トップ

精選版 日本国語大辞典 「トップ」の意味・読み・例文・類語

トップ

〘名〙 (top)
① 第一位。首位。
(イ) 競走・競泳で、一番前を走っている人。先頭。
(ロ) (多くは「トップを切る」の形で用いて) 何人もの人がある動作をする場合に、最初にそれをやった人。
※浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉五二「花屋敷の電光ニュウスは、一九三〇年の夏の浅草の、『断然トップを切った』のだ」
(ハ) (成績・地位など) 序列が一番上のもの。
縮図(1941)〈徳田秋声〉時の流れ「やがて松の家の芸者が立てつづけに土地での玉数のトップを切り」
② 最上部。
(イ) 塔の最上部。先端。てっぺん。頂上。
※倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉一「此度は上へ上がらうと云ふから階子を登ってトップへ乗った」
(ロ) 船の檣楼(しょうろう)
※愛弟通信(1894‐95)〈国木田独歩〉威海衛大攻撃北洋艦隊全滅!「一本の檣(ほばしら)はトップ以上を失ひ」
(ハ) 政界財界・企業など、あるまとまりの中での最高の地位にある人。「トップ会談」
※新西洋事情(1975)〈深田祐介〉東の秘書と西の秘書と「その組織はトップが一定期間いなくても動いていくが」
③ 新聞で、紙面の最上段の右にあたる所。また、そこに掲載する記事や、雑誌の巻頭にのる、売り物記事。
※家族会議(1935)〈横光利一〉「社会面のトップに、大きく文七の殺害事件が出てゐて」
④ 自動車や変速機つき自転車で、最高速度を出す時に用いるギヤ
※ぽんこつ(1959‐60)〈阿川弘之〉スピード・テスト「セカンドからトップへ、ギヤを切りかえてアクセルを踏む」
ボート競技で、一番舵手。
※学生時代(1918)〈久米正雄競漕法科の艇舳(トップ)を漕いでゐる〈略〉茨木が」
⑥ 洋服のウエストから上、また、上下分かれている服の上着をいう。⇔ボトム
⑦ 紡績工程で、梳毛(そもう)して太い篠状にした繊維束をいう。
⑧ 「トップボール②」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「トップ」の意味・読み・例文・類語

トップ(top)

順序の最初。1番目。「本日トップ議題
首位。1位。「前半をトップで折り返す」
あるまとまりの中での最上層。また、そこに位置する人や物。「世界のトップランナー」
最上部。てっぺん。頂上。「バックスイングのトップの位置を直す」
表面。上部。また、屋根。「デスクトップ型のパソコン」「ハードトップのスポーツカー」
新聞で、紙面の最上段の右にあたるところ。また、雑誌の巻頭。トップ記事。「第一面のトップを飾るスクープ
自動車などの変速機で、最高速度を出すときに用いるギア。トップギア。「加速してトップに入れる」
上半身に着るもの。特に、上下に分かれている洋服の上着。トップス。⇔ボトム
ゴルフで、ボールの上部を打ってしまうミスショット。
10 サッカーで、前線のポジションでプレーする選手のこと。「ツートップの布陣」→フォワード
[類語](1一番先頭第一真っ先最初初発いの一番初め一次原初嚆矢手始め事始めまず優先しょぱな先立ち当初初期初頭始期早期劈頭へきとう冒頭出出でだ滑り出し初手出端ではなはなはし口開け取っ付きあたまのっけスタート取り敢えず差し当たりひとまず当座序の口皮切り第一歩第一声始まり始まる始める発端端緒濫觴らんしょう権輿けんよ起こりとば口取っ掛かり開始幕開き開幕立ち上がり口切り最優先何をおいても何はさておき何はともあれ口火を切る先ず以て/(2ちょうおさかしら大将主将首領親方親分親玉棟梁頭目ボスドン闇将軍/(3一番一等一級無上至上至高最高最上最良最善随一ぴか一白眉はくびベストナンバーワン最も

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百科事典マイペディア 「トップ」の意味・わかりやすい解説

トップ

羊毛を洗毛ののち,くしけずって不純物や短繊維を除去し,毛すじをそろえたスライバー(撚りをかけていない繊維束)。梳毛(そもう)紡績における中間製品。この状態で染色することをトップ染といい,各種の染色トップを配合して所望の色糸や霜降り糸を作ることができるので盛んに行われる。

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デジタル大辞泉プラス 「トップ」の解説

トップ

ライオンが製造、販売する洗濯用洗剤の商品名、ブランド名。粉末、液体など形状別、また部屋干し用、シミ取り用など用途にあわせた商品を展開。

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世界大百科事典(旧版)内のトップの言及

【直紡】より

…直紡においては,繊維をそろえて平行に並べて伸ばすカーディング操作が省略される。たとえば,トウからトップ(紡績原料)を作るには直紡機の一種であるパシフィックコンバーターが用いられる。この機械によって次のような操作でトップが作られる。…

【紡績】より

…(b)カーディング工程 カーディングしやすいように油を散布(給油)した後,繊維が長いのでローラーカードで丹念にくしけずり,綿よりかなり太いスライバーを作る。(c)梳毛工程 各種ギルでダブリングとドラフトを繰り返し,かつコーマーにかけて繊維の開繊,平行化,短繊維や雑物の除去を行い,トップ(スライバーの一種)を作る(図4)。カード以後,これまでの工程をトップ工程ともいう。…

※「トップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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