された衛士も2番交代であった。技術をもって仕えた品部・雑戸にも分番が多く,808年(大同3)の〈格〉によると,内匠寮の工人のうち長上は20人で従八位の官に準じ,番上は100人で白丁が主であった。なお公式令によると,大臣以上と諸省の卿を除く長上の官人も,本司に分番して宿直(とのい)(宿直と日直)することを義務づけられているが,平安時代の記録類によると内裏や院御所では公卿・殿上人などの当番宿直が行われ,これには6日ごとの勤番と5日連続の勤番が多い。中世に整備されて近世にも存続する禁裏小番は,10番の事例もあるが5,6番が多く,《言経卿記》によると,5番制の内々小番と6番制の小番とがあって,武士と武官・弁官を除く大納言以下の公卿・殿上人は,散位をも含めて原則としていずれかの番に編入されている。

日常的な国家警備役の象徴となる内裏大番役は,院政期に始まると考えられているが,その初期の上番方式はまだ明らかにされていない。しかし鎌倉時代には幕府がこれを支え,国ごとに守護の催促のもとに御家人が大番衆として上番した。この大番役の負担は時代と所領規模によって異なるが,中期には12番編成,1番6ヵ月勤務が原則であった。御家人の公的負担は主として警固番役の形式をとり,番役としては,ほかに,東国御家人がおもに勤めた鎌倉大番役(12番編成,1月勤番),蒙古襲来を機に新設された九州の武士の異国警固番役(4番編成,3月勤番),中国地方の御家人が主となった長門警固番役などがあり,また西国に所領をもつ特定の御家人は在京人として京都に常住し,六波羅探題の指揮下で篝屋(かがりや)番や大楼宿直(たいろうとのい)番などを勤めた。また東国の由緒ある特定の御家人は原則として鎌倉に常住し,小侍所に属して宿直番(小侍番・小番,6番・1日1夜勤務)を勤め,近習番,申次番,廂(ひさし)番,格子上下番などの御所内諸番役に当たった。この御所内番衆は将軍近侍の名誉ある地位と考えられていたが,これが室町幕府に継承されて発達した番衆の制度の原型となった。鎌倉幕府は裁判制度にも番を導入し,引付方は3~6番の各番ごとに頭人,引付衆,引付奉行を配し,それぞれ独立して訴訟の処理に当たって裁判の公平と迅速化に寄与した。建武政権が設置した雑訴決断所や恩賞方も番体制をとり,番ごとに毎月の勤務日が定められている。室町幕府の引付方,内談方もこれを踏襲し,裁判機関の番制度は江戸幕府に引きつがれる。

番制度は,院や有力貴族・寺社が,日常的に必要な酒などの供御物や夫役を調達するために早くから採用された。近江,摂津,和泉3国の荘郷から動員された摂関家大番舎人(大番舎人)は,京番頭のもとで毎月260余人の番子舎人が月10日ずつ交代で宿直警固や雑役に当たるもので,有力名主である大番舎人には給免田畠や免在家が認められた。彼らが年何回この役を勤めたかは不明であるが,興福寺の10日夜番や長講堂領の月充兵士,門兵士などの事例からみて,年3回程度の上番と推察されている。また畿内近国の大寺社の荘園の中には,平安時代から荘園を幾つかの番に分けて公事や夫役を交代で勤めさせていたところがあるが,13世紀半ばを過ぎると,旧名の分解に対応して荘園を番に編成し直すところが多くなり,摂関家大番領でもこの現象がみられる。このような荘園を番頭制荘園と呼んでいるが,ここでは有力名主を番頭として番頭給などを与え,一般農民の番子を率いて公事・夫役などを勤めさせており,番が年貢収納の組織に発展した場合もある。ここには小農民の自立化と惣村結合の形成に通ずる素地があり,戦国時代には伏見宮御所に動員された伏見番衆や石山本願寺に上番した一向宗の番衆のように,領主が郷民を番体制によって支配し,警固に動員している。これはヨーロッパのライエディーンストLeihedienstに通ずるもので,在地の領主が館の警固などに農民を番編成することもかなり広範に行われたものと推察される。このように番は中世に広く普及するが,これは日常的な宿衛警固に適し,また戦陣体系とも相応しやすかったために,戦国大名や江戸幕府も広く採用しており,特に武士社会では通常の勤務形式であった。
執筆者:

