精選版 日本国語大辞典 「至」の意味・読み・例文・類語
いたり【至】
[1] 〘名〙 (動詞「いたる(至)」の連用形の名詞化)
※書紀(720)神代下(兼方本訓)「其の誠欵(まこと)の至(イタリ)を陳(まう)す」
③ ある事の結果、そうなるところ。
※浮世草子・傾城歌三味線(1732)一「今迄は若げの至(イタ)りと了簡して」
④ 気がきいていること。粋なこと。上品なこと。また、ぜいたくなこと。
※咄本・鹿野武左衛門口伝はなし(1683)上「すこしいたりをいはんとおもひて」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「見へぬ所に結構をつくし、至りといふて珍重がるべし」
[2] 〘語素〙 近世、さまざまな名詞の上に付けて用いられた。
① 非常に上等である、ぜいたくであるの意を表わす。「いたり茶屋」「いたり料理」など。
② 気のきいた、しゃれているの意を表わす。「いたり大尽」「いたり染め」など。
③ 下接する名詞の程度のはなはだしいことを表わす。「いたり病(やまい)」「いたり気質」など。
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