デジタル大辞泉 「未必の故意」の意味・読み・例文・類語
みひつ‐の‐こい【未必の故意】
[補説]作品名別項。→未必の故意
[類語]故意・わざと・殊更・作意・作為・意識的・意図的・計画的・作為的・積極的・能動的・自発的・わざわざ・殊の外・殊に・好んで・わざとらしい・こと新しい・あえて・せっかく・とりわけ・自ら・手ずから・
故意の一種で、結果の発生が不確実であるが、発生するかもしれないと予見し、かつ、発生することを認容(容認)する場合をいう法律用語。故意には、結果の発生を確定的なものとして認識する「確定故意」と、これを不確定なものとして認識するにすぎない「不確定故意」とがある。未必の故意は後者に属する。未必の故意を故意と評価するかどうか、「認識ある過失」との関係で両者の区別が問題となる。認容説(通説・判例)によれば、結果の発生を認容する場合が故意(未必の故意)であり、この認容を欠く場合が過失(認識ある過失)であると解されるのに対し、蓋然(がいぜん)性説では、結果発生の蓋然性が相当高度であると認識しているか否かにより両者が区別される。
[名和鐵郎]
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… なお,故意の種類として,結果の発生を確実なものとして認識する確定的故意とこれを不確定なものと認識している不確定的故意とがある。後者は,さらに,群集に向けて発砲する場合のように,結果の発生は確実だが,だれに,何人に結果が発生するかが不確定な概括的故意,A,Bのいずれか1人を殺す意思で発砲するように,A,Bのいずれに結果が発生するかが不確定な択一的故意,およびAを射殺することになるかもしれないと思いながら,あえて発砲する場合のように,結果の発生そのものを不確実に認識している〈未必の故意〉とに分けられる。過失【堀内 捷三】
[民法]
故意は過失と並ぶ損害賠償責任の帰責原因であるが,過失におけるような意思の緊張の欠如ではなく,結果発生を認識しながらそれを認容してある行為をしようとする意思の態様をいう。…
…刑法は,原則として故意による行為のみを罰し,過失による行為を罰するのは,過失犯を罰する趣旨の規定がある場合に限られる(38条1項)。 故意と過失の限界は,とくに〈未必の故意〉と〈認識ある過失〉の区別として問題になる。〈未必の故意〉とは,通説的見解によれば,犯罪事実とくに結果の発生を確定的なものと認識せずに,単に可能なものと認識しているにすぎないが,その結果の発生の認容がある場合をいう。…
※「未必の故意」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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[1864~1915]ドイツの精神医学者。クレペリンのもとで研究に従事。1906年、記憶障害に始まって認知機能が急速に低下し、発症から約10年で死亡に至った50代女性患者の症例を報告。クレペリンによっ...
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