番は,江戸時代には武家方の職制中に顕著にみられた。幕府には大番書院番小性組新番小十人組(こじゆうにんぐみ)などがあったが,それらは,いずれも番頭(ばんがしら)-組頭-番士という編成であり,平時は交代して,殿中や城門の勤番,将軍出行の供奉(ぐぶ),市中の巡行などに当たった。このうち,大番は二条・大坂の各在番(2組ずつ,毎年二条は4月,大坂は8月の交代),書院番は駿府の在番(1組,毎年9月の交代)をも任務とした。このほかには,無役の大名の勤める大坂加番(4人,毎年8月の交代),おなじ大名・旗本の勤める駿府加番(3人,毎年9月の交代)などがあった。
加番・加役
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「番」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] バン・ハン・ハ
[字訓] あしうら・かわる・つがい

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
(ばん)は獣爪、田はその掌(てのひら)の形。合わせて獣掌の象形。〔説文〕二上に「獸足、之れを番と謂ふ。に從ふ。田は其の掌に象る」とあり、重文二を録する。古文がその原始象形の字。軽捷に動くものであるから、〔書、泰誓〕「番番(はは)たる良士」のように用い、また交替・順次の意となる。二人交替の意より、二面にわたる留金を「蝶番」のようにいう。

[訓義]
1. あしうら、けもののあしうら、獣掌。
2. ひらひらする、かわるがわる。
3. 交替、番、たがいちがい、かわる。
4. 二者一対、つがい、かず。
5. (は)と通じ、しろい。
6. (ばん)と通じ、しげる、えびす。
7. 藩と通じ、まがき。

[古辞書の訓]
立〕番 ツガヒ・ツカサ

[声系]
〔説文〕に番声として・旛・幡・・燔・潘・播・繙・蟠など十九字を収める。おおむね軽捷に動くものの意があり、また・蟠(ばん)のように蟠屈して集まるものの意がある。

[語系]
番・buaiは白beakと通じる。獣掌には毛がなく、その白さを強調するものがである。播puai、幡・飜・(翻)phiuanも同系。ひらひらと動く意がある。

[熟語]
番番・番仮・番悔・番客・番休・番語・番菜・番寺・番次・番戍・番・番攤・番直・番陳・番奴・番頭・番舶・番邦
[下接語]
一番・勤番・下番・交番・更番・週番・順番・上番・随番・数番・当番・非番・輪番

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「番」の解説


ばん

前近代における役務あるいは労働の編成方式の一つで,複数の集団や個人が交代で勤務すること。その集団・個人も番(人)とよぶ。律令制下,官人の勤務形態に長上(ちょうじょう)に対する分番(番上)があり,軍団兵士らも番を組んで交代勤務した。荘園制のもとでは,摂関家の大番舎人(とねり)が著名だが,このほかにも荘園領主が雑公事(ぞうくじ)徴収のために名(みょう)を単位として番を編成。鎌倉幕府の御家人役の中心は,警固番役すなわち京都大番役・鎌倉番役などであり,裁判制度でも引付方(ひきつけかた)に番制度を採用し,建武政権・室町幕府にも継承された。江戸幕府では,大番・書院番・小姓組や江戸町奉行の勤務形態にみられるように,番制度は幕府職制の骨格として機能した。中世~近世の村と町の共同体における防災・警備組織においてもみられる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「番」の意味・わかりやすい解説


ばん

交代して勤務すること。平安時代中期頃から荘民が皇室や摂関家に仕え,順番で寺家の警備にあたったのに始る。その長を番頭という。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【番頭】より

…畿内周辺の紀伊,近江,加賀,能登などに多くみられる。荘園領主に対する月次(つきなみ)の公事(くじ)(夫役(ぶやく)や綿,絹,酒などの雑公事(ぞうくじ))を勤めるために,荘園の下地(したじ)は幾つかのに編成されており,その番が公事をかけられる単位となっていた。このため荘園内の番の数は12ヵ月に割り振ることができるよう6の倍数になっているものが多い。…

※「番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android